悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907833

作品紹介・あらすじ

一強と持ちあげられ、自民党総裁として異例の三選を取り沙汰されてきた安倍晋三総理大臣。その権勢に陰りが見え、支持率が急落した原因は、何といっても学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題だった。 総理自らが「腹心の友」「四十年来の親しい友人」という加計氏側に有利に運ぶように、政治的な圧力はあったのか。次々と明らかになる文科省の内部文書や、前事務次官の告発などで、追い詰められた総理はついに解散に打って出た――。 徹底した取材を元に、疑惑の全貌を明らかにするノンフィクション。政界・官界・業界団体・地方自治体などの利害が複雑に絡み合った糸を解きほぐし、現在の日本の最高権力の驚くべき核心に踏み込む力作だ。目次はじめに第一章 第二の加計学園第二章 悪友サークル第三章 加計の野望第四章 海外進出の手助け第五章 政治とビジネス「商魂」第六章 国家戦略特区というレール第七章 下村文科大臣の献金疑惑第八章 前川の乱「疑惑の核心」第九章 内閣府VS文科省第十章 延期された学部の設置認可終 章 政権延命の末

感想・レビュー・書評

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  • 森氏の取材力とわかり易い文章に安倍氏を始めとするヤツらに腹立たしさが増幅する。
    宗教問題も棚上げし、安倍政権の独走を許した私達国民も情けない。
    知らないでいる愚かさを改めて怖いと感じた。

  • 政治が分からない自分には難しいところもあったけれど、興味深く読んだ。

  • 『悪だくみ』(森 功)
    事実を積み重ねて、タイムリーに書籍にするとなるとこのような本に仕上がってしまうのかもしれない。(読み易い本ではないということ)
    ただ、こういったタイムリーで事実を入念に調べあげた文章だということを了解して読み進めていくと、張り巡らされている糸がその質感をともなって感じられてくるし、その先に浮き彫りにされてくるものがしっかり見えてくる。
    国会審議でいくら野党が問い詰めても、暴ききれなかった闇が克明に見えてくる。党首討論で岡田代表が、『総理、あなたは良心の呵責を感じないか』と迫ったシーンはこの本を読んだすべての読者の声として蘇る。
    そして、それをはぐらかす様に応じた安倍首相の姿がこの本の表紙の写真とダブってくる。
    これだけの事実を多方面から調べて、積み上げていき、『悪だくみ』を暴き出すのは容易なことでは無い。たしかに、読み物としての熟度は不足しているかもしれないが、これは物語ではないから、重きは読者の感情よりも理性に訴えかける必要があるので仕方ない。


    この本で描かれたようなことを企む人間がかつて「美しい国、日本」とスローガンを掲げたわけだけれども、この国はいったいどうなってしまったんだ。と考え込んでしまう。

    議員も、マスコミもあてにならなくなった今日においてはこういった緻密な情報収集をしてくれる作家やジャーナリストの個人の力が“このようになってしまった国家”に抗う力になると感じだ一冊。

  • 文章はもう一回ブラッシュアップすればもっと読みやすくなるかな、とも思いつつも、内容に関してはピカイチ。巨悪の問題を丁寧に描き出している。加計問題はまだ何にも終わってない。それを考える良い材料だ。

  • いつもながら筆者の取材力には敬服する。加計学園の問題が整理できていてとてもよく理解できた。勉強になりました。
    低能な上に幼稚園並みのお友達政治しか出来ない現総理大臣には当然呆れて物も言えないが、そんなおバカさんをずっと宰相にいただいて、しかも歴代最長記録更新を許している国民の民度の低さに開いた口が塞がらない。

  • 加計・森友事件は一体何だったか?
    新聞も取らないで、ネットでニュースを見る。
    テレビで、井戸端会議のようなワイドショーを見る。
    安倍は、お友達となんか悪いことをしているようだが、
    何が問題で、なぜこのようなことが起こったのか?
    がわからないまま、「ないこと」にする流れの中で、風化していく。
    日本の衰退と劣化を感じているだけだった。
    望月衣塑子の「新聞記者」を読み 菅義偉の対応があまりにもひどく
    メディアが、安倍追随の流れの中で、質問をする姿勢に拍手をしながら、
    もう少し、掘り下げて理解したいという思いで、この本をとった。

    「悪だくみ」というネーミングは 安倍晋三の嫁である昭恵が
    ブログにアップした画像のタイトルが、「男たちの悪巧み」からきている。
    加計孝太郎と安倍晋三は、南カルフォルニア大学の同期の留学生。
    安倍晋三は、加計孝太郎を、腹心の友という。
    その腹心の友の念願は、獣医学部を作ることだった。
    しかし、新設の獣医学部は、設置されないという
    文部省や農水省の決まりがあった。
    そこで、加計は、昭恵を籠絡し、安倍ご意向を引きづり出す。
    お友達と依怙贔屓の政治が、小泉の規制緩和の中で
    「国家戦略特区」に、押し込められて、暴走する。
    土地や建設は、ほとんど補助金で作られ、
    計画された獣医学は、定員160名で、6年間だと23億円の売り上げ。
    とにかく、儲けることができるのだ。

    丁寧な取材とその時系列を抑えて、解明する。
    森功の「腐った翼」「地面師」を読んだ時の爽快感と
    通じるものがあり、日本のジャーナリズムがまだ死んでいないことを
    確認した次第である。
    それにしても、ファーストレディ 昭恵の軽さに驚くばかりだ。

  • 加計学園に関してはかなり深くまで周辺取材がなされているが、さて、事の本質はということに関しての記述が途端にぼやけてしまっており、ストレスがたまる。常に読んでいる自分と作者自身のフィルターバブルを用心して読み進む作業になるため、客体の視点が不在になることもしばしば。むしろ擁護派の荒唐無稽なでたらめの論旨のほうが論理的に否定できる分わかりやすいともいえる。

  • 悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞。森功先生の著書。森友問題も加計学園もいつの間にか報道されることが少なくなっているけれど、結局のところ真相は闇の中。モリカケ問題の真相が暴かれる日は来るのでしょうか。

  • 加計学園の背景が良くわかった。
    2018年石破元幹事長と現安倍首相との総裁選はどうなるのであろうか。
    何故か国会の自民党議員は派閥の意向と独裁からか安倍首相をおしている。

  • 【権力の核心に迫る】総理の「腹心の友」に有利に運ぶような圧力はあったのか。複雑に絡んだ政・官・業界・地方の利害関係の糸を解きほぐして見えたのは。

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著者プロフィール

森 功(もり・いさお) 
1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、「週刊新潮」編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞。2018年には『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』『ならずもの 井上雅博伝――ヤフーを作った男』『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』など著書多数。


「2022年 『国商 最後のフィクサー葛西敬之』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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