君たちはしかし再び来い

著者 :
  • 文藝春秋
3.75
  • (4)
  • (4)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 103
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163915258

作品紹介・あらすじ

腹が破裂して、緊急手術をすることになった。そこから連鎖するように、わたしのからだに不調が現れる。やがて世界には新型コロナウイルスが蔓延し始めた。
からだの痛みは、苦しみの歴史や数多の物語、宇宙の謎にまでわたしを導いていく。
恐るべき速度で世界が変化する分断と混乱の時代に、あらゆる束縛を小説で超越してきた山下澄人が投げかける、渾身の一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 時々あるやつ。

  • 不愉快とか、こまったなあとかも含めて、なんかわけわかんないけど何かを追体験した。これって小説じゃないとできないことだよなあ。痛いとか、自分のじゃないんだけど。

  • 芥川賞受賞後に2回も大病を患っていたのね…
    S字結腸破裂と胃潰瘍。それに伴って人工肛門設置と撤去手術。しかし作家は転んでもただでは起きないのだった。

  • S字結腸に穴が空いての緊急手術から始まって次々起こる体の不調。猫もまた年老いて同じく開腹手術。書き続けている小説と白鯨や赤毛のアン、アンネの日記等々の文学作品あるいは妄想と過去が現在に浸出してきて、山下氏の頭の中を覗き見るような具合だ。
    そして表紙の絵が作品の雰囲気にぴったりだ。

  • 「わたしがスマホを出してわたしに見せた」
    引っかかって何度も何度もページをめくり戻して何度も何度も読んだ。自分の頭がおかしい?
    こんな調子の文は読んだことがなかったから面白かったけど、作為的なのか?
    とまどいながらもとにかく読み終えた。

  • 何度も時空を立ち戻る文章が好きなので、ドキドキしながら読んだ。中上健次しかり、カズオイシグロの「充たされざる者」しかり。こまかく、視点を変えながら、記す者として正確にその場を表現しようという気持ちが、写実の絵画みたいでワクワクした。同じことを何度も、何度も、何度も書く姿勢が、私は好き。他の本も読んでみようと思った。 90

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1966年、兵庫県生まれ。富良野塾二期生。96年より劇団FICTIONを主宰。2012年『緑のさる』で野間文芸新人賞を、17年『しんせかい』で芥川賞を受賞。その他の著書に『ギッちょん』『砂漠ダンス』『コルバトントリ』『ルンタ』『鳥の会議』『壁抜けの谷』『ほしのこ』がある。

「2020年 『小鳥、来る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山下澄人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×