- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163908700
作品紹介・あらすじ
この熱量はすべての読者を圧倒する。衝撃の松本清張賞受賞作。戦を厭いながらも、戦のなかでしか生きられない島津の侍大将。被差別民でありながら、儒学を修めたいと願う朝鮮国の青年。自国を愛し、「誠を尽くす」ことを信条に任務につく琉球の官人。豊臣秀吉の朝鮮出兵により侵略の風が吹き荒れる東アジアを、三つの視点から克明に続く。なぜ人は争うことを辞められないのか。人と獣を分かつものとは、一体なんなのか――京極夏彦、三浦しをんら選考委員も絶賛した傑作歴史エンターテイメント。
感想・レビュー・書評
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「礼」に始まり「礼」に終わる人間関係
三人の立場(島津の侍大将、琉球王国の密偵かつ商人、賎民から儒学を得た男)から侍大将は「戦いは誰の為のものなのか」を問い続け、賎民の青年は人種差別を儒学で無くす事を探し求め、琉球の官司はそれぞれの国の情報と人材を求めて密偵として探し求める。互いの接点が戦場となり、そこで発見することになる。それは「義」「忠」以上に人を理解すること、人間関係の大切さは「礼」であると。因みに琉球国は「「守礼之邦」である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
梅雨のせいかな、集中力が全然保てない。
気候が良くなったらもう一回、ちゃんと読まないと、、
戦を嫌なものだとわかりながら戦で生きる島津の武士樺島久高と、
生を説く朝鮮国白丁出身の儒者である明鐘、
礼を重んじる琉球の真市。
1952秀吉の朝鮮出兵から、1906島津の琉球侵攻まで。
なぜ戦うのか、獣と人との違いは?を3人の視点で。
あと、
なんくるないさーは、定型句として前段があって、まくとぅそーけーなんくるないさーで、
真を尽くしていればなんとかなるさ、で、
人事を尽くして天命を待つに近いらしい。知らないってすごく失礼なことだな、、すみませんでした。
それから、イラブチャーという魚、美味しいらしい。食べてみたい。
……画像検索したら、、めっちゃ青い!
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2022.7 少々難しい表現もあるけれど礼に溢れた、ピリッとした小説でした。
守礼の門とはそういう意味だったんだ。 -
本著者の二作目『熱源』が非常に面白かったので、一作目となる本書を読んだ。
島津家・朝鮮・琉球の三者が「礼」と「戦」で運命的かつ残酷に繋がるストーリー。三者のそれぞれの背後にある、大明国や豊臣家、徳川家といった権力に翻弄される運命にありながら、戦と儒学をもって「生」きることを肯定する美学。 -
2021/6/3
変える力は、変わるべき者の内にのみ、宿る。 -
孔子とか孟子とか儒者の言葉が引用されるのがとにかく読みづらい。
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始めは難しい(言葉選ばずにいえば読み進めずらい)けど途中からはどんどん展開していくので難しさはなくなる。江戸初期少し前くらいの沖縄舞台の物語は読んだことがなかったので新鮮で感じたことのない雰囲気の中でストーリーが進んでいくのもよかった。礼、がキーワード。
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説明が多すぎ。なかなか戦闘の話にならず。
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琉球の最後