作品紹介・あらすじ
人間の代わりに八咫烏が支配する世界で始まった、世継ぎの若宮の后選び。大貴族四家から後宮へ遣わされた4人の姫君はそれぞれの思惑を胸に后の座を競うが、肝心の若宮が一向に現れないままに次々と事件が……。
松本清張賞最年少受賞作。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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面白かった NHKのアニメがなかなか面白いので手に取ったけど予想以上に華やかで怖くて続きが気になった 四季折々の描写も美しさが伝わって良い 「…この男の幸せを願わない日は、一日だってなかったのだ。」 とラストの「お前はいつだって、一番強くて素敵だった、と。」にほろり
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一緒に働く若い司書さんに薦められて読みました。まんまと騙されてしまった。最後は「え!」「え?」の連続…続きも読みたくなりました。シリーズ化しているので楽しみです。
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NHKでアニメ化されると知り、手に取りました。著者にミスリードされ、最後はあっと言わせる展開に続きが楽しみになりました。これが映像化されたら、どうなるのだろう(正式な原作は次の「烏は主を選ばない」ですが)というのも。
無知は罪である事、自分の身内を殺した者やその娘にも情けをかけるなど、若宮や主要な4姫のキャラクターが際立つ中、謎解きがしっかりしていてあっという間に読了しました。
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新たなシリーズものに手を出してしまいました。若宮を巡る四人の姫の攻防が面白かった!
キャラが立つとは、まさにこのこと。四人の生い立ちや個性が全く違っていて、誰が若宮に選ばれるの?と、ドキドキしながら読んだ。
そしてラストは皆さんと同じく、しっかり騙されてしまった。
どんな風に続編は続いていくのかな?
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978-4-16-3816-10-4
C0093¥1350E
烏に単は似合わない (からすにひとえはにあわない)
2012/06/25.第1刷発行
著者:阿部智里(あべ ちさと)
装画:苗村さとみ
発行所:株式会社文藝春秋
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カバー袖より
八咫烏が支配する世界”山内”で始まった
日嗣の御子たる若宮の后選び。
春殿のあせび、夏殿の浜木綿赭赭
秋殿の真赭の薄、冬殿の白珠(しらたま)
大貴族四家から集められた四人の姫は 陰謀や恋心を胸に美貌と再起を競い合う。
だが、肝心の若宮不在のまま次々と事件が起こる。
后に選ばれるのは誰…?
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あせび
楽人を多く輩出する東家の二の姫。春殿を与えられ、うこぎら侍女と住まう。
浜木綿
商才にたけた南家の一の姫。夏殿を与えられ、芋麻ら侍女と住まう。
真赭の薄
文化芸術に優れた西家の一の姫。秋殿を与えられ、菊野らと侍女と住まう。
白珠
武力を誇る北家の三の姫。冬殿を与えられ、茶の花ら侍女と住まう。
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お話の展開については、ほかの方も書いておられますので割愛。
このお話の面白さは、トラップが上手に仕掛けられていること。
この本、表紙には4人の女性(入殿した各家の娘たち)が描かれ、それぞれのキャラクターをほのめかしている。
日嗣の御子の后「桜の君」が統括する桜花宮の見取り図
●山内衆:宗家の近衛隊。藤花宮と桜花宮を含めた御所の警備
●頸草院:山内衆の養成機関。
●藤宮連:普段は宗家女房として使え、有事の際は敬語・戦闘に当たる。
次に、宗家・四家 家系図
それから大前提に至るあらまし(メモへ)がありまして、序章となります。
序章には「私」という人物、「すみ」という人物、桜模様の着衣を身に着けた巻き毛の人物の3人が登場し、いずれも5.6歳の子どもとして描かれている。
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表紙の絵。家系図。桜花宮の見取り図。ここまでで読者は(少なくとも私は)
ふ~ん、この4人がおきさき候補で、女の駆け引きがあるのか?
見取り図が乗っているとは事件性 有だな。 と考えた。
次に 序章で3人の人物(幼い子どもとして)登場し、このうち一人だけが「娘」と書かれ性別がわかる。が、この文章の終わりには、風景、景色が書かれ、雅な雰囲気で、のどかな、やさしい余韻を残す。
これが、物語の導入部の雰囲気作りだけではないとこの時点で気が付く読者がどのくらいいるだろう?
一通り、四家娘たちのキャラクターを色濃く感じさせる出来事がつづき、中でも東家の姫(あせび)は好意的に(緊急の代打で登板し、芸の才を持ち、悪心なく)描かれる。
たぶん多くの読者は、この人が主人公で、后に選ばれてほしいと応援する気持ちになるような出来事が多々仕込まれている。
物語はこの姫から始まっており、印象も強い。
家系図にもあり、代々のしがらみ、宗家の力と四家の力。
この物語では、子は卵で生まれるそうだから、その辺りはよくわからないが、戦国のお家騒動と国盗り合戦の女性版のよう。
男性版との違いは 「女の性のような、産む性のしがらみ(執着)も含めた部分」なのかも。
終章では、序章がリフレインされ さらに若宮の内面をうかがわせて終わる。
この作品はまだまだ続きがあるので、この巻は作品全体としたら、舞台設定と、立ち位置のお披露目なのかもしれない。
この宗家の若宮(つまりは后を選ぶ)が強烈なキャラクターで、しがらみと運命に縛られて、諾々とそれを受け入れるだけのぼんくらではないらしいところも、次巻の展開を期待させる。山内サイトに対抗する適役も必要になってくるだろうし、その存在は強烈そう。
アニメや漫画はみやびやかなシーンだけでもファンがつくかも。類似品がなければ。
長編としての作品を楽しむには、この巻の、これまでに至る先代の絡みも忘れないようにしないと。
松本清張賞(良質な長編エンタメ作品に贈られる賞)
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姫様方のつばぜり合い。
火花も散れば恋も散る。
相手に良かれと思って
したことが状況をより
複雑にして、
その相手や周りの人達
を苦しめる様が在々と
描かれてます。
そう、その相手を思い
やる言動は、
実のところ自分の想い
に酔ってるだけでは?
・・・って私もドキッ(汗
まあこんなにチヤホヤ
されてたら自分に酔う
のも致方なしですかね。
頭の中で、女優さんを
勝手にキャスティング
・・・
お、大河風でなかなか
良きかも♪
ただこれ衣装代かかり
すぎだわ(笑
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最後のどんでん返しが気持ちいいぐらい凄すぎた!
誰が好きなんて無くなるぐらい4人とも魅力的。
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あー騙された!言葉にできないほどの美しさに夢中になっていた。よくよく見たら辻褄があってる。皆応援したくなっちゃう本。
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読みやすさに見事に騙された。良かった、好きだと思う要素は何言ってもネタバレになりそうで困る。
シリーズになっていたと思うのだけれど、どう続いていくんだろう。続きも読もうと思います。
著者プロフィール
1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。
「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
阿部智里の作品