田舎のポルシェ

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163913551

感想・レビュー・書評

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  • 軽トラ・廃車寸前のボルボ・ロケバス
    ちょっと変わった車と中高年の物語
    派手さはないけどストンと心に落ちる

  • ”田舎のポルシェ“といわれる軽トラック、廃車寸前のボルボ、孫が運転するロケバス、、それぞれの事情を抱えて目的地へと向かう者たちが織りなす味わい深い3篇のロードストーリー。

    ボルボに同乗する、立派な妻を妬む夫だけはなんだかな〜だけど、思わぬトラブルに見舞われながら目的果たす車の旅は思いの外爽快だった。
    なんだか車を運転して遠くに行きたくなりました。

  • 懐かしい北海道の情景。中でも護岸工事がされてない川。川辺林の間をゆったり流れる水、心安らぐ風景にどれだけ癒された事か。車テーマだったんだ。愛車との別れの旅行、考えよう!

  • 昭和を生きた者にとっては、田舎のポルシェの親も、それに反発して生きようとする娘の思いも理解できる。
    ロケバスアリアも古希の主人公の生きた人生や、時代背景、わかるなー。
    なぜだか、懐かしい思いで読み進んだ。

  • 【旅のスリルと人生の滋味がたっぷり詰まったロードノベル作品集】大型台風が迫る中、強面ヤンキーの運転するオンボロ軽トラで東京を目指す女性。波乱だらけの強行軍を描いた表題作ほか全3編収録。

  • 三台それぞれの車を巡るロードトリップストーリー
    車そのものよりも、人間模様があくまで主役。

    表題の軽トラ編が一番ドラマチックだったかな…

  • 「軽トラ」「ボルボ」「ロケバス」とのドライブ3編。行き先もその目的も違うけれど、それぞれの秘めた思いなどが軽いタッチで描かれていく。旅先で見知らぬ人たちとの触れ合いや助け合い、日常と変わった風景。トラブル連発でも人の温かさに触れることのできる作品。

  •  篠田節子「田舎のポルシェ」、2021.4発行。田舎のポルシェ、ボルボ、ロケバスアリアの独立3話。それぞれの車の特性に応じた走行中の話がメインで、篠田さんの構想に拍手。私は「田舎のポルシェ」が一番のお気に入りです!

  • ストーリーのベースとしてクルマがありながら、その内外で繰り広げられる人間模様。3話のオムニバス。各話、選ばれているクルマがなかなか渋い。田舎のポルシェなんて呼び方は知る人ぞ知ることなのでは。それについて語るくだりはなかったと思いますが。個人的には2話目の話がドラマティックで好み。

  • 田舎のポルシェ
    篠田節子

    ∞----------------------∞

    "ロードノベル"というらしい。

    -田舎のポルシェ-
    軽トラがそう呼ばれてるのは知ってる。
    荷物を運んで貰うため、知り合いが紹介してくれた男性と2人で1000kmを軽トラで移動する。その一晩の話なんだけど、初めは互いに見た目や出身地で判断してたのが、最後は打ち解けあってるのが面白い。
    麦を覚醒剤と間違われた件は面白いけど腹ただしいね。

    -ボルボ-
    定年後のおじさん2人、ボルボでの北海道旅行。と思いきや、片方の男性はもう奥さんのストーカーみたいになってて気持ちが悪かった。
    ミーハーで可愛かった奥さんは、実はこの夫が苦手とする才女だったとか言うのは、奥さんのことバカにしてて嫌だと思ったけど、男性って女性を守りたいものなのかな。
    ボルボ、20年も大事に乗ってきたの素晴らしいと思うよ。ボルボの最期が可哀想だけど。

    -ロケバスアリア-
    緊急事態宣言下という背景がある話。
    コンサートホールを貸し切ってオペラのDVD撮影をするおばあちゃん。どんな状況下でもそれを逆に活かせる逞しさって素敵だなぁ。
    ディレクターと悲惨マウント取りみたいな会話になってたけど、おばあちゃんは周りの人には恵まれてる。

    人生色々あるよな、ってしみじみ思ったのと、どれも料理が美味しそうだった。

    2023/04/16 読了 (図書館)

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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