世襲と経営 サントリー・佐治信忠の信念

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163916217

作品紹介・あらすじ

世界で3兆円に迫る売上高を誇る巨大企業、サントリーは、同時に日本最大の非上場企業、ファミリー企業でもある。2014年、米ビーム社を買収し、文字通りグローバル企業となったサントリーにとって、経営の世襲はプラスか、マイナスか。2001年からグループを率いる総帥、佐治信忠はマスコミにほとんど登場しないことから、日本一ミステリアスな経営者と呼ばれてきた。その佐治が、今回初めて、その信念とプライベートのすべてを語った。
佐治の言葉は明快だ。
・社長は運の強い人間であることが必要。
・大きな夢を掲げないと、社員だってついてこない。
・自分だけが得をすればよいという考えの人がオーナーや社長であったら困る。
・(トップは)苦しいな、しんどいなと思った時も明るく努めないといけない。
現社長の新浪剛史、次期社長最有力候補の鳥井信宏、2人のロングインタビューも所収。

感想・レビュー・書評

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  • やってみなはれの会社、サントリー。

    ここ10年で起こった
    ・ジンビームの巨額買収
    ・一族経営なのにローソンの新浪さんが社長就任
    このあたりの舞台裏が書かれた本です。

    東日本大震災の時にACジャパンの広告一色になった中
    「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」
    のCMを流し続けるよう指揮をした佐治さんの言葉を聞くと
    こういう人が経営者たるべしやなあ、と思います。

  • 健康が一番であること、自分の財産であることを改めて感じ、
    その上で理論的には説明できない運や縁の力によってサントリーがここまで成長してきたのだと知った。
    運や縁をただ何もせず待つのではなく、毎日を一生懸命生き陰徳を積むことが必要であること、
    先が見えない不安な時代でも明るく、未来を作り出していく姿勢を持っていきたいと感じた。

  • 運とか縁とか、人智の超えた、非科学的なものの影響力って本当にあると思う。運の強い会社、素敵だなと。

  • 会社の家族化。とてつもない心理的安全性の獲得方法だな…。
    すごくおもしろい本でした。日本再興は、現代的に王政復古というか、この本の文脈で表現すると『不易』の回復というか、目覚め思い出す的なことが必要だなと思いました。日本企業は、特に昔からある企業は、家族的な組織という表現で違和感はあまり感じないと思われるので。現代的な再発見がこれから相次いでいくのかな、と予感させられました。

  • 現在の業務内容的にサントリーさんと関連することがあり読み始めました。
    「やってみなはれ」という企業イメージの背景。創業家と社員の強い信頼感。特に大きな利益を生み出してもなお、論理的に説明できない信心、隠匿、を大事にする点は私自身もお手本にしていきたいと思いました。サントリーという企業の一ファンとして、今後にも注目していきたいです。

  • 佐治信忠氏や新浪氏への重厚なインタビューを元にサントリーという会社の歴史、特異性、凄さがじわじわと伝わってくる。

  • 創業者の苦悩、社長としての心構えを学ばせてもらった。

  • 世襲と経営、というタイトルの付け方が本書を表すフレーズとしてピッタリと当てはまる。やってみなはれ。背中を押してくれる素敵な言葉。理念に昇華されている。渡り鳥のような働き方がもてはやされる社会。私には合わないと思いつつ、不安にもなるなか、サントリーのような会社であるならば、一社に尽くすことの意義も存在すると自信になる。

  • 佐治会長の人柄が伝わる。誠実に会社と社員に向き合い経営を続けてきたことがよくわかる。世襲により創業家で経営のバトンを渡しながらこれだけの大きさとユニークなカルチャーをもつ企業に育て上げたストーリーはただただすごいと感じた。サントリーは日本が世界に誇る大切な会社だと思う。

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