- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163651309
作品紹介・あらすじ
やさしく、面白く、本格的に『古事記』を読み解く集中講義。
感想・レビュー・書評
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2002年6月に出した『口語訳古事記[完全版]』が予想外の大売れで、二匹目のドジョウを狙った出版社にけしかけられ、単行本を作るために、2003年1月号から雑誌『文学界』に連載をもつことになりました。何せ、『文学界』というのは私にとっては憧れの文芸誌でしたから、ちょっと有頂天という状態でした。そこで書いたのが、「神話はなぜ語られるか」(1月、しかも巻頭)、「英雄叙事詩は存在したか」(2月)、「英雄たちの物語」(3月)、「出雲神話と出雲世界」(4月)の四本でしたが、いずれも100~150枚の長編というので、とにかく締め切りを守るのに必死でした。1~3回の内容は、既発表論考を整理して展開させるというかたちで組み立てましたが、第4回の出雲論は完全な書き下ろしで、以降の出雲神話論の先駆けになったという点で、私にとっては大きな成果だったと思います。「序」への疑いを確信していったのも、この連載があったからだと思います。その連載に「ガイダンス」(まえがき)と最終回「古事記の古層性」を書き加えて単行本にしました。500枚超の古事記論で、専門的な内容を含むけっこう堅い本が、初刷10,000部、本体価格1,714円というのは破格です。『口語訳古事記』のおかげだったのはいうまでもありません。それでも半年後には重版がかかり、そのあと文春文庫にもなったのですから、とても幸せな専門書だと思います。おかげで一般の方にはずいぶん読んでいただきましたが、專門の研究者はどうなのでしょう。あまり読んでくれていないのではないかと思います。です・ます調で書いていますし、文芸誌への連載でしたし、国文学や歴史学の專門出版社から出たものではありませんでしたから。
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『口語訳古事記 完全版』の三浦氏による古事記講義。<BR>と言っても実際の講義録ではなく『文学界』とういおカタい本に連載されていたものなので氏の他の著作と比べるとブラックユーモアは5割減。<BR>第一章は日本神話に限定されない神話学概論としても読めます。<BR>なお、「日本神話」に興味のある方は『日本書紀』や『出雲国風土記』などもお忘れなく。