- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163910413
感想・レビュー・書評
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近代化とか文明化とか、大きな時の流れとしては、豊かになり幸せになっていこうとする意志なのだから、決して否定されるものではないのだろうが、失われ変えられ踏み躙られていく側から見ると、何が豊かで何が幸せなのだろうと、苦しみ迷い傷つきながら進んでいくことになる。
一通りではない、心がかき乱される、とても骨太な物語だった。
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次に北海道行った時はアイヌの資料館に行きたくなった
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「熱源」の正体がわかった時、なぜか安心した。
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やっと読めた。図書館で借りては途中で期限がくるというのを繰り返し、遂に購入してやっと読破。
北の国好きとしてはたまらない北海道、サハリン、ロシア、ポーランドを取り巻く物語。これだけで読んでみようと思ったのだが、驚いたのが登場人物の殆どが実在の人物だった事。そして誰もが知る偉人や歴史的事実に関わっていたことに心底驚いた。
自分が何者なのか、国とは、故郷とは。考えさせられる物語だった。 -
今年読んだ日本文学で間違いなく一番良かった (分母小さめ・・・涙)
実際に存在したアイヌや日本人などを登場人物とした激動の物語。アイデンティティとは、己の文化とは・・・。必ずもう一度読みたい。これは是非英訳されてほしい。 -
自分たちの民族や文化が消える…、ヤヨマネクフが幼い頃からずっと感じていた焦燥に、はっと気づかされる。そして、南極点を目指すところからシシラトカと殴り合うシーンでは今までの思いの分、特に胸が熱くなった。
世界史などの記述では短い文章で終わってしまうけど、そこに一つの民族が支配される、滅びていくまでに多くの葛藤があり、その後の彼らのアイデンティティはどうなるのか、その部分こそ、現在の歴史学で思いを寄せるべき一つだと思う。
ブロニスワフ・ピウスツキも、弟が世界史では有名なので、その勉強の時に兄がアイヌの研究をしていたらしいとは知ったが、被支配のポーランドとアイヌという2つの故郷、そして支配するロシアとの間で数奇な運命だったのかな、とこの話を読んで感慨深かった。 -
最近は読んだ本については、なるべく短くても感想を残すことを目標にしている。
とは言え、どうも感想が書けない時がたまにある。
理由は何パターンかあるのだが、その中の1つに、素晴らしい作品だと思うのに、物語の量や熱が膨大で、逆に上手く感想をまとめられない時、と言うことがある。
この作品はまさにこのパターンで、作品を通して、タイトルにもなっている「熱」が伝わってくるのだ。それに圧倒されながら読み進め、ずっと、悲しみ・怒り・諦念、様々な感情を抱いていたのに、いざ、読み終えると、言葉にならないのだ。ただ、時代の変化と、それに振り回されながらも生き抜いた登場人物達に圧倒されている。
それにしても、自分は知っているつもりで、アイヌの人達の歩んできた道を、あまり知らなかったのだと実感した。