キネマの神様

著者 :
  • 文藝春秋
4.20
  • (294)
  • (272)
  • (114)
  • (18)
  • (1)
本棚登録 : 1425
感想 : 288
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163277301

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あー!素晴らしい一冊だった!
    “大好き“なことに巡り逢える幸せ!
    この一言に尽きます!
    ギャンブル依存症の父を情けなく思いながらも父がこよなく愛する“映画“関係の仕事に就く娘の歩。
    依存症から立ち直らせることができるかも?と映画のブログを父に書くよう勧めたことから思わぬ出逢いや奇跡が生まれる。
    父が歩に繰り返し言い続けた言葉、
    「なんであれ、好きなように思い切ってやってみろ。好きなことなら、どんなに辛くても乗り越えられる。」
    登場人物誰もが映画が“大好き“で眩し過ぎる!
    「映画が好きだ。ただ好きだ。それだけなんだ」
    「私、大好きだ。この会社が、ここで働く人たちが」
    こんなに“大好き“に囲まれた毎日、なんて幸せなんでしょう。
    そして、歩と父の関係を始め、ブログの映画の論評の中の父と子、他の登場人物の親子関係も描かれ、なんだかノスタルジックな気分にもなる、そんな一冊でした。

  • 久しぶりの原田マハ作品
    なぜ読んでなかったのかキネマの神様

    ドラマチックな作品でした〜♪
    人生詰んだ…からの復活!!
    ギャンブル依存症で借金をこさえて家族に謝れば済むと思ってるどうしようもない父親。
    映画がひたすら好きで好きでしょうがない父親。

    登場人物のキャラも素敵。
    出てくる映画も観たことあるのがいっぱい。
    ストーリー展開に鳥肌が(〃ω〃)

    あ〜映画が観たくなってしまった。

    読書のBGMに何気にカーペンターズの曲YouTubeで流してたらYesterday Once Moreでローマの休日の映像が…カラーで。うん白黒で観たくなった笑



    • みんみんさん
      aoiさん!カラーのヤツ!可愛いよねぇ(⑉︎• •⑉︎)♡︎
      名画座近くに欲しい…
      aoiさん!カラーのヤツ!可愛いよねぇ(⑉︎• •⑉︎)♡︎
      名画座近くに欲しい…
      2023/09/20
    • hibuさん
      おはようございます!
      私もこの作品大好きです♪
      映画も見ましたが、原作の方がより感動すると思います^_^
      おはようございます!
      私もこの作品大好きです♪
      映画も見ましたが、原作の方がより感動すると思います^_^
      2023/09/21
    • みんみんさん
      hibuさんおはようございます♪
      ワクワクする素敵な作品でした〜\(//∇//)
      hibuさんおはようございます♪
      ワクワクする素敵な作品でした〜\(//∇//)
      2023/09/21
  • いつも、「ママが本の最後の20頁を読んでる時だけは邪魔しないでね」
    と言い聞かせているにも関わらず、わざとちょっかいを出してくる娘が
    もう、読んでるんだか泣いてるんだか定かでなくなってる私に、思わず後ずさりし、
    パタンと本を閉じるやいなや、机に突進してノートを取り出したのを見て
    「その本、買うんでしょ。やっぱりね」と、不敵な笑みを浮かべて言った。。。

    そう!娘にしっかり見破られた通り、図書館で借りて読んだけれど
    すぐにでも買ってきて、お気に入りの本棚に並べたい本です!
    (ちなみに、取り出したノートは「ぜったいに買ってくる本リスト」♪)

    国内有数の再開発企業で、社内初の女性課長として
    シネコンを核とした文化施設計画を任されていた歩が
    身に覚えのない噂のせいで辞職に追い込まれ、
    そのタイミングで父のゴウが心筋梗塞で倒れただけでも大変なのに
    その父は、ギャンブルで生涯何度目かの大きな借金を作っている! という
    まさに不幸のどん底を絵に描いたような状況から、物語は始まるのですが

    この危機的状況を救うのが、70年にわたり、映画への熱い愛情を抱き続け
    200冊を超えるノートに書きつけてきた父の映画日誌であり
    それに感動した歩が、返歌のようにチラシの裏に書いた
    映画館についての小文、というのが素敵。

    これをきっかけに、歩が再就職した映友社のウェブサイト『キネマの神様』で
    ゴウが書き綴る映画についてのブログが、とにかくすばらしい♪
    作品のチョイスも、ウィットに富み、温かさが溢れ出る文章も。
    ブクログで、大好きな本についてこんなレビューが書けたらいいなぁ、と
    頭に思い描いていたような、心に沁みる言葉なのです。

    『キネマの神様』に、謎の存在として乱入してきたローズ・バッドとゴウが
    「ゴッド・ブレス・ユー」(byローズ・バッド)、「合掌」(byゴウ)で結んだ文章で
    映画をめぐって戦わせる丁々発止の渡り合いが、また素敵で。

    借金が300万あっても、1000円手元にあれば、シニア料金で映画を観てしまう
    ゴウを理解し、支えてきた名画座「テアトル銀幕」の経営者テラシンが
    ネット上で育まれたローズ・バットとゴウ、ふたりの友情のために
    ラストシーンで上映する、「人生最良の映画」。

    私も大好きなその映画を、テアトル銀幕のくすんだ赤いビロード張りの椅子で
    ゴウや、その隣に坐っているにちがいないローズ・ウッドや
    歩やテラシンや、映友社のみんなと一緒に観ているようで、ぽろぽろ涙が零れました。

    映画館を包む温かい共感を、一度でも味わったことがある方は、ぜひ。
    映画も本も大好き!と宣言できる方は、ぜったいに、読んでほしい作品です!

    • HNGSKさん
      まろんさん、私の本棚にコメントをありがとうございます。まろんさんにそんなことを言っていただけるなんて・・・まろんさんと一緒に映画を観たいです...
      まろんさん、私の本棚にコメントをありがとうございます。まろんさんにそんなことを言っていただけるなんて・・・まろんさんと一緒に映画を観たいです!!
      2012/12/10
    • andesapresriam12さん
      まろんさんへ

      今日読みました!ニュー・シネマ・パラダイス好きには涙なしでは読めませんよね。
      しばらく余韻が残りそうです。
      まろんさんへ

      今日読みました!ニュー・シネマ・パラダイス好きには涙なしでは読めませんよね。
      しばらく余韻が残りそうです。
      2013/01/06
    • まろんさん
      andesapresriamさん☆

      映画に造詣の深いandesapresriamさんが
      私の大好きなこの本を気に入ってくださって
      とてもと...
      andesapresriamさん☆

      映画に造詣の深いandesapresriamさんが
      私の大好きなこの本を気に入ってくださって
      とてもとてもうれしいです!
      続きは、感動的に綴ってくださったレビューのほうにコメントさせていただきます(*'-')フフ♪
      2013/01/08
  • ディレクターズカットの方を先に読んでからこちらを読んだ。全然面白さが違う!断然こちらが良い!
    マハさんの繊細で巧みな表現力で物語が極めて滑らかに流れて、すすすい〰️っと読み進められて、気がついたら読み終わっていた。
    合掌。

    • ジェダイパパ6986さん
      原田マハさん、いいですよね!私も好きです。先日、京都で「原田マハとバタートーストの集い」で原田マハさん、ご本人と会ってお話することが出来まし...
      原田マハさん、いいですよね!私も好きです。先日、京都で「原田マハとバタートーストの集い」で原田マハさん、ご本人と会ってお話することが出来ました。最高でしたw
      2023/04/05
    • 山賊パスタさん
      ジェダイパパ6986さん

      コメントありがとうございます。
      あっ、御本人とお話ですか、羨ましいですね。やはり素敵な方でしたか?
      ジェダイパパ6986さん

      コメントありがとうございます。
      あっ、御本人とお話ですか、羨ましいですね。やはり素敵な方でしたか?
      2023/04/15
  • 『この奇跡の物語を、あなたは読み逃していませんか?』とあったけど、読み逃してました。
    映画公開される前にと手に取った。
    このまま読み逃さなくて良かったー。
    評判通りの良いお話でした。

    映画愛と人々のひたむきな思いと優しさに溢れていた。優しさに涙し、本文に出てくる映画を思い出しては、また涙。

    『好きなこと』で繋がっている関係はいい。
    性別も年齢も立場も、国籍も親子も『好きなこと』への想いで対等になれる。
    前向きで、どんなにその愛を語っても引かれない。深く共感しあえる。喜びあえる。

    コロナ禍で映画館に足を運ばなくなったけど、あの名画座どうしているだろう。無性に映画館で映画が観たくなる。

  • TSUTAYAでアルバイトしていた学生時代、世代を問わない不動の名作として挙げられていたのは「ニュー・シネマパラダイス」と「ライフ・イズ・ビューティフル」「ショーシャンクの空に」だった。
    大学生としては安い時給も、店員特典(無料レンタル)のフル活用で埋め合わせとばかり、気になれば片っ端からジャケ買いならぬジャケ借りをする日々。

    ライブジャンキーなのでCDを借りる方が圧倒的に多かったけれど、この時期が一番映画にも詳しかったと思う。「ロリータ」「バッファロー'66」「アメリ」「アメリカン・ビューティ」「エビボクサー」「アタック・ナンバーハーフ」「テルマ&ルイーズ」「アカルイミライ」「ヘドウィグ・アンド アングリーインチ」…父に頼まれて「ミナミの帝王」やらヤクザ映画も借りた。私がいることを知らず、サークルの男の子がレジにアダルトビデオを持って来たこともあった。

    映画というのはなかなかに贅沢な趣味である。本や音楽は通勤途中でも楽しめるが、映画となるとそれなりに腰を据えて取り組まねばならない。DVDでなく劇場で鑑賞するなら尚更だ。日本ほどチケットが高い国はないそうだが、約2時間の拘束も多忙な人には向いていないだろう。

    ゴウちゃんは幸せだ。80歳にして借金まみれでも、けろりとして日課のごとく名画座に向かう。妻泣かせ、娘泣かせ、とんでもない爺さんだ。

    でも憎めない。ここまで好きなものがあって、生涯それに向き合って、かけがえのない友達まで出来て、ただただ羨ましい。久しぶりに名画に触れたくなる。

  • 私の友人には映画好きが多い。
    ある友人の言葉が今も忘れられない。
    「映画を観るって、2時間の間に自分とは別の人生を経験することよね」 
    この物語の最初にはこう書いてある。
    『観るたびに思う。映画は旅なのだと』

    一流企業でシネコンの立ち上げに関わっていたものの、
    左遷を機にあっさり会社を辞めてしまった娘。
    「好きなことを思いっきりやれば、どんなに辛いことでも乗り越えられる」
    という信念を持つ父。
    それを実践した父は、ギャンブルと映画にお金をつぎ込んで借金まみれ。

    ところが この後、あることがきっかけで父と娘に奇跡が起こる。
    映画に対する人々の愛が、それぞれの人生の日の当たらない箇所に
    光を当て始めるのだ。
    父と娘、そして二人の周りの人たちから発せられたその光は、
    あっという間に国境を超えて人々の間に固い絆を作っていく。
    温かくて、優しくて、愛おしい物語だった。

    そして、表紙をよく見ると、この作品にはもう一つ英語のタイトルがついている。
    "The Name above the Title"
    この言葉の意味は作品の中で説明されるが、
    これが 物語最後の映画 上映時に映し出される白い文字に深い意味を与えている。
    父親の親友の愛の詰まった仕掛けに思わず涙腺がゆるんだ。

    この作品については、原田マハさんが
    「父の人生にこんな温かな奇跡みたいなものが起きてほしいと思って小説を書いた」
    と語っていたそうで、3割は実体験の私小説みたいなものだそうだ。
    タイトルにもなっている「キネマの神様」という言葉にも
    祈りのようなものが感じられる。

    ここからは映画について。 
    主人公の父親が愛してやまない映画が『ニューシネマパラダイス』。
    この映画の中、イタリア離島の映画館では、観客がずいぶん派手に泣いたり、
    怒ったり、笑ったりする。
    みんなで一緒に思いっきり楽しむのだ。
    日本人ではこうはならないかな…と思いながらも、
    こんな風にみんなでワイワイ見られたら楽しいだろうなと思う。
    そういえば、マイケルジャクソンの「THIS IS IT」上映の時は
    みんなで騒いで観たかな。
    そして、まさか、まさか、人と接触しないことが推奨される時代が来るなんて! 
    一日も早く、みんなで楽しめる時が来ますように。

  • 私が学生時代はまだインターネットなんてない時代だった。
    映画の情報を得るにはもちろんぴあが欠かせない。
    そのぴあを片手に私の住む県ではもちろん上映されるはずもないマイナーな映画を見るために、都内とはいえ小さな小さな今にも潰れそうな映画館に路に迷いながらようやく辿り着く。
    それが当たりだったらしめたもの、でもそうとは限らず時にはお金と時間を無駄にする悔しい思いも。
    この本を読んでいたら、そんな懐かしい時代を思い出した。

    「キネマの神様」はファンタジーだ。
    野球の神様が降りてくる「フィールド・オブ・ドリームス」のように。
    作者は野球を愛する気持ちと同じように映画を愛する気持ちをあふれんばかりに作品に込めた。

    「ニュー・シネマ・パラダイス」公開当時とは違い、ネットで動画も見れるしDVDも簡単にレンタルできるようになった。
    でもやっぱり映画館の大きなスクリーンで見る映画は格別だ。
    最近はなかなか映画館まで足を運べないのが残念・・・。
    たまには時間を作って見に行ってみようか。
    私もごうちゃんと同じく映画は一人で見る派だけれど。

    • vilureefさん
      まろんさん、こんばんは!

      ふふふ、まろんさんは誰かと一緒派なのですね。
      私はごうちゃんと一緒で照れ屋(?)なので隣に座っている誰かに気兼ね...
      まろんさん、こんばんは!

      ふふふ、まろんさんは誰かと一緒派なのですね。
      私はごうちゃんと一緒で照れ屋(?)なので隣に座っている誰かに気兼ねして思い切り泣けないと消化不良になっちゃうんです。
      それと、エンドロールを見ながら余韻に浸っているときに、「何食べにく?」とかって思い切り現実に戻っちゃう会話がどうも・・・(^_^;)

      この小説い出てくる映画、なつかしいものばっかりで。テアトル銀幕での「アダムス・ファミリー」と「リトル・ミス・サンシャイン」の二本立て、個人的にはかなりツボでした(笑)

      あ~、ゆっくり映画館に見に行きたい!!
      2013/03/16
    • まろんさん
      「リトル・ミス・サンシャイン」!
      あの珍道中を繰り広げる家族、みんな揃いも揃ってヘンな人なのに
      なぜか好きにならずにいられないという(笑)
      ...
      「リトル・ミス・サンシャイン」!
      あの珍道中を繰り広げる家族、みんな揃いも揃ってヘンな人なのに
      なぜか好きにならずにいられないという(笑)
      「沈黙の誓い」を立てて、ほんとに口をきかずにすませちゃう長男が、特に好きでした♪
      大笑いしながら、ほろっと泣けてしまう映画ですよね(*'-')フフ♪
      2013/03/18
    • vilureefさん
      まろんさんも、「リトル・ミス・サンシャイン」好きでしたか!
      とてもうれしいです♪

      冒頭のフライドチキンに大ブーイングの場面から笑っち...
      まろんさんも、「リトル・ミス・サンシャイン」好きでしたか!
      とてもうれしいです♪

      冒頭のフライドチキンに大ブーイングの場面から笑っちゃいます。
      そうそう、アメリカ人てチキンばっかり食べてるよな~なんて。

      私はあのおじいちゃんが好きです。
      最後は死体となって運ばれちゃいますが・・・。フフフ。
      また見たいですね。
      2013/03/19
  • 大好きな本と巡り会えました。
    洋映画とパチンコが好きで下戸だった亡き父と、ゴウさんが重なったせいもあってか懐かしい気持ちになりました。
    読み終わりたくない。いつまでも本の中に居たい。と思う本は久しぶりです。
    作品の中にメールのやり取りが出て来ます。「本日はお日柄も良く」でも同じく思ったのですが、メール、手紙、(スピーチ) それらが優しさに満ちて、本当に心に響くのです。
    読んだ直後に例の映画のダイジェスト版をネットで観てこれまたウル

    16年前に描かれた本です
    その後山田洋次監督が映画化するのですが、内容は全く違うシナリオなんだそうで、映画化されたストーリーをまた原田マハさんが小説にしたのが、シネマの神様ディレクターズ・カット
    私は図書館で間違えて借りてきてしまって、映画化されるまでの経緯等のエピソードをかじって読まずに、原作のこちらを読みました。

  • TVはアナログ放送からデジタルへと変わり、
    ビデオはより高画質で楽しめるDVDへと進化していった。

    大画面で見るド迫力の映像に
    「もう、映画館に行く必要ないじゃん!」と、
    私は週末ごとに、レンタルしてきたDVDを家で悠々と楽しむ事ができる
    <今>に大変満足していた。

    …が、息子(中3)は。
    「俺は映画館で観るのが好きなんだ。」と、徹底的に劇場に拘り、
    月一ペースで足を運ぶ。
    で、
    帰って来ては興奮して、観て来た映画の感想を
    (まるでおすぎのごとく!)いつまでもあーだ、こーだと喋り続けるのであった。(^^;

    (どれ、たまにはちょっと付き合ってみるか。)
    3D映画にも興味あったし。
    と、いうわけで、随分久し振りに映画館に足を運んでみた。

    わ!
    わわ!
    わわわわわ~~~~っ!!

    まるで異世界っ!
    (家で観るのと全然違うっ!)←久し振りなだけにネ♪
    DVDなら飛ばしてしまう、予告編にさえワクワクするっ!

    「今度、これ観たいね!あれも観たいね!
    わっ、ぜんぶ、おもしろそう~っ!」

    日常を切り離すがごとくに響く、照明が落ちる音。
    やがて、、
    古代の、近未来の、ファンタジーの、異世界への入口は開かれ、
    エンドロールが流れるまで、後ろの扉は固く閉ざされるのだ…

    読書中は、ずっとこの至福の時を思い出していた。

    観賞後、
    しばらく席を立てずに、夢覚めやらぬ感動で
    エンドロールを眺め続ける心地よさ♪

    彼ら(登場人物ら)は、
    その空間を守ろうと、必死に奔走していた。

    時代は変わる。
    人々が求めるものも変わる。
    家で映画を楽しむ人が劇場から遠のく。
    映画の質も変わって行く。
    より、刺激的なものに、驚異的な映像を売り、としたものに、
    人々は、興奮を、話題を、いい時間つぶしが出来る作品を求めて、
    そんな場所にたくさんお金を落とそうとする。

    本当の映画好きが集まって、
    刊行される雑誌なんか、売れない。

    いい映画を選んで上映してくれる小さな映画館になんか、足を運ばない。

    私もそうだ。

    でも、
    でも、
    彼らの必死を見ていたら、
    なんだか、すごく胸が熱くなった。

    巨大な映画会社に、
    小さな彼らが立ち向かう為に手にした武器は
    「映画を真に愛する」という心とそれを伝える言葉のみ。

    でも、それを傍観していた
    キネマの神様が、姿を現した時は、心底ゾクッ、とした。

    かつて観た、
    未だ心に残る映画が物語りの中にいっぱい出てきた。

    ショーン・コネリー主演の「小説家を見つけたら」はとても良かったなぁ~

    「硫黄島からの手紙」も何度も観た!

    この物語のなかに入って、私もいっぱい語りたくなってしまう。

    劇場から帰って、しゃべりまくる、息子の気持もなんだかわかった様な気がした。^^;

    あー、
    今すぐ劇場に行きたいっ!
    そんな気持にさせてくれる物語。

全288件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×