木になった亜沙

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1688
感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911915

作品紹介・あらすじ

誰かに食べさせたい。願いがかなって杉の木に転生した亜沙は、わりばしになって若者と出会う(「木になった亜沙」)。どんぐりも、ドッジボールも、なぜだか七未には当たらない。「ナナちゃんがんばれ、あたればおわる」と、みなは応援してくれるのだが(「的になった七未」)。夜の商店街で出会った男が連れていってくれたのは、お母さんの家だった。でも、どうやら「本当のお母さん」ではないようで…(「ある夜の思い出」)。『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞した気鋭の作家による、奇妙で不穏で純粋な三つの愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭から微妙に何かがおかしい展開が続き、途中から当たり前のように幻覚を見せられるような感じ。これぞ今村夏子だよなぁと思いながら一気読み。
    一旦現実を離れたい時にオススメです。

  • 誰にも自分が渡した物を食べてもらえない女の子だったり、何を投げられても殴られても当たる事が出来ない女の子だったり、突拍子もない設定なのに読んでると受け入れられてきて、普通にいじめられたりしちゃうから、可哀想、、って思ってると急にグインと急カーブ曲がる位の展開やセリフが出てきて、癖になる楽しさ。


  • 独特なお話でした。
    なんと言葉にしていいか
    わからない。
    ゾワッとしたり どういうこと?
    となったり..

    読んだ方がどう思ったのかが
    知りたい!と感じてしまいます。

  • 独特!
    ただ、どの話の登場人物も、どこか自分の心に住んでいる人格のような気がしてくる不思議。
    いかようにも解釈できる小説、読後はふわーっと物思いに耽ってしまった。

  • 独特な世界観で、読んでいてとても不思議な感覚。しかしスッと心に入ってくる。
    どういうことだったのか、なんだったのか、物語の結末や考察を自由に想像・創造させてくれるような空間。
    端的に説明が難しいが、また読み返したい作品。

  • ⁡読み進めるうちに段々と不安になってきます。⁡
    ⁡みんなそれぞれ思い込みなのか夢なのか現実なのか。⁡
    本人が強く思い込んでいればそれが現実で⁡
    ⁡現実が恐ろしく奇妙な方向へ進んでいく…。
    不穏でちょっぴり不気味。⁡
    ⁡だけど、⁡どこかあたたかい不思議な世界観です。⁡⁡
    ⁡⁡

  • 不気味な話が3つ。
    最後の「ある夜の思い出」は、猫なのか人間なのかな〜不思議でした。
    「的になった七未」は、最後、的になって良かったのではないか。でも、的になってるってことに気づかなくて読み進めてしまった。おもしろい。

  • 文書が読みやすく、独特な世界観で一気読み。いつも『世にも奇妙な物語』みたいだなーと思いながら読んでしまう。不気味だけれども切ない。
    とりあえずジャックが気になった。

  • 今村夏子節全開。何が何でどうなっているのか、そのまま読み進めると何かの比喩?と思うのだが、その後の展開でそのまま受け取るのか?となってバッドエンドでは無いけれど決してハッピーエンドではない、モヤモヤとした霧のなかに放り出された終わり方。いつでも主人達がわたしの感覚でいうとかなり変わった感性の持ち主なので共感は出来ないのだが何故か読んでしまう。

  • どれも不気味だった。どこまでが現実でどこからが夢や妄想なのか、これは何を比喩しているのか、細かくは語られないままに終わる。だからこそ解釈は無限にあって面白い。

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

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