賢者はベンチで思索する

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 435
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163239606

感想・レビュー・書評

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  • やりたい事があり専門学校を出たが、就職できずフリーターとしてファミレスで働く毎日な久里子。あるきっかけでレストランの常連の老人と話すようになり、日常の事件の解決を手助けしてもらうようになる。
    久里子の日々の葛藤や悩みが、誰しも経験した事があるような等身大の姿で、話にすごく入りやすかった。そこに二匹の犬の登場で、久里子シリーズの世界にガッツリ掴まれた感じ。話の展開もハラハラドキドキで…。
    近藤さんの話は読みやすくて、本当私好みの物ばかりで嬉しくなってしまう。どのシリーズもそれぞれカラーが違うのに、どれも「この世界観すごく好きだな~」と思わせてくれる不思議。

  • 何となく謎の?老人が気になってスラスラ読めた!
    怪しいのに頼りにしちゃう主人公の気持ちに入り込めた、なんか続き読みたくなった、無いけどね?

  • 2005年発行とかなり前の作品。なぜこれを読みたい本リストに入れていたのかさっぱり覚えてない。がっつりとインパクトがあるわけじゃないけど、読みやすくて面白かった。若い頃にこうやって相談できるような高齢者と仲良くなれるのはいいよなー。高齢者ほどなりすましやすいというのが、なるほどなぁと思った。猫背とか、全体の雰囲気だけをとらえて、顔を見ていないと。最後、兄が弟に暴力をふるっていた、というのがふわっと終わっているのが時代を感じる。今ならもっと大騒ぎというか、確実に警察から親に話は行くだろう。しかし、被害を受けても、弟は言えないんだなぁ。

  • いい作品でした。
    ある訳ありの老人と、
    ちょっと人生をあきらめがちの女性と。

    この女性は家族関係に問題を少し抱えていました。
    特に弟ね。
    あることをやらかしてから暗くなったのです。

    最初の作品のみけっこう大ごととなります。
    気持ちはわからないまでもないけど
    絶対やっちゃいけないことですからね!!

  • 「ふたつめの月」の方を先に読んでしまって、慌てて戻って来ました。犯罪者にはなりたくないけど、こんな謎めいた深みのある老人になってみたい。本当に犯罪者なのかな、と二作続けて読んで疑っているけど。

  • 最後の大どんでん返しには、驚きました。国枝老人の温かい言葉が傷ついた主人公を癒し、励まし、揺らし、ラストは希望ある終わりで優しい気持ちになります。人生でそばに一人はいて欲しい賢者のお話です。

  • 人の進む先。通る人は限られる。

  • 後半の追い上げがすごい。トモ、ファインプレイ。

  • ファミレスウェイトレスと常連客の老人とのストーリー。

    近藤史恵さんの作品には、犬がいっぱい出てくるから、とても親近感が湧くし、知っておいた方がいいちょっとした知識や「あるある」が散りばめられているから、現実的でとてもいいと思う。

    人間の本質とは、なんだろう。
    見た目ではないし、やっぱり人と関わっていろんな人を知っていくことって大事。

    今回もとても読みやすかった。

  • バイトしているファミレスの常連である国枝老人。
    様々なエピソードで国枝老人像が読み手にできてきた頃に、違う展開があって面白かった。
    世の中で悪い人も、本当に悪い人かはわからない。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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