ポルト・リガトの館

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 54
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163290102

作品紹介・あらすじ

スペインのダリの館で日本人画家が経験する怪異譚(「ポルト・リガトの館」)。アマゾンの大湿原帯で元夫婦が遭遇したものは?(「パンタナールへの道」)。カシミールの高原湖で性の秘儀を会得する芸術家(「スリナガルの蛇」)。異国を旅する三つの能仕掛けの物語が絡まりあい、現実と幻想のあわいへ誘う。

感想・レビュー・書評

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  • 横尾忠則は小説も面白いという噂を聞いて読んでみました。
    めっちゃ視覚的で非常に鮮やか。そんでどこまでも感覚に頼った情景が続いてアタマがぱちぱちぐらぐらしてきそうやった。なんかもう、はじめはヨコオワールドがそのまま活字になったみたいやと思ったけど、それよりは、横尾さんから見る世界がこんななんやろなーと思ったり。
    表題作よかった。ダリの性格がすてき。境界が不明瞭になる話大好きです。ラストは色んな人が出てきてちょっとテンション上がってしまったw「パンタナールへの道」も、妄想と現実の区別がついてない感じがよかった。「スリナガルの蛇」はわけわからんかった。宗教?

  • 横尾氏のペインティングの世界観とも通じる3話からなる小説集。
    エッセイ「インドへ」をモチーフにしたストーリーも。

    個人的には、大衆週刊誌に載ってるような小説だなと思ってしまいました。
    横尾氏の絵画作品のファンにはおすすめできそうです。

  • 横尾忠則ワールド炸裂!でした。
    コラージュのようにちりばめられた事象、とどまることのない連想、、、
    まさに横尾さんの絵がテキストになった印象です。


    生と死が表現される結果、皮肉もあって読んでいて何度もドキリ、もしくはギクリとしました。
    3編の小説が納められていますが、中でも表題作の「ポルト・リガトの館」がいちばんドキッとさせられました。
    なぜなら主人公は極東の画家・唯典。
    え、タダノリって?しかもこの展開は…と思いつつ読み進めることになるのです。


    ここまで書いて、個人的には好きなんだけど、おすすめするにはちょっと人を選ぶな〜と思った一冊でした。

  • スペイン、ブラジル、インドが舞台となった夢か現実かわからない様な話は、ダリの絵のようです。晴天の昼下がり、猫の額程の庭に椅子を持ち出しビールを飲みながら読みました。自分自身も夢の中にいるような不思議な気分が味わえました。

  • 「ポルト・リガトの館」「パンタナールへの道」「スリナガルの蛇」の3部作になっています。入り組んだパズルのような、エンドレス映画のような、謎がいっぱい隠れていて私はそれを自分なりに解くのが楽しかったです。
    「ポルト・リガト...」のラストは胸が熱くなった。横尾さんはすごい!

  • これは過去に日本語で書かれたどんな小説とも似ていない。だそうです。

  • 2010.04.04 日本経済新聞に紹介されました。

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著者プロフィール

美術家、グラフィックデザイナー

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横尾忠則の作品

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