洗えば使える泥名言

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 310
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905112

作品紹介・あらすじ

実父はアルコール依存症。継父はギャンブル依存症で自殺。元夫もアルコール依存症。自身も地元高知の高校を退学となり、大検を経て武蔵野美術大学に進学するも、生活費稼ぎのために、在学中からミニスカパブでホステス、成人誌で漫画を描く日を過ごした。そしていまは、〝整形手術の帝王〟高須克弥氏と熱愛中……。 そんな波瀾万丈の半生のなかで、サイバラの人格を形作る土台となった身近な人の「金言」集です。その一部を紹介すると――。「前科とお金、どっちが大事?」……バイトしていた白夜書房の編集長の言葉。猥褻図画を載せて何度も警察に捕まった氏は、「前科なんていくら増えてもいいじゃない。お金が儲かるんですよ」と繰り返した。「半分も払ったのに」……雀士・小島武夫の言葉。麻雀の負け分をめったに払わない氏は、「半分も払えば返したも同じ」という考え方だった。でも、誰からも愛されたという。「病気は作んなきゃ」……高須氏の言葉。氏が「包茎は悪いこと」という認識を世に広めることに成功し、「包茎手術の第一人者」となった経験から。 歴史上の偉人とかビジネスの成功者の名言みたいに輝かしいものではありません。どっちかというとゲスだったり、身もフタもなかったり、ワケわかんなかったりするような言葉ばっかりです。でも、サイバラの人生の糧となった〝言葉の劇薬〟です。

感想・レビュー・書評

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  • 赤裸々。もう怖いものなし。

  • 西原先生が好きなので読みました。
    生きるって大変、だけど生きるって面白い。人間って面白い。
    心に留めてたまに思い出そう。
    そんな言葉はメモしておいて、しんどい時に見ようと思いました。

  • 「生きること」は儘ならないもの。些事に切なくなくなり、虚しくなり。「どうして私ばかりが」と自分が疎外されているような寂しさに潰されそうになる時もある…。怒りが噴火することも。ダメだ、自分。そんな時は、西原さんが救ってくれる。『いつも心に野村沙知代』これだ!「私の中にサッチーが居たら、こんな時何て言うだろう?」いい人じゃないといけないという認知の歪みに雁字搦めで苦しい時、あのド派手メークのサッチーを思い出してしのぎたい。

  • 洗わなくても使えそうだけどね。(^^;
    仕事、家族、生死に関わる言葉は、本当に名言として使っていいんじゃないかな。
    T シャツとかつくりたい感じです。(^^;
    お金と男女に関しては、ちょっと環境が違いすぎて名言として使えるシーンが思いつきませんが。(^^;
    珍しく、ほぼイラスト無しの本だけれど、いつもの西原らしく愉しめました。

  • 確かに洗えば使える泥名言だったと思いますが、敢えて、洗わずに使いたい名言の方が多かったように思います。
    作者の安定感を感じたのは初めてかもしれません。
    今までにたくさん読んできました。そして、いつも面白かった。そして、何か、いつも危うさのようなものを感じていたのですが、この本では、そのドキドキ感はなくなったように思います。不思議にまったりと安心して読める毒、のような感じでしょうか。
    疲れたときに、パラリと開いて読みたい本です。

  • 棚番:F07-05

  • <目次>
    はじめに
    第1章 仕事の名言
    第2章 お金の名言
    第3章 男と女の名言
    第4章 家族の名言
    第5章 生と死の名言

    2017.11.23 Twitterより。さすが西原先生!
    2017.12.24 読了

  •  4年前の『生きる悪知恵』などと同系列の本である。つまり、サイバラの波瀾万丈の半生をふまえ、読者にある種の人生訓を説くトークエッセイなのだ。
     構成(=話を聞いて文章にまとめる)は、サイバラと縁深い新保信長が担当している。

     タイトルどおり、名言集の体裁を取っている。サイバラが過去に誰かから言われた言葉などを一つひとつ俎上に載せ、その言葉をなぜ自分が心に刻んでいるかを語る、というスタイルなのだ。

     「人生訓の名言集」といっても、サイバラのことだから、名経営者とかが書く類書のようになるはずもない。下ネタ満載、四文字言葉もバリバリに駆使しながら、ゲスい人生訓、ゲスい名言を語っている。
     私のツボにハマった名言を挙げると……。

    〝歴代の女が泣いてわめいて角取ってくれた中古の男がちょうどええ。〟

     歴代パートナーとくり返し衝突し、バツがついたりしている人のほうが、その反省をふまえて丸くなってるから、つきあいやすい。ゆえに、頑張って「角取ってくれた」前カノたちに感謝すべき、というのだ。なるほどなるほど。

     あと、これは「名言」ではないが、次の一節に爆笑した。

    〝テレビの仕事とかでよくあったのが、さくらももこが断った仕事が私に来るのね。で、私が断るとくらたま(倉田真由美)に行くという。だから、マンガ読んでる人たちにとっては全然違うジャンルでも、テレビの人とかは誰でもいいんだな、というのは思いましたね。
     「誰でもいいんだったら、どうして私がさくらももこになれねぇんだ」って思うんですけど、「見てる人は見てるんですよ」って言われて「そうですね」みたいな。やっぱり邪悪なものがにじみ出てるんですかねぇ……。〟

     わりと面白い本だったけど、名著だった『生きる悪知恵』に比べると、内容が薄い。1時間かからずに読めてしまうくらいだ。右ページには「名言」がデッカイ字で書かれているだけの場合が多いし。
     これは、文庫オリジナルにして500円くらいで出すべき本だったと思う。

  • 下品な言葉は沢山出てきますが、品性はあると思うのです。
    この本は、心が痛んでいる時、人生失敗したと思っている人には、沁みたり刺さったりする言葉沢山あるんじゃないかなあ。
    表紙と西原理恵子という色物感に騙されないで是非読んで頂きたい。本から離れてしまった人にも訴求する力が有りますです。
    オールドファンには温い事言ってんじゃねえよなんて言われそうですが、過去の西原コミックエッセイ沢山読んでいる人にも感慨深いものがあるので、色々思い出しながら読んで頂きたい。今はメインストリームを歩む西原ですが昔は本当に体張ってたよね。頑張ったわほんと。苦労して今幸せなんだからいいじゃんね。暖かく見守ろうっと。

  • 瀬戸内海地方の女の人には色々助けられてる。

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著者プロフィール

高知生まれ。漫画家。’88年『ちくろ幼稚園』で本格デビュー。’97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞を受賞。’05年『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2021年 『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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