この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ

著者 :
  • 文藝春秋
3.31
  • (3)
  • (8)
  • (9)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 89
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163909554

作品紹介・あらすじ

『暴走老人!』がベストセラーとなったのは2007年。それから10年あまり、暴走老人は減少する気配もなく、少子高齢化社会が進む日本。老後本があふれる中で、『暴走老人!』の著者が考え抜いた「幸福老人」への道とは?「人生100年」という言葉にまどわされるな。老人と「ネット」の関わり方。新老人の「孤独」を分析する。書くことで心を再生するには。家事が命の土台となる。生きがいある老後に「本当に必要なもの」は何かを問う、定年前後世代必読の書!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ”暴走老人”という本が気になっていたがその作者。
    なるほど書かれてある事はもっともと、納得する事が多い。
    ・若い人は暴走する老人の為に年金や健康保険を損をするのはまっぴらだと考えている。嫌悪感は自分が思っているより強いと認識すべし
    ・海外のビジネスマンはパーテイで自己をアピールする事にエネルギーを使う。出席者に合ったた面白いネタ、話等 入念に準備をする。対等の話法を重視。
    ・過去の自分を振り返る事が、新しい自分を作る上で必要
     記憶を文書化する事は有意義
    ・人間関係がSNSとのつながりだけという人は、不安や孤独感を却って高めてしまう。生の言葉、本音を伝えるメデイアでは無い為。自分を飾ってしまう。閉塞感を打ち破るにはペンかキーボードを持つこと。アンネフランクが何故2年も幽閉生活に耐えられたのか?がその回答
    普段抑えている気持ちをぶつけるものが必要。
    孤独は書くことで救われる。
    ・コーチからの口頭の言葉よりも、自分で書いた文字の方がはるかに重要。その人の元に戻り、新しい思考を生み出す

  • 100歳というのは、2050年に生まれる赤ちゃんの余命 昭和30年当時の厚生省、管理生命表63歳
    人は可視化できるものに強く影響されて意識を組み立てる。公園で元気にジョギングする高齢者の姿は強く印象に残り、長寿社会のイメージが強化される。一方で寝たきりの高齢者を目にする機会は身内以内ほとんどないだからそのイメージは希薄になる。歳をかさねるごとに外に出かけることが億劫になり、他人とこおみいった会話をするのが面倒になったという人は、確実にコミュニケーション能力が劣化してくる。
    根っこに長い間体内に染みこんだ、他人をすべて上下関係で位置づけてしまう、習性がある。
    第二の人生は対等の話法が中心の世界
    この話法の変化にうまく順応できる人は、もともと人間性が豊かな人なので問題無い、
    リタイア後の人生が、否応なく対等の話法中心の日常にいることを忘れてはいけない。
    目的は達成したとたんに目的ではなくなる。それは結果となる。人間にとっての、結果は死である。人生にとって何が価値なのか、いうまでもなく人間にとって価値があるものは、生そのもの、生きるという行為、その過程こそが価値。
    だから、やがてくるだろう人生の終焉を意識の片隅にしまって、日々の生活、活動という行為を受け止め、それを価値とすることが必要
    第二の人生を定義づけるとすれば、人間が目的から初めて自由になれる時間

    記憶が嘘をつく、人間の記憶というのは、脳に正確に固定されるものではなく、流動的であり、とりだしてみると間違っていたりする。自分の過去を無意識のうちに粉飾したり、加工したりする。人に懐かしいという感情が沸き起こっとき、その対象である人、場所、場面は肯定的にとられている。いやな思い出、忘れたい記憶が蘇ったとき、誰もそれを懐かしいとは言わない。懐かしい記憶が、正解な事実だったのかというと、必ずしもそうではない、おおかた、良い部分だけをとりだし、切り貼りして、自分の都合のいいように再構築したもので、事実とはほど遠いということがある。
    自分の人生を誠実に思い起こし、厳しく書き起こすことは、第二の人生に向けて、大きなステップになる。自己の改革が必要、ボランティア活動も町内会も会社の代用にはならない、人との接し方もまったく違う自分でなくては通用しない。
    書くことは、一人でいることが多く他人に言葉を発する機会が少ない人ほど必要な、自己との対話、孤独は書くことで救われる。
    人は歳とともに、活動範囲が狭くなり家にいることが以前より長くなる。セカンドライフは日常食を規則正しく自分の力でつくり食べる。
    最愛の人の死など、精神的に打撃を受けたときでも、炊事を始め、ともかく一日を始める事で、哀しみや不安は、その作業のなかで少しずつ溶解していく、どんな困難に際しても、ともかく一日を始めることが大切。

  • 上下の話法から対等の話法へー相手の人生への尊敬
    目的の価値化から行為の価値化ーその時その時の行為、過程を大切に
    虚栄心を捨てて謙虚な自尊心。
    書くことで自分との対話を図る。
    丁寧な暮らし方を

  • 上下の話法から対等の話法への切り替え。目的の価値化から行為の価値化へ。虚栄心を捨てて謙虚な自尊心に立ち返るために、リボーン・ノートを書く。日常の家事や料理、暮らしの技術を持ち、ルーチンワークにする。

    老人が多くなったぶん、老人に対する目も厳しくなったってことでしようか。悠々自適的男性向けかなと思いました。

  • セカンドライフの土台は暮らし、というのはなかなか考えつかないのではないか。

  • 家事を楽しむ!
    孤立しない豊かな第2の人生
    https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/314359.html

  • 『暴走老人!』の著者が考え抜いた「幸福老人」への道とは?
    「人生100年」という言葉にまどわされるな。 老人と「ネット」の関わり方。 新老人の「孤独」を分析する。
    書くことで心を再生するには。 家事が命の土台となる。
    生きがいある老後に「本当に必要なもの」は何かを問う、定年前後世代必読の書!

  • 定年後、老後の生き方についてのエッセイ。著者は、定年を機に思考の転換、謙虚な態度、周りとの繋がり、暮らしを重視することを勧めている。定年を迎えた社会人には、おそらくケジメを付けられない人が多いからだろう。自分も例外ではないと思うので、著者のアドバイスを実践したいと思う。

  • 定年後の孤独。嗜好性の多様化と同調圧力の存在する「群れ」への嫌悪感から、同じ地域というだけで集まらなくなってきている現実。同一嗜好性をもった集まりが成立する仕組みを自分たちでどう作るか。
    現役時代に刷り込まれた価値観を葬って、新しい価値観を手に入れることが大切と。

  • 共感できる箇所もある。
    自己啓発にはならんなあ。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤原智美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×