年を歴た鰐の話

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163221908

感想・レビュー・書評

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  • よくお腹をへらすワニの話。読んでいてどきどきひやっとした。

  • 昭和16年初版が刊行、昭和22年に判型を変え再刊。
    本書は昭和22年版の復刻版で、表題作のほか「のこぎり鮫とトンカチざめ」「なめくじ犬と天文学者」の3篇が収録されており、そのどれもが寓意に満ちている。

    ある評者は「人間性の暗黒面」を写したものと評し、他のある論者は老いた鰐をイギリスになぞらえた。
    そして訳者の山本夏彦氏は「non-sense(無意味)」と断じた。

    私が受けた印象は(あえて3篇まとめて)、「人間って、そんなに大したものじゃないよ」ということ。

    しかし無理に寓意を探る必要はない。
    ほとんどの見開きに著者自身による挿絵がはさまれており、素直にページをめくる楽しさが味わえる大人の絵本だ。

    ワクワク感に浸るために、そしてその時の自分がどんな感想を持つかという興味のために、1年に1回は読み返したい。

  • 内容もいいけど、装丁も素敵。

  • 表題作、のこぎり鮫とトンカチざめ、なめくぢ犬と天文学者。
    表題作が★5、あとは★3,5
    絵もいいしストーリーも意味深。

  • シュールでいいわ~。著者の手によるイラストがまたいい。山本夏彦翁の訳文も素敵。

  • 「幻の名訳」とか書いてあるので買ってしまった。ナンセンスにすこしの毒が入ったような感じ。絵もけっこう評価が高いらしい。久世光彦さんの解説もついてるので満足。

  • 昭和に訳されたもの。文語体。
    鰐と蛸のやり取りが切なくて好きです。
    一日一本ずつ足がなくなっていく蛸が最後まで鰐を疑わないのはバカだと思われるかもしれないけれど、あくまで純粋なだけにも思える。
    鰐も蛸自身の人柄(?)に対する愛情と、食欲としての愛情に苦しむのがなんとも。
    食べること意外にも、人間でこういうジレンマは当てはめられますね。

  • 山本夏彦の翻訳絵本 シュール

  • 幼稚園の時読んでよくわからなくてこわかったけど 
    ものすごくなんか

    もうどうしようね

  •  のっけから衝撃的な残酷描写。驚きの展開に、なんだか魅入られてしまう。ついつい寓意をはかりたくなるのだけれど、若かりし翻訳者、山本夏彦のはしがきに、深読みを揶揄される。 「超訳」だというので、新訳も読んでみたのだけれど、昭和22年版を底本とするこちらの方が好み。

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