さらば新宿赤マント

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 45
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163766904

作品紹介・あらすじ

ギネスブック級長寿エッセイ、ついに大団円!「週刊文春」で23年にもわたって続いた長寿連載「赤マント」シリーズの完結編! 69歳を迎えても相変わらず雑魚釣り隊のキャンプで東奔西走、ビールぐびぐび。でも、タマネギバリバリ健康法で血はサラサラ、痛風だって飛んで行け。そんなシーナも時にはマジメに「死」について考える――。軽妙な筆致はラストまで変わりませんが、時にウーンと考えさせられる視点が満載の名エッセイばかりです。完結を記念して普段の1・5倍の「特大てんこ盛り」でお送りします。挿絵はもちろん、沢野ひとし画伯です。

感想・レビュー・書評

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  • ☆ 4つ

    とうとう最終回を迎えてしまった赤マント。その時リアルタイムで、わたしは何を思ったか最終話が載った週間文春を買って保管している。しかし買う時にしたちょっと悪い予感は当たっていて、例のちぃーっとも面白くない会話形式の構成にてお別れの話に強引に持っていってしまっている。その回で少しだけ違った点は、いつものおじさんおばさんその他に加えて、シーナ兄ぃ自身が「赤マント」として登場しているということ。そして「これでおしまい」とサラリと書いている。その最終話を最後に載せた本がこの単行本『さらば新宿赤マント』である。(あ、しつこいなすまぬ)

    そんで今回は、ありゃいつもに比べて本がかなり厚いな。こりゃどういうわけだ。おお、そうかここから連想できることは、今回の終焉は決して計画的な事などでは無かった、と云うことだな。突然の終焉だったので都合よく二冊分にはできなくて、しょーがないから、えい!と厚い一冊にしてしまったのだ。おかげで値段が高いぞ!重いし。でもいい事も有って、それは本棚へ並べた時にまんづ端っこにくるべき運命のこの本が分厚いので倒れにくい、ということさぁ。わろたわ。

    そういえばこの赤マントの単行本はなにも週刊文春に載ったものが全話収録されていると思ったら大間違いで、ここ数年のシーナ兄ぃ曰くの「粗製乱造」なのものは恣意的にのっけてもらえない。この本は2011年5月26日号から2013年4月4日号までの収録らしいが、ざっと数えてこの間は85週くらいある。なのに70話しか載ってないのである。どのお話が割愛されてしまったのかは今すぐには解りようがないが、80冊(合併号というのがあるのでテキトーに減冊)ほどの週間文春を全部目前に並べれば分かることである。

    全く確かでないわたしの記憶でしゃべると、冒頭述べた面白くない対談形式のお話がもっと沢山と有った様な気がする。それらは割愛されたのであろう。そしてそれはたぶん正しい選択だ。

    思えば「新宿赤マント」という由緒正しい?題名が突如「風まかせ赤マント」に変わってしまった時にはそれが何故なんだかサッパリ解らなかった。当時はその後2週間くらいわ「なぜだなぜだ」と騒いでいたが、それもすぐに忘れ去っていたのだが、本巻最終号にてまたもやその疑問にぶち当たってしまった。で、いつも通りにあとがきを先に読むとその謎は氷解した。が、しかしまともな理由などわ無かったのだ。なぜかその時に週間文春に連載中エッセイのタイトルが全部刷新された、ということしか書かれていない。
    さすれば、ここでもやはりサンデー毎日の勝利なのだな。文春さんの先は見えたよ。今のうちに“昔は文藝春秋という出版社もあったのね”ということを強く匂わせる記念物でも買っておこうあかなあ。まあとにかく、いつもどこか奢(おご)っているよね文藝春秋ってね。

  • 赤マント最終巻を再読。歌手に憧れる話もカーナビ3人娘の話も面白かった。 SFベスト1は「オルタード・カーボン」か…途中で挫折したから最後まで読んでみよう。

  • 始まりがあれば終わりがあることはわかっているのだが、このシリーズに関してはピンと来なかった。
    だって定期的に必ず発刊されるのはわかっていたし、それがすでに20年以上続いていて当たり前のことになっていたから。
    週刊文春を買うたび、この連載だけは読み飛ばし、本になってからまとめて読むのが小さなヨロコビであったわけだし。
    そんなだだらな習慣を止めたくなくて、気づけば読むのを逃げて2年寝かせていた。
    思えば10代のときからこのシリーズでずいぶん海外の話や旅のこと、うまい食い物や酒の話を教わったものである。
    海外には行けてないし、キャンプもしていないけれど十分に気分を味わうことができたのもこの本のおかげだ。

    雑魚釣り隊シリーズが終わったらどうしよう、と今からざわざわする。

  • 赤マントシリーズがソフトカバーで終わりを遂げた。23年間の連載であったらしい。週刊文春で読んだ記憶なく、24冊の単行本で読み尽くした。尽くしたと言っても、全話が本に載るのではないようだ。マンネリ感は否めぬものの、週刊でこれだけ長寿なら当然なわけで、それでも読ませるんだから大したもんだ。シーナさんも寄せる年波には勝てず、酒飲んで椅子に座って寝込んでしまい倒れこんだり、睡眠時間が短くなって遅く寝ても丑三つ時に目覚めたり。まったく一緒だ。大いに認める感性があって、容認し難い者への頭ごなしの嫌悪が鼻に付いたりもして、いずれにせよお疲れ様。サーノさんのイラスト、楽しかった。

  • 【ギネスブック級長寿エッセイ、ついに大団円!】「週刊文春」で足かけ23年、1126回に及んだ「新宿赤マント」がついに完結。最終巻にふさわしい「特大大盛り」でさあ、どうだ!

  • なんとシーナさん文芸春秋の連載が終了したんですね。その最後が収録されています。ええと、なんて言うんでしたっけ? 終活? そんな感じで連載の終了と人生の終了をゆるゆると思いめぐらせているような内容で、私もとても感慨深かったです。

  • 高校の頃から憧れてたオッサンも、不眠症に悩むジーさんになってたとは。とはいえ酒呑みと焚き火は続いているので安心しました。23年の連載に区切り、残念です。

  • シーナさんの著作物は200冊を越えているそうです。
    もの書きも大変ですねぇ。
    「赤マント」シリーズ最終章。
    そう考えると、そこはかとなく、寂しさも感じます。

  • 歳とりました、シーナ君。
    しかし、困った。

  • 赤マントもこれで終わりだそうだ。いよいよ週刊文春も読むものがなくなってしまった。さして熱心に読んできたわけではないけれど、まとまればやはり面白く、椎名さんの文章が好きだなあとあらためて思う。

    椎名さんは長いことすごい執筆量で、締め切りのプレッシャーが精神的なしんどさにつながってるんじゃないかなあと、まあ、まったく大きなお世話ではあるけれど、ファンとしては心配したりしてた。ところが、ご本人は「書くのが好き」で「締め切りを辛いと思ったことがなかった」と書かれていて、ああそうだったのかとちょっと安心。

    ただ、最近はさすがにきつくなってきたそうで(だって月に締め切り二十七本だもの)、これからはセーブしていかれるのだろう。楽しい文章を長く読ませてほしいなあと思います。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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