あなたの隣にいる孤独

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906713

作品紹介・あらすじ

14歳の玲菜(れな)には戸籍がない。母親は〈あの人〉から逃げるために出生届を出さなかった。母と二人、町から町へひっそりと移り住み、ここ川越にも二年。一人で勉強している玲菜のために教科書を探してくれるリサイクルショップの主人、秋吉とその孫の牧生とも顔見知りになったある日、突然「あの人に見つかった」という電話を最後に、母は消息を絶つ。学校とも、社会ともつながりのない少女を一人残して…。生まれたときから、ずっと逃げ続けている少女。彼女の心が砕けてしまわないように、ぼく達は何をすればいいんだろう。つながりの薄い現代社会で、必死に手をさしのべようとする人々。青春ミステリーの妙手が放つ、心温まるストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 14歳の玲菜は、母親との二人暮らし。「あの人」から逃げるために引越しを繰り返し、戸籍もないと母親から教えられていた。ある日、母親から「あの人」に見つかったので家には帰ってこないように言われた玲菜は、近所のリサイクルショップに世話になることに。母親を探すにつれ、玲菜の過去が明らかに・・・
    最後は中途半端というか、余韻を残すというか、個人的には消化不良。秋吉おじいさんはいい味を出していていた。

  • なんだこれは、
    おとぎ話か?

    出だしは無戸籍児という
    今どきのテーマだなと期待したのだけど……
    中盤は「8日目の蝉」みたいなのかと思いきや
    そうでもなく
    展開の軽さについていけなかった。

    とても結構なお歳のオジサマが
    描かれた作品とは思えない。

  • ななめ読みした。
    途中で全く内容が頭に入ってこず、とりあえず最後までページをめくったけど、ほとんど斜め読み。
    薄い本なのに、読むとすぐ寝てしまうのでかなり時間をかけてしまった。

    戸籍のない女子高生の話。
    女子高生・・・というか、戸籍がないために彼女は高校には通ってない。
    そして、JKカフェでアルバイトしている。
    彼女は母親と二人暮らし。
    母親は「あの人」から逃げていて、何度も引っ越しをしている。
    「あの人」とはどうやら父親らしく、DVを受けて逃げているのでは・・・と彼女は思っている。
    キャバクラで働く母親はいつも疲れていて、その母親からある日、「あの人」に見つかったからアパートに帰るなという連絡が入る。
    そして、彼女はひょんな事で知り合った小説家志望の男性の元に身を寄せる事となる。
    彼は祖父と二人暮らしで、彼らと暮らす中で彼女は自分の出自を知る事となる。
    そんな中、離れ離れに暮らしていた母親から連絡が入ってー。

    ・・・というのが私が斜め読みして読み取れたこの本の内容。
    戸籍がない少女だから、どんだけ悲惨な生活を送りすさんでいるんだろう・・・と思いきやそんな様子がみてとれず・・・。
    あくまで彼女は凛とした美少女として描かれていて、知り合った男性がたまたまいい人で、その人に救われて・・・と、絵にかいたようなご都合主義のストーリー。
    母親と二人で身を寄せて人生を生きてきたというのに、あまりに母親に対する感情も希薄だし、彼女や周囲の大人たちの言動もどこか理想的で表面的な、美化されすぎの印象だった。
    タイトルにしても、これが孤独・・・?と思ってしまう。
    あまり深く考えずに、ふわっと軽く読むにはいいかもしれないけど、私はあまりの現実感のなさに全く中に入れなかった。

  •  玲菜の生きる道は気になるけれど、それ以上にリサイクルショップの二人が微笑ましい。そこを楽しめるかどうか。

  • 戸籍のない女の子
    でも キチンと生活して
    ごく普通に暮らしている
    ある日 その暮らしが一変 過去と向き合う事になる
    ストーリー
    展開に引き込まれて 本から手が離れず 一気に完読してしまった。
    読み終えた後 よくあるストーリーと思いながらも
    続編が読みたくなりました。出てるのかな?

  • とてもふわっと大きなことが書かれている小説。

    内容はともかく、登場人物たちの会話がけっこう好き。
    樋口さんの作品は初めて読んだけど、こういう感じなら他も読んでみたい。

    ちょうどカニクリームコロッケを買ってきたので、どうでもいい親近感を覚えながら最後まで読んだ。

  • これは、あれパターンだな、と早々に気づいてしまう自分が憎い。
    最後まで秋吉さんが謎で、やっぱりすんなりいろいろ行くもんじゃないんだなというのが、小説の中ぐらいいいじゃないと思うけれど、そうもいかない。
    2018/1/23読了

  • 戸籍がない子。「あの人」から逃げ回る。ってあるけれど、そんなにさみしさや孤独、悲壮感は感じさせることなく。個性的な登場人物もいてその後どうなるか楽しめたけれど、まあ、起伏ないところが良いんでしょうね。ユーモアありの独特の世界だったな。

  • 戸籍がない14歳の少女のはなし
    面白かったです
    続きが気になる終わり方も良かった

  • どんなにしっかりしていても14歳の少女はあまりに無力で
    いい人に助けられてよかったなぁと心から思う。
    ただそれでも、母親は許せないけどな、私は。子どもを育てるなら、2人分の人生を背負う責任があるよ。

    『いつも覚悟はできています』
    ルビが"したく"なの。悲しすぎる。

    もしこれが、少女じゃなくて少年だったら、どうなっていたかな、とか考える。
    テーマとは関係ないけれど。

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著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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