ライシャワー自伝

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163417400

作品紹介・あらすじ

日本とアメリカを等距離で見つめつづけた希有の知識人が、日本への深い愛情と理解はいずこより来たかを外交秘話をまじえて率直に語る。はじめて聞く外交秘話とこまやかな日本への愛。行間に人柄のにじむ知日知識人の70年。

感想・レビュー・書評

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  • ケネディ大統領によって駐日大使に任命された日本学者エドウィン・O・ライシャワー(Edwin Oldfather Reischauer)博士の自伝。
    ・・・という通り一遍の紹介より、アメリカにおける東洋学研究の最高峰、ハーバード大学燕京研究所の所長であり、同大学に設立されたライシャワー日本研究所に名前を冠された学者、という面をご紹介したいです。
    戦前のアメリカには日本研究はほとんど存在せず、東洋学を志す学生は皆中国から学び始めなければならなかった点や、戦後のライシャワー博士の尽力によってアジア研究が充実していく過程などが解ります。
    もちろん、円仁の『入唐求法巡礼行記』の翻訳や、マッキューン・ライシャワー式朝鮮語ローマ字表記の考案など、本人の研究業績についても述べられています。
    燕京研究所は中国研究が本職でありながら、ライシャワー博士を含めて歴代の所長たちが本質的には日本学者だというのも興味深いですねw
    また父親(宣教師)と兄も東洋学者であり、息子と娘婿も学者になったという一家で、アメリカの「学者の家」という一見理想的な家庭ではありますが、それ故に抱える悩みも綴られています。
    駐日大使としての活動では、戦後の高度成長期における日本や、激動の60年代の米政界の動きについて述べられていて面白いです。

    しかし自伝の性格上、どうしても自己弁護的な記述が随所に見られますね。
    例えば大戦中、日本軍の暗号解読を担当していたライシャワー博士が、日本に早期降伏を促すために朝鮮などの植民地領有を是認するよう進言したそうですが、当時の戦況や、生まれ育った日本を愛する気持ちからすれば決して恥じるようなことでもないのに、それを言い訳がましく言うところに、本人の後ろめたさが感じられますねw

    ニン、トン♪

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