かわいそうだね？

著者 : 綿矢りさ

• 文藝春秋 (2011年10月28日発売)

感想・レビュー・書評

[aoko:さんの感想 · 2014年5月29日]

とても読みやすく、読後感もすっきりしてて良かったです。
難しい内容は無いので気軽に読めます。


主人公と周りの登場人物も何だかんだで個性があって
憎めません。
私としては、表題作よりも2つ目の「亜美ちゃんは美人」
のほうが好きかな。
友人が自分より美人　というありふれたといえばありふれた
設定の話ですが面白かったです。

綿矢さんの作品をもっと読んでみようかな
と思います。!(＊∵＊)

[うめさんの感想 · 2014年4月10日]

表題作の「かわいそうだね？」これは確かにしゃーない。それは感情的な喧嘩ではなくて価値観の違いからの喧嘩だから。隆大とアキヨが見つめる方向は同じだけど、隆大と樹理恵の方向は百八十度違う。隆大の行為を英会話の講師は理解出来るけど、樹理恵の友達は理解出来ない。しょうがない。価値観は性格ではなく文化とか環境で形成される。本当にしょうがないのだ。同じ花見て片一方は「綺麗だ。」と言って、片一方は「汚い。」と言う。これは凄く凄く大きな違い。樹理恵の必死な訴えも隆大の目には理解不能な行為に映っただろう。そして「亜美ちゃんは美人」。逆にこれは価値観が違うからこそ実る恋もある、今までとは新しい風景をみれるという考えを導いてくれています。マイナスとプラスの物語。二つ合わせて初めて一つの作品だと思います。助けるという行為は軽蔑から始まるっていう感じの言葉を聞いたことがあります。緒方貞子さんだったような‥かわいそうだね？という言葉は綿矢りさ自身が樹理恵、亜美に送った憐れみからその先の激励の言葉に感じます。

[chapさんの感想 · 2014年3月11日]

図書館においてあったので何気無く読んだのにすごく面白かった！声だして笑った。ドラマを見終わったような読後感。綿矢りさ作品は映像化向きだと思う。

[fujikawa20さんの感想 · 2014年2月5日]

インストール、蹴りたい背中以来に
筆者の作品を読んでみました。

女性（というより女子）を話しの中心に
据えているところは相変わらずですが、
話は非常に面白かったです。

収録されている「かわいそうだね？」「亜美ちゃんは美人」の
両方とも話は最後にきれいにまとまるのですが、
なんだかかわいそうなような、この先が心配なような感じなので、
タイトル通りな感覚が残りました。

まあそこが狙いなのかもしれませんが。

[visualaid365さんの感想 · 2014年1月25日]

「変な子。つれなくされないと、愛せないの？」

誰からも愛されるという孤独。
自分のことを愛してくれない人しか愛せない。
「亜美ちゃんは美人」が面白かった。

[doraさんの感想 · 2014年1月17日]

二編からなる話。

一話目は、話のほとんどが
イライラしながら読みました σ(^_^;)
あ〜も〜、じれったい、もどかしい！て。
けど、最後の最後 主人公（樹理恵）が
キレてからは、そうや！そうやろ！
いてもたれ〜！！と 胸がすく思いでした！

前半 長すぎるもどかしさに耐えて
がんばって読んだかいがありました。


二話目。
なんとなく 悲しい話でした。

私には、天然さゆえにイラっとくる相手と親友になんてなれないわ〜

話中に出てくる 小池くんのキャラも
かなり 面白かったし、
小池くんの発言は なかなかどうして
説得力がありました。

亜美ちゃんの幸せを祈ります！！

[magmiさんの感想 · 2014年1月2日]

女のこじれた心理を、善意も悪意も意地も気まぐれも、するどく描いていると思う。面白かった。

[なかみーさんの感想 · 2013年12月19日]

装丁がどストライク！かわいすぎる…！
表題作のかわいそうだね？よりも、亜美ちゃんは美人のほうがすき。

なんとなく、さかきちゃんの気持ちがわかる。大半の女子は理解できる感覚で、近い経験があるんじゃないかな。人には言えない、正常な感覚だと思う。だからこそ、物語のなかで歯に衣着せずに、亜美ちゃんのこと苦手だって言ってもらえると、自分の感覚は普通なんだなって安心できる。

綿矢りささんの作品を読んだのは何年ぶりかの2作目。娯楽よりも哲学っぽいような…考えさせられます。そのことにより、説明的で読みにくいけど、考えさせられる分、物語の外で楽しめた。

[aki7081さんの感想 · 2013年11月14日]

初読み。泣いた。
やっぱり本ゎ良い⁈凄い⁉︎
その時の自分と何処で交わる。
出逢えて良かった。 2013.11.14

[ayaponさんの感想 · 2013年11月12日]

綿矢りさの新作は絶妙な壊れっぷりが堪らなく良い。表題作と「亜美ちゃんは美人」の2本立てだけどどちらも面白かった。表題作のアキヨみたいな女はむかつくけど、いるんだよね〜。樹理恵が最後関西弁でぶちギレる場面の爽快さったら！彼氏の器用さもむかつくけどね。「亜美ちゃんは美人」は是非映像化して欲しい作品。誰からも愛される孤独を抱えた亜美ちゃんを心のどこかで軽蔑しているさかきちゃんの冷ややかさが良い。女の黒い部分が剥き出しになった作品。2012/023

著者プロフィール

小説家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」