- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163910963
作品紹介・あらすじ
一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。山あいの小さな集落、簑石。六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。彼らが向き合うことになったのは、一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-–。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。『満願』『王とサーカス』で史上初の二年連続ミステリランキング三冠を達成した最注目の著者による、ミステリ悲喜劇!
感想・レビュー・書評
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題名から面白そうと読んだけど、自分が思っていたようなミステリーではなかった。
米澤さんなので話の中に引き込まれていくけど、移住者たちのトラブルが結構地味。
これは最後に何かあるよねと期待したけど、伏線回収というほど驚くものではなく、そうだよねという感じだった。
つまらない訳ではないけど物足りない、テーマも自分には合わなかった。
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地方の公務員の大変さが、よくわかった。都会と地方、何処にいても長所短所はあるもので、自分が何を大切にしてるか譲れないかで、住み心地も人それぞれなんだろう。
ラストは、地方行政の深刻な問題を突きつけられて終わった感じ。 -
穂信氏読破の道程です。
いや、不穏。イヤミス。なんか変、が全部伏線。表紙絵の暗さも、イメージ通り。
犬はどこだ、と同じ読感。救いがあるようなないような。
作者さんの出身県がモデルになってそう。嫌いじゃない。 -
割と軽めのミステリー?と思ってたら、最後にこう来たか!一般的市職員の万願寺、新人で学生気分の観山遊香、就業時刻とともに消える西野課長の楽しい3人トリオ。だと思ってたら…。
僻地に住むことの現実と市の財政難。役所のありがたさがよくわかる一冊でした。 -
人が誰も居なくなった村に移住者を呼び込む甦り課で働く万願寺目線で、移住者たちのあれこれに対応していく。
仕事をしない課長のどこか底知れなさ、軽薄だけどいつも明るい後輩女子の時折見せる頭のキレなど、物語が進むにつれてなにかがある、と匂わせてページをめくる手が止まらなかった。
度々挟まる公務員あるあるがじわじわ面白かった笑
オチも、ぞっとするけどリアルな話だった。 -
「平成の市町村合併」により無人となった集落へ移住者を呼び込むIターン政策。自治体の思惑とは違ってなかなか実を結ばない。過疎化した地域の町おこしは徒労に終わるイメージがあるけれど本当に難しいんだろうと感じた。お仕事小説の趣もあるのだけれど、最後の後味が悪すぎ。