- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163683904
感想・レビュー・書評
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昭和の家庭を、モノクロ写真で見ているようなエッセイ。
父親は小説家藤沢周平なのだけれど、どこにでもありそうな、でもやはりどこか特異な家族が浮かび上がってくる。
作者は生母を亡くしているので、父が再婚した母と暮らすのだが、この母が見事に藤沢家を作り上げる。夫に付き従い、うまく操縦もし、作家を支え続ける。「ママハハってなに?」と聞く娘に、「ママと母両方のことよ」と答える機知。ユーモアで家庭を明るくした。でも、娘はまじめすぎると評する。
しかし、その母を賛辞するでもなく、父を祭り上げるでもなく、淡々と、ある一家の日常が描かれる。「普通がいちばん」と言い続けてきた藤沢周平の、でもどこかちょっとだけ普通でないところもある、日常。
よいご家庭にお育ちになったと思う。 -
エッセーの造本手本として。装幀・扉デザイン 大久保明子
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藤沢周平の長女によるエッセイ。
家族愛にあふれるエッセイです。
藤沢周平の時代小説が大好きなので作者の普段の顔を知ることができてうれしい。
ひとつひとつのお話が短いので気楽に読めます。 -
こういう風に、祖母・父や義母(とは書きたくないけど)を想うことが出来る娘さんに育って、素晴らしいと想いました(娘さんと言っても、年上の方ですが)。書き方も、とても読みやすくてスルスル入っていきます。短編でまとめてあるのも、良いのかも。