西洋菓子店プティ・フール

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1696
感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904016

作品紹介・あらすじ

女を昂奮させない菓子は菓子じゃないスイーツは誰かの心を不意につかんで新しい場所へと羽ばたかせるスイッチ。下町の洋菓子店を舞台に繰り広げられる鮮烈な六つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 私はお菓子が好き。特にケーキが。
    それだけで聞いたこともないお菓子の名前が出てくると、どんな形でどんな色で、どんな味か想像するだけで楽しい。
    だけど、ただ甘いだけの話じゃなくて、一人ひとりが悩みやいろんな思いを抱えて生きている。

    じいちゃんの発する言葉は、奥が深くて心に刺さった。
    嗜好品ってのは、はけ口の対象になりやすい。
    これにはちょっとドキッとした。
    じいちゃんのシュークリームとショートケーキ
    楽しく味わいたい。
    美味しい紅茶とともに。

  • 流行りの美しいスイーツが必ずしも老舗の昭和スイーツより優れているわけではない。
    頭の先から爪先までおしゃれで砂糖菓子みたいな女の子が好きな人から選ばれるとは限らないし、大学在学中に司法試験に合格した人が劣等感を持たないわけではない。

    一見自分より優れていて幸せそうな人も心の中は満たされていないものなのかも。

    テーマのお菓子に寄せてもう少し幸せ成分が多い方が良かったかなぁ

  • シュークリーム、買ってきました。笑

    話の内容は今ひとつ自分には刺さらなかったけど、お菓子を色々作ってみたい気持ちになった。
    商品開発、大変だな、と。
    そして売れなければ、材料の在庫を抱えたままショーケースに並ばなくなってしまう。
    でも、ブラジリアンプリンはちょっと食べてみたいかな。

  • それぞれの視点で物語になっている。みんな悩みを抱えながらも自分の仕事や恋人に向き合って前に進もうと頑張っている。そして、古い洋菓子屋さんが一人一人の背中を押してくれていた。こんな西洋菓子店があったらいいな。

  • お菓子が食べたくなった
    ミナが可愛い

  • 今、1番気に入っている千早茜さんの本を次々に読んでいるのだが、この話は好きではなかった。登場人物の魅力が私には分からなかったのと、そもそも甘ったるいお菓子が苦手なのだが、次々と出てくるデザートの表現に胸焼けがしたのが原因か?

  • 甘いものをたくさん食べて胸いっぱいの気分になった。きっとこれが大学生くらいなら、甘いもの食べたいな!になったんだと思う。
    作中に出てくるケーキや焼き菓子の描写が全部美味しそうでよかった。単純に私が甘いもの弱くなったせいなんだけど、一日一話で読んだ方がおいしく味わえるかもしれなかったなとは思う。

  • 穏やかな時間
    現実は厳しい
    でも決断や思いの共有、努力が必要
    支えられるだけではなく支える強さも必要

  • 表紙の可愛さにワクワクしていると、中表紙の美しさにうっとりとしてしまう。
    本編のレイアウトも余白のとりかたが効果的で、「ああ、いい本だなぁ」と満足しながら最後まで読んだ。

    人間ドラマをお菓子にしたら、こんな感じなんだろう。
    お菓子に関する描写が美しかったり、美味しそうだったり、気持ち悪かったりするのが印象的だった。

    一軒の西洋菓子店をとりまく複数人がそれぞれのドラマを展開させる様子は、深刻だったり大きく感じるのに、非常に狭い範囲でのできごとで、そのギャップがとても面白かった。
    せっかくのお菓子を単純に研究したり喜んでいる様子はとても気持ちが良いのに、甘えや逃避のために食べたり欲しているときの描写にあんなに嫌悪感を覚えるのはなぜなんだろう。

    終わりはなんだか古臭くてありがちで、安っぽくて甘ったるい、まるで“じいちゃんの代の西洋菓子店プティ・フール”といった具合だった。
    主人公は結局、“じいちゃん”の影を追い、踏襲するだけだという暗示なのだろうか。
    “ばあちゃん”が余計なことをしたように感じられてならない。

  • 美味しそうなお菓子がたくさん出てくる本。お菓子のことを表現する感覚とか、繊細なお話ばかりだった。人を好きになるのってわからないよなぁ。私は夫のことをこんなに好きになると思ってなかったし、今も更新しているのは本当に良い結婚ができたんだと思う。今のところは。そしてこれからもきちんと話し合ったり喧嘩したりしていきたいなと思った。年に一回爆発させる喧嘩も興味がある。それもまた良さそう。明日は子どもの一歳の誕生日。さっきちょうど、まずは私たち2人とも子育て一年頑張ったしケーキを食べたいとおねだりしたところだった。生活を彩るあってもなくてもよい嗜好品。そこに生まれる会話や気持ちは無限にあるんだと思う。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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