薬物依存症

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163912288

作品紹介・あらすじ

覚醒剤取締法違反による衝撃の逮捕から4年。執行猶予が6月15日(発売日)に明けるの機に、罪をつぐなった清原氏が、薬物依存の怖さ、うつ病との戦い、そして、家族の支えについて語る。――清原氏が本書で語った胸中――「10年も薬物をやめていた人が再編で逮捕を聞くと怖くなる」「(薬物を)最後の1回だけ、と考えている自分がいるんです」「執行猶予が明けたからといって、僕が立派な人間になれるわけじゃない。それを期待されているんだとすると、辛いです。一生、執行猶予が明けなければいいとさえ、思ってしまいます」「この4年間、うつ病にも罹り、本当にキツかった。マンションのバルコニーから下を見て、死にたいと思ったことは、一度や二度ではありません」「息子たちと再会して顔を見るなり涙があふれて『ごめんな』とただ泣いていました。長男は『大丈夫だよ』と笑ってくれて、涙が止まりませんでした」「元妻の亜希は、息子たいに僕の悪口を言わなかったらしい。どう感謝したらいいのか……」

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で見つけて一気読み。
    清原氏が自分自身を受け止めて生きていくのを
    これからも一野球ファンとして応援したいと思う。

  • プロ野球引退後の喪失感を埋めようと、夜の街で酒を飲み歩いていた清原氏。「これをやれば憂鬱なんか吹っ飛んでしまう」と薬物を勧められ、覚せい剤を使用し始める。
    奥さんは二人の息子を連れて出ていった。自暴自棄になった清原氏は致死量を超える覚せい剤を摂取し、病院へ運ばれる。誰にも薬物のことを打ち明けられず、死にたいと思う毎日。清原氏が逮捕されたのはそんな時だった。

    留置所では「114番」として44日間過ごし、その後は入院や、通院を続け、現在は自助グループでミーティングを行っているらしい。
    ミーティングメンバーで厚生省のイベントにも出たとのこと。検索したら、あきひろお兄さんの動画が出てきて胸が熱くなった。
    https://www.youtube.com/watch?v=V2MlTtv3-a4

    清原氏もあきひろお兄さんも、一度は薬物ですべての信頼を失ってしまったが、更生しようと頑張っている。努力する彼らの周りにはサポートしてくれる人、応援してくれる人がいる。
    薬物依存症の再犯率は極めて高い。
    周りにいてくれる人たちを悲しませないような人生を歩んでほしいと思いつつ、覚せい剤の破壊力にあらためて驚く。これまで歩んできた人生のすべてを捨ててもまたやりたい、と思わせる薬物の依存性。
    有害性、有毒性を取り除いた覚せい剤が精製されたら、お酒やタバコ感覚で気軽に覚せい剤を嗜めるようになるのかな。逮捕はされたくないけど興味あるな。

  • 名選手清原が薬物に手を出し、転落していった内容の手記。
    内容が稚拙なのは、野球一筋だったからなのか。
    すごく純粋であるが故、薬物に手を出し、現在ももがき苦しんでいる様を描く。
    元プロ野球選手が薬物の怖さを赤裸々に伝えた内容。

  • 素朴な言葉でこれまでを振り返る清原氏、あぁ野球に一途で不器用な人なんだと思う。終わりのない依存症との戦いではあるけれど、彼は支えてくれる人に恵まれているよね。どうか本の最後に書いてあるように、そうした人たちをガッカリさせぬようこれからも戦い続けていって欲しいです。

  • 2024/01/14スタート〜01/20読了

    幼少の頃に初めて憧れたスーパースター。ここぞという時には、必ずといっていいほどホームラン。そんな憧れても、とうてい近づけないと思っていた清原。でも、この本を読んで、この人も同じ人間なんだと。寂しさ、辛さ、孤独を同じように抱えながら、薬物の欲求と日々闘っている。

    いつか、高校野球かプロ野球でユニフォームを着てる姿を見たい!これからも応援しています!!

  • 主に逮捕後の薬物依存についてありのままの感情が綴られている。
    内容が感情に素直な分、薬物への依存が赤裸々に書かれており、読んでいて暗くなる。
    薬物依存への世間の偏見を変えていきたいとの想いで締めくくられているが、それは今後の筆者の行動次第だと思う。
    薬物に手を出す時点であまり筆者に同情できず、今でも周囲に甘えた考えがあるように感じてしまった。

  • よくここまで自分の弱さや現実をさらけ出したと思ったし、だからこそ読みごたえがあったと思う。
    特に印象的だったのは、薬物に手を出さなければ知ることがない警察でのエピソードや、薬物に手を染めた人に対する世間の偏見やこういう人間だという決めつけが、依存症患者の社会復帰を妨げているというお話で、考えさせられることも多く読んで良かった。

  • 覚せい剤って、結局は金もうけのために、たとえ他人の体がボロボロになって取り返しのつかないことになったとしてもかまわない人たちが広めているものなんだろうなあ。覚せい剤を使用したことは許されることではないけれど、そのことによって清原自身が自分の弱さを知り、自分を支えてくれる人や大切なものに気づき、次のステップに踏み出すことになったのだと振り替えられる人生を送ってほしいと願う。
    清原は野球好きな人にとって、憧れの存在。薬物依存と付き合いながら、清原自身が引退後も何らかの形で野球に関わり続け、薬物を使用し逮捕されたという苦しさや悲しさを発信し続けてほしい。栄光と挫折を乗り越え、生きていて良かったと思える人生を送ってほしい。清原の未来にエールを送りたい、そう感じた。自分の弱さやみっともなさをさらけだすことは簡単なことではない。この本を世に送り出してくれたことに感謝。

  • 清原の今の心情、薬物依存の恐ろしさ、知ることができた。清原にはこれからも負けることなく、頑張ってほしい

  • 個人的には、清原氏がいつ、どこでどのように、なぜ薬物に走ったのかが気になっていた。もちろん本書で触れられている。ただ、酷かもしれないけど、もう少し詳細に知りたかったかな。
    全体的にとても読みやすい。
    全てを失ったけど、支えてくれる人がいて、そのおかげで見えてきたこと、人生観の変化などが感じられる。元妻、子供や両親のエピソードから、清原氏の人間らしさがよくわかる。
    “考えてみるとバッティングと言うのは人生に似ています。3割で大成功なんだと、そうやって自分が持っている長所に目を向けていられるうちはいいんですが、失敗や失ったものばかりに目を向けるようになると落とし穴にはまるんです。自分の短所を消そうとして完ぺきを求めていくと、そのうちに大切なものを見失ってしまう…。そこが驚くほど人生に似ているんです。”は目に留まった。
    薬物依存症についてはよく言われること。“依存症からの回復において最大の障壁と言われているものがある。「スティグマ=烙印」である。(中略)現在でも依存症に対する負のレッテルとして存在している。誘惑を断ち切れない弱い人間たちという、いわば社会的スティグマである。清原のような知名度がある人間の場合は、自分が属するコミュニティだけでなく、社会全体からそれを受けることになる。薬物を一度でもやったら抜けられない。薬を使えば人生が終わる。そうした恐怖に訴えることによって薬物予防を推進してきた日本ではとくにスティグマが消えていないという。依存症は病気の一種であると言う認識が低いのだ。どうせまたやるはずだ、自分たちとは別の人間だ。”
    大魔神佐々木氏が清原氏との食事を切り上げて、自宅まで送るシーン、感動した。
    清原氏が覚醒剤に溺れなければどうなっていたのだろう。アルコール依存症?
    こういう、その世界一本槍で生き、刺激的な環境で華々しい実績をつくってきた人は、その後の人生の歩み方に難しさを感じる場合がある。業界として何らかのフォローがあればなと感じた。
    覚醒剤は本当に恐ろしい。

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