モダン

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163902425

感想・レビュー・書評

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  • ニューヨークMoMaとそこで働く人たちの短編集。

  • 2015.5/29 タイトル通りモダンアートが短編ストーリーのそこここに散りばめられてます♪舞台はMOMA。キュレーターの職歴を持つマハさんの本領発揮!その舞台裏が覗けます。フィクションと言いつつ”モダン”な史実的話題も散らばって、『私の好きなマシン』でスティーブ・ジョブズの名がさらりと挿入されているところなんか、「知らないところで、役に立っていて、それでいて美しい」の一節の通りでニクい♡また、9.11や3.11、小説家たちにとっては書かずにはいられない話題なんでしょうね...

  • 地を這う少女の背中。バラバラに壊された女の横顔。マシーンの一部品。一見冷たく厳しい絵画(そして物語自体も絵画と人間/絵画と社会/絵画と政治といったような重たいテーマが多い)から、それでも彼女は人の温もりを丁寧にすくい出す。彼女はたぶん、絵画に隠れた『やさしさ』をすくい取る天才なのだと思う。

  • 著者は美術が好きなんだなぁと思いながら読んでたら、好きどころではなく、モマに勤めていたほど本格的な経歴でしたね。

    働く側の目線、そして、震災時の出来事など、違う視点で読むことができました。

  • MoMAを舞台にした、現代アートに関連する短編。皆、美術が好きなんだなぁ。
    2017/8/24

  • 【収録作品】中断された展覧会の記憶/ロックフェラー・ギャラリーの幽霊/私の好きなマシン/新しい出口/あえてよかった

  • 2003年、ニューヨークを旅した。たったの5日間。WTC跡地はまだ工事中で、大きな大きな穴が開いていた。それはそのまま、ニューヨークに住んでいる人、アメリカにぽっかり空いた心の穴のようで恐ろしかった。穴の側のビルの側面に、大きなアメリカ国旗と共に、『人間の大きさは、やった事の大きさではなくて、心の大きさ、豊かさだ!』と大きく書かれてあったのをなんとも言えない気持ちで見上げたのを思い出した。
    当時MoMAはクイーンズに移設中で、替わりにティファニーやメトロポリタンやグッゲンハイムや自然史博物館を一生懸命に味わった。
    東日本大地震の冒頭の話から、巻末の著者の自叙伝のような話まで一気に読み終えた。
    美術に触れるのは、心豊かになることそのものだ。また行きたい。今度こそMoMAを見たい。

  • 時系列がバラバラなのね、

  • MoMAに関わるひとたちの短編。
    立場も時代も違う。アートに対する感覚も異なるそれぞれのひとたちが思うこと。

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    読み終わって一番最初にやったことはネット検索で、物語に登場したアート作品を調べた。いくつかは学生時代に資料集か何かで見かけたことがあるものだった。すべてが偉大な作品だということはもちろんわかった。
    点滅するディスプレイ越しに絵画を見ながら、実物の迫力を味わってみたいと思った。行ってみたい。お金と時間を使えば実際に行くことができる世界。実在するのに実際に行くのはなかなか難しい場所。うーん、憧れは尽きない。

    とてもリアリティのある物語だった。
    MoMAの関係者にしかわからないディティールまで描かれていた。アートだけでなく、美術館という存在の大切さに気づく。

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    原田マハさんの本を初めて読んだ。これは面白いだけでなく、勉強になってしまうのではないだろうか。また賢くなってしまう。原田さんをオススメしてくれた友人に感謝。

    一番嬉しかったポイントはレイモンド・カーヴァーの小説のタイトルが出てきたところ。

  • アートを題材にした短編集。原田マハはやっぱり美術を取り扱った作品が面白いね!
    楽園のカンヴァスでお馴染みだったティムの名前が出て来るという読者サービス(?)にわくわく。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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