天上紅蓮

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163805009

感想・レビュー・書評

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  • 今NHKでやってる大河ドラマ「平清盛」にも出てくる、待賢門院璋子と白河法皇の危ない関係。渡辺淳一は璋子を自分好みの女に育てあげた白河法皇が羨ましかったんだろうな。史実にズンイチ流の妄想が絡んで、かなりキモチワルイ。

  • 渡辺淳一さんも老いた、ということなのか
    小説としては少し残念な中身。

    小説というより資料集に近くて
    「はっきりいって」など同じ文言の繰り返し(多用)が目だつ。


    この頃は文化の爛熟期なのか
    衝撃的な事件が多過ぎて、
    『今鏡』や『中右記』などを読んでも面白いので
    この小説も楽しみに思って購入したのだけど。

    渡辺淳一の想像による脚色をたのしみにしていたのに、
    あまりそういう小説らしいつけ加えはなく、
    それだったら『今鏡』で充分だな、と思った。



    史実は小説より面白い。


    養母の夫によって奔放な美少女(15歳)に育てられ、孫の后でありながらその祖父の子を産んだスキャンダラス女王・璋子、

    生まれた身分は高くないが美貌と天然系の性格で国母にまで登りつめた日本のEvita・得子、

    そのはざまで政略の犠牲となり高齢で結婚させられた高陽院泰子、

    摂関家復興の悲願に暗躍する忠実・忠通、

    才能に恵まれながらも青年期を不遇に過し、若き日に最愛の后を喪った白河院、

    長子を叔父子と呼ぶはめになり、祖父の死後、はっちゃけだす鳥羽院、

    自らの複雑な出生の事情を胸に抱いて政治的に力をもとうとする崇徳上皇、

    12以上年上の美貌の女院に憧れ、現実社会での出世を諦め出家する天才歌人・西行、、


    この時代はドラマありすぎで面白い。


    渡辺さんは
    若い璋子が60代の法皇を心身からほんとうに愛していたよ
    というオチを強調したいみたい。

    それは渡辺さんの願い・理想でもあるのだろう。

  • 約900年前の愛
    深く

  • 12/02/11 院政期、璋子と白河上皇との話。何と言っていいやら。
         武家の世が来るのもむべなるかな。

  • うーん。
    小説?歴史解説本?
    どっちつかずで読みづらかった。
    法皇様との官能部分だけ小説っぽく書かれてもなぁ…。

    特に後半になる程どっちつかず。

    前半は面白く読めました。

  • 天上の男女
    天上紅蓮天上の白河法皇とその孫鳥羽天皇の璋子(紅蓮)を巡る人間模様の物語です。あらすじはわかりにくくはないですが、如何せん人物の階級や出自の記述が多くて、慣れるのに時間がかかりました。
    特に物語の最後の方は進展がなく説明に終始し退屈でした。どちらかというと飛ばし読み…渡辺さんごめんなさい。

  • まさに恋愛小説!年配の人が子供に手を出すなんて!昔はこれでも良かったんだね…

  • この当時(今からおよそ千年前)、排卵期と受胎の可能性について、ここまで上皇やその周りの女房が知識を持っていたなんて信じられない。
    著者は医学博士だから信じなきゃいけないのかもしれないけど、現代の男性だってよく理解している人は僅少だし、10代で月経周期が非常に安定していて、痛みによって排卵を意識できる女性が100人中何人いるというのか。
    設定がムリムリ。

    それに、色ごとを仕込んだということ以外に、50歳の年齢差を越えて愛される上皇の魅力というのがとんと伝わって来ないし、50歳の年齢差を越えて上皇を愛した璋子という女性の強さ賢さも伝わって来ません。
    男の魅力は権力と性技巧で、女の魅力は色香だけという物語。共感できません。

  • 前半は、渡辺さんらしぃ小説…。
    題材も、よかったんでせぅね…。

    でも…、後半は、小説の体をなしてなぃ…。
    後半に行くほど、たくさんの情報を羅列しただけになっており、
    最後の方は、かなり読み飛ばしちゃいまつた…。
    最後は、自分の感想で〆って…。

    題材(キャラ)の魅力も、急速にしぼんじゃったし…。
    法皇が亡くなったところで、終わっておけばよかったのに…。

  • 調べ物としての歴史もので、かなり詳しく宮中の行事などに触れられているが、小説としてはもうひとつ踏み込めなかった。結局のところ、待賢門院璋子に、生き生きとした魅力がなかったことが残念。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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