平成くん、さようなら

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163909233

感想・レビュー・書評

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  • 結構すきなお話だった。
    悲しくなるし、そこまでぶっ飛ぶ?って思うかもしれないけど。
    十人十色って言うわりには、世間は少数派な意見を否定するよねって思った。
    平成くんの考え方も分からなくはないし、愛ちゃんの考え方も分からなくはない。
    どっちの目線にも立てるなって自分は思った。

  • めちゃくちゃ悲しくなっちゃった。

  • んんん……なんだかよくわからなかったぞ?
    私の読解力のなさなのかな、読み終わって不思議な気持ちというか、もやもやするというか、…なんとも言えない。

    UberとかMacBookとか高級ブランドの名前(詳しくないので知らないものばかりでおそらくだけど高そうな雰囲気を醸し出していたカタカナの羅列)が頻繁に出てきて、これが平成という時代を象徴するものなのかな?令和の次の元号くらいの子たちは「へ〜これが平成時代なんだ」って思うのかな?なんて考えたり。
    平成くんも愛ちゃんも当たり前のようにとてもリッチな生活をしているけど、高級品に包まれたって幸せではないってことを表してるの?と考えてみたり。

    あと個人的に性描写きつかったな。笑

    平成くんの「人は締め切りがあるから仕事とかちゃんとできる」的な発言はちょっとだけ納得してしまった。
    つまり平成くんは人生の締め切りを決めた、と。でも私たちの日本には安楽死制度はないので締め切りを自ら決めることはできない、つまり毎日を大切に生きなければいけないということかな、と。

    もしも大切な人が安楽死を選んだら、きっと取り乱してしまう。それがエゴだとしても。
    でも愛ちゃんに対して平成くんベースのAIスピーカーを渡し、スピーカーからの返事が本物の平成くんなのかAIなのかわからない、いつ平成くんがこの世からいなくなってしまったのかわからないっていうのは私だったら目の前で安楽死されるより辛い気がする。

    最後のAIスピーカーとのやりとり、「ねえ平成くん」というセリフが返事なしに続くあたり、寂しくなったね。

    一番ラストの、
    「ねえ平成くん」
    「ねえ平成くん」
    「ねえ平成くん、さようなら」
    「うん、またね」
    だけは、AIじゃなくて本物の平成くんからの返事だと思わずにはいられなかった。

  • 気になって読みたくなった作品。
    読み終わった時、不思議な気持ちになった。
    感動?切ない?面白い?
    確かに面白かったけど、笑えるって意味よりは平成くんの考え方とか今まで考えたことのなかったようなことを掘り下げて考えさせてくれるような、そんな空気感がほんとに面白かった。
    生きる、とか死ぬ、とか口にするのは簡単だけど、この小説を読むと題材が安楽死とはいえ、なんかリアルな死や死ぬ時の周りの状況、残された人の気持ちを想像してしまう。
    きっとそれは普段何気なく生活してたら考えないようなことで、この小説をきっかけに考えられることはいい事なんだろうなぁって思う。
    読んだ後、自分はやっぱり大切な人には生きてて欲しいってすんごく思った、。

  • 死ぬってなんだろうと誰でも一度は漠然と考えたことに触れた一冊。きっと、死生観についてややこしく考えるから生き辛くなるし、『人生の締め切り』も必要なんだろうなぁ〜と感じた。最後のシーン、すきです。

  • 平成くんが死んじゃうのもやだし死ぬって言ったのに死なない平成くんもいやなので悶々とした気持ちで読んだ。愛ちゃんの説得で平成くんが改心して一緒にずっといれたとしてそれはなんか「平成くん」ではなくてどっちにしろミライはなかったんじゃないかなって思った愛ちゃん強く生きて欲しい平成くん、さようなら

  • 無駄話ができる相手がいるって、とても尊いことだと改めて感じた。

    「二人で映った写真が7521枚で、LINEを送りあった期間が3年半で、その間97万字の言葉を交わしていた。僕たちには、もうこれだけの歴史があるって気付いた。」と言って、平成くんが愛ちゃんのために自分とよく似た声で話すスマートスピーカーを作ったくだりが泣けた。

    大切な人に「死にたい」って言われたら、どうしよう。自分はどうするだろう。

  • 読み終わったあと 愛ちゃんどうしてるかなあ とふと思った。
    「猫になったんだよな 君は」のフレーズが浮かんで
    愛ちゃんを抱きしめたくなった。
    切ない。
    古市さんのイメージが変わった

  • 「1年近い猶予が殯としての機能を果たしたのかも知れない。」淡々と進んでいくんだけど続きが気になる。普通の私には理解し難い性格や生活が描かれているんだけど、、、最後は切ないなぁ。

    殯(もがり)・・・死者の復活を願いつつも遺体の腐敗・白骨化などの物理的変化を確認することにより、死者の最終的な「死」を確認すること。

  • 平成くんは古市さん?!??と錯覚しそうになる。
    実在する人物名や名称が出てくるので、現実とごっちゃになりそうでした。
    古市さんの思惑でしょうか…

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著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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