わが朝鮮総連の罪と罰

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163583907

作品紹介・あらすじ

日本海沿岸に「私」がつくった38カ所の北朝鮮工作船「接岸ポイント」、秘密結社「学習組」の実態、総連式「オルグ」術、パチンコと地上げによる「錬金術」、「北」への送金方法、対韓国「スパイ」工作。

感想・レビュー・書評

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  • 2002年出版。
    総連の幹部であった韓から聞き取った内容を書き記したもの。韓は親が「帰国申請」を取り消して日本に残ることになったあと、総連専従のスタッフとなって様々な「裏」の事業を行ってきたという。

    例えば、北朝鮮の工作船が日本に入るポイントを作る仕事。全国に数十ヶ所もあり、金銭の受け渡しや、「密航」のポイントになっていたという(これは、後に拉致にも使われた可能性がある)。

    また、北朝鮮に送る資金を稼ぐためにパチンコ事業を立ち上げ、大金を稼ぐ仕事。
    本来、総連は政治的組織であったはずだが、金正日の時代になり、より多額の献金を求められるようになり、総連は金儲けに乗り出す。パチンコや地上げの事業は軌道に乗り、相当なカネを儲けたようだが、それは次第に総連の腐敗へとつながっていく。

    がむしゃらに祖国と同胞のために働いてきたはずの韓は少しずつ違和感を感じ始める。「総連の活動で同胞の役に立っていることがあるだろうか。むしろ、やっているのは同胞に害を及ぼしていることばかりではないか」と。
     
    総連の「裏の顔」をよく知っている元幹部のようだが、金正日の信任を受けて当時ナンバー2として権勢を誇った許宗萬(現議長)との確執のために更迭され、総連内で孤立してしまったとされる。
    総連が力を持っていた時代に何をしていたのか、が、よくわかると同時に、総連の体質についてもかなりはっきりと書かれている良書である。

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