うつ病九段

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163912004

作品紹介・あらすじ

「頑張らないで、先ちゃん!」――西原理恵子(漫画家)うつ病で将棋が指せなくなったプロ棋士がドン底から現役復帰するまでの軌跡を綴ったベストセラー体験記をコミカライズ!文春オンライン連載で、累計564万PVの大反響! 47回目の誕生日の翌日から、日に日に朝が辛く、夜は眠れなくなった。転がり落ちるように不安感にとらわれて将棋が指せなくなったプロ棋士・先崎学九段。すぐにうつ病と診断され、入院。「もう自分なんか終わりだ」といううつ病ならではの弱気な考えと「自分には将棋しかないんだ」というわずかに残った気力での考えが頭の中でぶつかり、そのたびに暗黒の世界へ沈んでいく……。人生で最も辛く長かった入院生活を終え、退院したが、朝コーヒーを買いに行くだけで寝込んでしまう。いつ将棋を指せるような状態に戻れるのか?果たして「前の自分」を取り戻せる日が来るのか……?◆◆◆“うつヌケ”のヒント満載! ◆◆◆○規則正しい日課で生活リズムを取り戻す○うつ病患者に多い「貧困妄想」に要注意○散歩は“うつ”にとって何よりのクスリ○「必ず治ります」短いメッセージほど効果的○お見舞いには「みんな待ってますよ」の一言を

感想・レビュー・書評

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  • うつ病で将棋が指せなくなったプロ棋士・先崎学九段が現役復帰するまでを描いた作品。これは文章で綴られた原作のコミカライズ版。先崎先生の巧みな文章表現を活かしつつ、絵が加わることでまた別の角度からうつ病の恐ろしさや現実を伝えてくれる。

    原作は既読で、ドラマの予習のために漫画版を購入。デフォルメされた登場人物の可愛らしさもありつつ、うつ病のどん底感もしっかり伝わってくる。視覚からも入ってくるからか、漫画版の方がうつ病の怖さが心に染み入ってきて重かった。原作の方がさらさらと読めるので、個人的にはそちらが好きかな。うつ病体験をあれほどわかりやすく読みやすく語ってくれた本は他にないなと。

    ぼくはうつ病になる前となった後に原作を読んでるんだけど、先崎先生のお兄さんが語ったように「当事者以外には理解できない病気」なんだということを痛感した。それでも、この本があることで当事者として勇気づけられたし、支える家族や友人たちもその症状を理解しようとする一助になると思う。

    「必ず治ります」と「みんな待ってます」は言葉でできる薬だと思うので、身の回りに当事者の方がいたらぜひ言ってあげてほしい。

  • うつ病の私と全く同じ経過を辿っていて、私は怠けではなくちゃんと病気なんだと安心した。

    活字を読みにくいうつ病患者からすると、漫画化されているのは非常にありがたい。

    寛解するところまで書かれていたらもっと良かったと思う。

  • 本編もおもしろかった(この言い方は違う気がするが)が、コミカライズによってさらに読みやすい。
    よく練られた構成だと思う。
    特に終盤、羽生さんとのやり取りから、千崎さんがうつ病になった顛末をかくくだりまでは素晴らしいと思う。
    千崎さんの文は、いつも明るくておもしろかったので、中卒ならぬ自称「小卒」の理由は切ない。
    これもご本人ではなく、コミカライズという他の著者だから描けた気がする。

  • 2日(ほぼ1日)で読了。
    単行本もあるようですが、漫画で読みました。

    サーっと読めました。

    うつ病になった将棋の棋士である原作者の体験記。

    結構ありのままに書かれていて、リアリティがあり、また共感する。

    罹患した方にしか分からない感情やモヤモヤ、卑屈感、焦燥感がすごく伝わってくる。

    また、どんな言葉をかけてもらうと嬉しいのかや、面会についてなど、実際的な話もあっていいと思いました。

    もうちょっと続きも読んでみたいところで漫画が終わりましたが、余韻が良かったです。

  •  うつ病があまりに辛そうで、心底なりたくないと思う。時々鬱々とした気分で、何をやっても全然面白くないし、何もやりたいことがないなどとうつ病気分になることがあるのだけど、本当のうつ病はそんなレベルではなくて、そう感じたことが恥ずかしくなる程だ。

     河井克夫さんのビジュアルセンスが炸裂しているかっこいい表現が随所に見られる。

  • 漫画の方から読了。
    発病から少し改善してきた頃までの心情などか割と淡々とテンポよく進んでいく。
    個人的に身につまされる部分もあったり。
    著者の兄が言うように貴重な闘病記だと感じた。
    コミカライズといっても基本的に先崎九段の文体そのままなので、先生の書かれた文書の読みやすさやリズム感を保ててるんじゃないかと思う。
    次は原文で読もう。

  • 直属の部下を始め、うつ病になって休職する人を何人も見てきたけど、こんな症状があるんだなというのは初めて知った。もちろん人によって違うんだろうけど。
    絶望も退屈も感じない、というのが驚き。でも、氏もいうように、ほんとに人間喉元過ぎれば熱さを忘れる、なかでこれだけ克明に描けているのは読んだ価値あり。

    将棋にもいや、棋士という方たちにも少し興味が湧いてきた。

  • うんうん!という内容。苦しかったでしょうね。

  • 元本も読んでいるのだが、結構忘れている
    本作はコミカライズ
    漫画ならではの表現もあり、分かりやすい
    入院は1ヶ月
    退院後も九手の詰将棋が解けないなど、何かと苦労する
    お兄さんは精神科医、というのも忘れていた
    精神科の入院というのはとにかく自殺防止
    良くなってきたら散歩、昼は家から出る
    おすすめは神社、公園、図書館

  • プロ棋士がうつ病になってしまったお話。
    うつ病で出来なくなったこと、回復を始めて出来るようになったことの一つひとつが興味深かった。
    将棋を指せなくなったときは、どれだけショックだっただろう。しんどさは計り知れない。
    原因は何だろうと考えたけど、原因よりも渦中での不安な思いや少しずつ回復していくところを伝えたかったんだろうなあと思った。

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著者プロフィール

先崎 学(せんざき まなぶ)
1970年、青森県生まれの将棋棋士。九段。
エッセイストの側面もあり、多くの雑誌でエッセイ・コラムを持つ。羽海野チカの将棋マンガ『3月のライオン』の監修を務め、単行本にコラムを寄せている。
著書多数。代表作に『フフフの歩』、『先崎学の浮いたり沈んだり』、『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』など。

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