藤沢周平 父の周辺

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163683904

感想・レビュー・書評

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  •  読後、ほのぼのとした温かな思いが胸いっぱいに広がりました。1963年、小菅留治(藤沢周平)の長女として生まれた小菅展子の父、そして母を想う(思う)エッセイです。展子さんを産んだ後、すぐ亡くなった母親。著者の語るお母さんは、父が41歳の時再婚した和子さん(37歳)です。著者は幼稚園児だったそうです。趣味は藤沢周平(夫)というほど、奥様がすごいです。藤沢周平の人生は奥様あっての人生とよくわかりました。両親の愛情をたっぷり注がれた著者の作品、読後感が最高です! 遠藤展子「藤沢周平 父の周辺」2006.9発行。

  • 昭和の家庭を、モノクロ写真で見ているようなエッセイ。
    父親は小説家藤沢周平なのだけれど、どこにでもありそうな、でもやはりどこか特異な家族が浮かび上がってくる。
    作者は生母を亡くしているので、父が再婚した母と暮らすのだが、この母が見事に藤沢家を作り上げる。夫に付き従い、うまく操縦もし、作家を支え続ける。「ママハハってなに?」と聞く娘に、「ママと母両方のことよ」と答える機知。ユーモアで家庭を明るくした。でも、娘はまじめすぎると評する。
    しかし、その母を賛辞するでもなく、父を祭り上げるでもなく、淡々と、ある一家の日常が描かれる。「普通がいちばん」と言い続けてきた藤沢周平の、でもどこかちょっとだけ普通でないところもある、日常。
    よいご家庭にお育ちになったと思う。

  • エッセーの造本手本として。装幀・扉デザイン 大久保明子

  • 藤沢周平の長女によるエッセイ。

    家族愛にあふれるエッセイです。
    藤沢周平の時代小説が大好きなので作者の普段の顔を知ることができてうれしい。

    ひとつひとつのお話が短いので気楽に読めます。

  • こういう風に、祖母・父や義母(とは書きたくないけど)を想うことが出来る娘さんに育って、素晴らしいと想いました(娘さんと言っても、年上の方ですが)。書き方も、とても読みやすくてスルスル入っていきます。短編でまとめてあるのも、良いのかも。

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著者プロフィール

エッセイスト、鶴岡市立藤沢周平記念館監修者。1963年、藤沢周平(本名・小菅留治)の長女として、東京に生まれる。西武百貨店書籍部に勤務ののち、遠藤崇寿と結婚。現在は藤沢周平に関する仕事に携わる。著書に『父・藤沢周平との暮し』(新潮文庫)『藤沢周平 父の周辺』(文春文庫)『藤沢周平 遺された手帳』(文藝春秋)などがある。

「2022年 『藤沢周平「人はどう生きるか」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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