コンビニ人間

著者 :
  • 文藝春秋
3.62
  • (973)
  • (2198)
  • (1872)
  • (424)
  • (123)
本棚登録 : 17424
感想 : 2385
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906188

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 怖い。主人公がとにかく怖い。
    ホラーもサスペンスもないのに、主人公が怖すぎる。

    自分のアイデンティティをコンビニで働く従業員としてしか見いだせない主人公。

    もし、犯罪に関与していないサイコパスがいるなら主人公のような人なのだと思う。

  • 私には理解が難しかった。
    周りの「普通」に答えようと生きていくより、自分らしく生きていくことが大切って事かな
    とりあえずコンビニは私も好きです。

  • 題名通り、コンビニ人間の話だというのが読了後一番の感想。ワーカーホリックを描きたい訳ではないのだろうけど、妄執ともとれるそれは、病なのか本能なのか。

  • 無機質な文体、口語調のあたりがゾワゾワくる。ちょっと理解し難い部分もあるのだけれど、だから面白い。かつて著者がインタビューで「これ、私のことなんですよねー」と淡々と語っていたあの時の表情がチラついた。

  • ‪子供の頃から周囲の常識になじめない主人公が、コンビニで働いているときだけは、「世界の正常な部品」になったと安心することができるー‬

    ‪登場人物が全く理解できないタイプであっても私達はそこに何かしらの共感や解釈を与えようとする。‬
    ‪その点で言うと仕事や職場の人間関係は、多かれ少なかれ生活や人格形成に影響を与え、社会や職場での少数派は他の価値観や評価による生きづらさを感じる事は多々ある。多数派と思われている人々の「常識的な」範囲を超えると矯正もしくは排除する雰囲気もあるのは確か。‬
    ‪個体の自由に対する不寛容さと多様性への挑戦を描くにはよいテーマ。‬
    ‪しかし個人の自由を描くにはその生活描写はグロテスクでありすぎるし、狂気じみていて、主人公にとって祈りであるはずの光の箱であるコンビニーー社会の縮図としてのーーが、一枚めくると危険な場所のように描かれているのは本意でないように感じられた。‬
    ‪周囲の声に合わせて自分を失いかけ、仕事によって再生していく生き生きしさをもっと描いてもよかったのではないか、と思う。‬

    ‪「コンビニというよりは、むしろ普通の人間の、コンビニというものを脱いだ普通の生身の人間のグロテスクさみたいな部分に、目が行くようになりました。‬
    ‪小説を書くに当たっては嫌な部分も描きたくて、嫌な人間、人間の嫌な側面も書きました。」‬
    ‪登場人物たちの噂好きなところだとか、グロテスクなところ「そういう生々しさを書くのが、小説を書いている中で喜びでもあります。」‬
    ‪と著者が言うように、グロテスクな生々しさを描くことに引っ張られて安易で、示唆のないドキュメンタリーのような印象を感じた。‬

  • コンビニ店員の古倉恵子がまわりから結婚しないのとか、就職しないのとか言われ続け、それらから解き放つために無職白羽と同棲を始める。そして、あるときコンビニをやめ、就活を始める。しかし、やはり自分はコンビニ人間であることが一番だと思い、もとにもどる。

  • お勧めにあったので読んでみた。人生の生きづらさはわかるけど、共感出来る部分があまり無くて読んだ後に何も残らなかった。

  • 私はどちらかといえば白羽さん寄りの人間でした。
    私は数年前に2ヶ月だけコンビニのアルバイトをやっていました。コロナ禍により定職を辞めざるを得なかったので、次の仕事が見つかるまでの繋ぎとして。正直、コンビニバイトを見下していました。仕事に誇りを持って、細かいところまで目配せをする店員たちを見ては「もう少し適当でもいいじゃん」と呟いてました。
    あのときに分からなかった、コンビニバイトに熱意を捧げている人の気持ちが理解できたような気がします。
    同時に、コンビニバイトをやっていた頃のアウェイ感を思い出しましたね。改めて、私にはコンビニバイトは向かないと痛感しました。今コンビニで一生懸命働いている方々は本当にすごいと思います。

  • 誰もが想像することができる「コンビニ」という空間を擬音と比喩を使って分かりやすく描いてるのが印象的でした。
    ストーリー的にも面白かったけど……ぶつ切り感が否めないが若干残念なところだったかな(俺の読解力が低いだけ?

  • 主人公に共感出来なさすぎて、あんまり刺さらなかった。いっそコンビニ経営したらと思うけど、そこまでの能力はないんだろうな。

著者プロフィール

村田沙耶香(むらた・さやか)
1979年千葉県生れ。玉川大学文学部卒業。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。09年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、13年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、16年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。その他の作品に『殺人出産』、『消滅世界』、『地球星人』、『丸の内魔法少女ミラクリーナ』などがある。

「2021年 『変半身(かわりみ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村田沙耶香の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×