トム・ハザードの止まらない時間 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 早川書房
3.64
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本棚登録 : 193
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350410

作品紹介・あらすじ

歳をとるのが極端に遅い"遅老症(アナジエリア)"のため、16世紀に生まれ、21世紀の今も生き続けている男、トム・ハザード。シェイクスピア、フィッツジェラルド、クック船長らに出会いながら、さまざまな時代の局面に立ち会ってきた、彼の数奇にして波瀾万丈な人生とは──

感想・レビュー・書評

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  • 「2019版SFが読みたい!」に紹介があり、面白そうだったので読んでみた。面白かった。遅老症の主人公は、16世紀生まれで、400歳を超える。見かけは、40歳ぐらいにしか見えない。400年前に愛したローズを忘れられず、ずっと孤独に過ごして来た。シェイクスピア、クック船長、フィッツジェラルドなど歴史上の人物とも接してきた。400年ぶりに帰ってきたロンドンで、歴史教師としてカミーユという女性に出会う。ここから止まっていた時間が動き出したのではないか。遅老症というあり得ないSF的な設定を描きながら、人間にとっての時、人生、そして愛について考えさせるのである。そう言えば、バンパイヤも同様に長命だったけ。彼らは、どう生きていくのだろう。さて、実際にこんな症状があったら、なってみたい?周りの人々が年老いていく中で、自分だけが若いままなんて、とんでもないことだ。

  • 遅老症(アナジェリア)のため約1,000年かけて寿命を迎える予定のトムは、いま400歳。普通の人間だった大切な人たち、母、恋人、その子ども、友だち…との別れと、時代の移り変わり、逃げ隠れしなければ生きていけないしんどさを描く。シェイクスピアやクック船長といった歴史上の有名人が出てくるキャッチーさと、アナジェリアとして出てくるほぼ全員が頭痛やうつ病で薬を飲まずには生活できないという暗さが両立された小説だった。

    長生きもの、生まれ変わりものSFってなんだかぐっとくる。この作品が好きだった人は、多分ハリーオーガストも好きなはず。

  • 最後ががっかり

    • papriikaさん
      全体的に素晴らしいのですけど、最後は「もう少しなんとかならなかったのか」という思いが確かにあります。
      全体的に素晴らしいのですけど、最後は「もう少しなんとかならなかったのか」という思いが確かにあります。
      2021/12/20
  • 【Entertainment】トム・ハザードの止まらない時間/マット・ヘイク/20190219 / (11/743)<396/107319>

    ◆きっかけ
    ・日経書評

    ◆感想
    ・面白かった!是非映画化してもらいたい一冊。
    ・トム・ハザードは1581年3月3日、フランスの小さな城で生まれた。彼は後に遅老症と呼ばれる体質をもって生まれてきたため、普通の人よりも遥かに老化が遅い。周囲が老いていくにも関わらずいつまでも容姿が変わらない彼は、母親が悪魔に魂を売ったと噂されるようになる。新教徒でもあった母子はフランスを逃れてイギリスに渡るものの、二人にやがて魔女狩りの手が迫る・・・

    ◆引用
    ・変化にはいいものもあれば、そうでないものもある。変化のなかには良い面と悪い目を持ち合わせたものもある。人生とはそういうもんだ。変化をそれたり、いちいち歓迎したりする必要はない。それによって自分が何かをうしなうわけでなければ、きにすることはない。変化は人生の構成要素にすぎない。
    ・歴史は一方通行だ。ひとはまえにすすみつづけるしなない。ときには周りを見ることもできるし、今いるところでしあわせになることもできる。

  • 読んでも読んでも
    辛くて
    しんどくて
    希望がなくて
    時代は変われど同じで
    結構終わりまでそれが続く
    何度止めようと思ったか・・・

  • 時間がテーマではあるがタイムトラベラーやタイムマシンではなく長寿不死のパターン。ヴァンパイアものに近い設定かも。主人公の過酷な人生もさらりとした語り口でやさしいお話しでした。終盤の数ページはちょっと取って付けた感があったが実在の人物との邂逅など面白く読んだ(フォレストガンプっぽい?)。映画化が決まってるそうでそれも楽しみな作品だった。

  • シェイクスピアがさりげない支援をしてくれた。
    マリオンのモンテーニュが好き。登場シーンはあまりない。だが、出てくる場面は印象深いシーンばかり。
    魔女狩りはひどい。
    ヘンドリックのあれは妄想なのか本当なのか。

  • 「トムハザードの止まらない時間」http://hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014039/ 読んだ。おもしろかった。SFというよりファンタジー色が強い。437歳の男、娘が行方不明、日常で素性を明かせない、所属する秘密結社と対立。。というスリル要素満載。ベネディクトカンバーバッチで映画化されるんだね♡それは観たい(おわり

  • 2018年10月新ハヤカワSFシリーズ刊。2017年7月How to Stop Timeのタイトルで2017年7月英国で出版された、400年以上生き続ける男のお話。出版前にカンバーバッチ主演で映画化が決定していたそうな。映画向きのストーリーで、秘密組織なんかも出てくるし、映画の方は、イメージが膨らみます。

  • 遅老症という病気を抱えてるトム。同様に遅老症である娘を何百年も探している。
    不死ではないが不老のように見え長生きする、人に知られないようにしながら。
    過去と現在を交互に章立てていてサスペンスのように読める。ただストーリーとしてはありがちな気がする。

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著者プロフィール

文●マット・ヘイグ イギリスの作家。大人向けの作品に、『今日から地球人』『♯生きていく理由 うつ抜けの道を、見つけよう』(早川書房)などがある。児童書作品で、ブルー・ピーター・ブック賞、ネスレ子どもの本賞金賞を受賞。息子に「ファーザー・クリスマスはどんな子どもだったの?」とたずねられ、『クリスマスとよばれた男の子』を執筆。続編は『クリスマスを救った女の子』『クリスマスをとりもどせ!』。この「クリスマスは世界を救う」シリーズ全3 卷は「クリスマス・ストーリーの新定番」としてイギリスで人気をよんでおり、そこに登場する妖精を主人公にした作品に『ほんとうのことしかいえない真実の妖精』がある(いずれも西村書店)。

「2021年 『ほんとうの友だちさがし 真実の妖精のおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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