作品紹介・あらすじ
あなたとあなたの大切な人の人生を変える伝説の書、待望の復刊!日本語と英語それぞれ365個の質問。答えを考えていくうちに、あなたと世界の関係が動き出します。―あなたの夢は何角形だと思いますか?―意識は透明でしょうか―ここより一番遠い場所とはどこでしょう―心も年をとるのでしょうか~読者の回答質問:空に字を書く方法を知っていますか答え:手鏡に文字を書いて空を映す質問:淋しさはどの方角からやってくるのでしょうか答え:“人”のいる方向~寺山修司の回答質問:時間を保存する方法を知っていますか寺山:これは記憶もしなければ記録もしないことだと思います。 この本には、右から開けば日本語、左から開けば英語で1ページにひとつずつ、合計365個の質問が用意されています。 どこから開いても構わない。ページの余白のぶんだけ、時間を掛けてじっくりと、私たちは思考をめぐらすこととなります。すぐに答えが思い浮かぶものもあれば、しばらく考え込んでしまうもの、考えても答えが見つからないものもある。 1日1ページずつ、ひとつの質問を考えるとしたら、365日=1年分の時間の重さがこの本にはぎっしり詰まっています。 質問の答えに正解はありません。読み手によって、読むタイミングによって、その時々で答えは変わるでしょう。 自分自身の内面に語りかけ、覚醒させる。ひとりでじっくり読むことはもちろん、だれかに質問を投げかけて、コミュニケートすれば新しい発見があるかもしれない。 言葉の力を今こそ感じて自分と向き合うために必携の一冊です。
感想・レビュー・書評
絞り込み
-
1197夜『寺山修司と生きて』田中未知|松岡正剛の千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/1197.html
文藝春秋のPR
あなたとあなたの大切な人の人生を変える伝説の書、待望の復刊!
日本語と英語それぞれ365個の質問。答えを考えていくうちに、あなたと世界の関係が動き出します。
―あなたの夢は何角形だと思いますか?
―意識は透明でしょうか
―ここより一番遠い場所とはどこでしょう
―心も年をとるのでしょうか
~読者の回答
質問:空に字を書く方法を知っていますか
答え:手鏡に文字を書いて空を映す
質問:淋しさはどの方角からやってくるのでしょうか
答え:“人”のいる方向
~寺山修司の回答
質問:時間を保存する方法を知っていますか
寺山:これは記憶もしなければ記録もしないことだと思います。
この本には、右から開けば日本語、左から開けば英語で1ページにひとつずつ、合計365個の質問が用意されています。
どこから開いても構わない。ページの余白のぶんだけ、時間を掛けてじっくりと、私たちは思考をめぐらすこととなります。すぐに答えが思い浮かぶものもあれば、しばらく考え込んでしまうもの、考えても答えが見つからないものもある。
1日1ページずつ、ひとつの質問を考えるとしたら、365日=1年分の時間の重さがこの本にはぎっしり詰まっています。
質問の答えに正解はありません。読み手によって、読むタイミングによって、その時々で答えは変わるでしょう。
自分自身の内面に語りかけ、覚醒させる。ひとりでじっくり読むことはもちろん、だれかに質問を投げかけて、コミュニケートすれば新しい発見があるかもしれない。
言葉の力を今こそ感じて自分と向き合うために必携の一冊です。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907482?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=201801tan
-
1ページにひとつの質問で、思い出されるのは今年買い求めた『今日の宿題』(B&B)という書だろうか。
http://bookandbeer.com/news/shukudaib/
こちらは純粋にQAの本ではなく、「宿題」なので、「XXXしてください」というものあるが、「あなたにとってxxxとはなんですか?」といった問いかけも多く、その答えのない宿題を考えることを日々の糧にしてくださいというもの。
本書も書店の惹句にはこうある;
「質問の答えに正解はありません。(中略)自分自身の内面に語りかけ、覚醒させる。(中略)言葉の力を今こそ感じて自分と向き合うために必携の一冊です。」
寺山修司の私設秘書として16年間、苦楽を共にした著者が記したものであるが、寺山との関係で、これらの質問を考えていく必要はなさそうに感じた。寺山修司へ向けた質問もあるのだろうが、多くは純粋に、答えを考える楽しさを味わうために発せられた他愛もない質問だ。
「心も年をとるのでしょうか」
「時間を保存する方法を知っていますか」
これらのうちいくつ答えられたとか、ネガティブな解答がいくつあったらどうのこうのと、性格判断や知恵比べをする類のものでもない。ただ、思いもよらない物事に対しての問や、普段は考えもしない疑問を呈する鋭さがあり(全てが全てではないが)、読む側は、気楽に柔軟に想像力、創造力を発揮して、自分自身の答を導きだせばよい。いや、導き出せなくても、その過程を楽しむことができれば、本書の役割は果たせているのだろう。なにしろ、正解は無いのだから。
ふと、先日読んだ『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木蓬生著)の中で紹介されていた、フランスの作家、モーリス・ブランショ(1907-2003)の言葉が蘇る;
ー La reponse est le malheur de question.
(答えは質問の不幸である)
正解のない、答のないところに幸せはある。ネガティブ・ケイパビリティを世に広めたビオンも
― The answer is the misfortune of disease of curiosity - it kills it.
(答えは好奇心を殺す)
と言い切っている。
本書にも「答えることは罪ですか」という問いがある。柔らかく頭を使い、答えを探る刹那の愉しさに酔いしれよう。
さて、本書は、質問毎に英語の対訳が付く。質問によっては日本語と英語で問いの内容が異なるものが、たまにある。例えば、
「希望というのはなぜ二字だと思いますか」
これを、英語だと2文字じゃないけど、何て書いてあるんだ?と思って見てみると
Why do you think the word hope begins with letter "H"
とある。
気になったついでに、考えてみる(英語のほうの問をだ)。私なりの答えは、
”自分( I )”の隣にあるものだから。
あまりに綺麗に決まりすぎて、これ、どこかで見聞きしたかもしれないな、と思っている。
-
【1日1題、365の「質問」がぎっしり!】寺山修司の秘書として16年間その仕事を支えた田中未知による永遠の問いかけ。読者を思考の迷宮に誘う伝説のアート本が待望の復刊!
田中未知の作品