東南アジア式 「まあいっか」で楽に生きる本

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163916583

作品紹介・あらすじ

この本は、日本がなんだか辛いな、苦しいなと思っている方のための本です。
野本さんはマレーシアに家族で移住して10年。いまは海外教育や海外移住について書いたコラムやラジオ、講演会で大人気です。

一見不便で給与水準も低いのに、楽しそうな人が多いマレーシアという東南アジアの国。この国で学んだ人生を楽しく暮らす方法を紹介します。

野本さんは子どもを産む前、「こうすべき」が多い人間ででした。
ー子どもが引きこもりになったらどうしよう
ー不登校になったらどうしよう
ーいじめられたらどうしよう

と不安でいっぱいでした。「子育ては親の自己責任で」とか「子どもをちゃんと育てられないのなら産むな」と言う人もいて、「そんなの産んでみないとわからないよ。きっついな」と思っていたそうです。そんな中で「嫌なら転校すればいいだけ」というマレーシア人や「子育てはテキトーでいい」とする日本人たちの存在は光明に見えたそうです。マレーシアに住んでみて気づいたのは、世界は自分が思ってるよりさらに広くて多様だということ。日本はかなりユニークで変わった文化だということでした。マレーシアに来て数えきれないほど様ざまな失敗をし、

―ほとんどのことには正解がない
―他人に期待しないと怒らなくて済む
―他人はコントロールできない
—精神のコントロールは自分でする
―白黒つけるのをやめる
―80%くらいの完成度で世の中に出す
―スピードの方が大事
―他人を助けると自分に返ってくる

といったことを現地の人々から教えてもらい、ずいぶん生きやすくなったそうです。
日本人は圧倒的に「ちゃんとしなくては」で苦しんでる人が多すぎる。しかし世界を見ると、そこまで厳しく緻密さや正確さは求められていないのです。海外進出する企業や学校教育の現場において、感情をコントロールすることの大切さをユニークな視点で書いたエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 野本響子@文筆家&編集者・在マレーシア|note
    https://note.com/kyoukn

    『東南アジア式 「まあいっか」で楽に生きる本』野本響子 | 単行本 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916583

  • 日本人は圧倒的に「ちゃんとしなければ」と、いつも完璧を求めて暮らしている。しかし世界をみると、そこまで厳しく緻密さや完璧は求めていない。マレーシアに母子で教育移住して10年の作者が「こんな考え方もありなん」「まあいっか」で暮らしたらいいよと背中を押してくれる一冊。


    少子化問題に置いても、日本の子育て層は、年金・社会保険料の負担が高齢者より高いうえ、子どもまで育てて国に貢献しているのに、児童手当や授業料無償などの恩恵を十分受けることができず、中高所得層ほど追い詰められている「子育て罰」の国だと。


    そして、日本人の完璧を求める性格による、それが裏目に出る「過剰品質の罠」。高品質を求める気質によって、結果素晴らしい機能や耐久性を備えた製品が日本から生まれました。ただ一方消費者が必要とする品質を越えた高価な製品も数多くあり、それでは安価な製品が多い海外市場で太刀打ちできなくなってしまった、えらいこっちゃ。


    マレーシア風で言うと、ものごとにはすべて正解などないことに気づくと、いちいち優劣でものを考えることが減り、他人を批判、ジャッジすることもなくなります。「他人を放っておく」「まぁいっか」の気持ちが新たな人間関係を生む。
    これってマレーシア人と日本人ではなく、もっと身近にあります、嫁さんと私、まさにこうあらねばとずっと思いつうけていたんですが、そうです、「嫁さんはマレーシアの人」と思って接すること。そうすれば、イライラも減り、「なんとなく幸せに」なれて、楽に生きれたらいいと思える本でおます。

  • 面白い本だった。

    作者の「多様性は相手を理解すること」ではなく「理解はできないけど、そのままに放っておく。口を出さない。」ことに共感して出来た。

    仕事において最初から100%を目指さず、足りない部分はアップデートしていくというやり方は仕事に取り入れたい。

    Mind your own business(自分のことに集中せよ)

  • ●感想
    筆者の考えに同意はするが、日本人は「まあいっか」国民にはなれないだろう。なれないのもいい面があるので、TPOで「まあいっか」を使える人が増えるのが理想的と思う

    #「まあいっか」で楽に生きる本
    #野本響子
    23/2/6出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読了

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    ●なぜ読んだか
    筆者の考えに同意はするが、日本人が「まあいっか」国民が多数になることはないだろう。それもいい面があると思うので、TPOに応じて「まあいっか」を使える国民性になれるのが理想かな。

    #「まあいっか」で楽に生きる本
    #野本響子
    23/2/6出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
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  • はじめは、教育の本と思いましたが、生き方全般の話です。良かったですよ。

  • 学校から離脱し、ホームエデュケーションを実践している身としては、とても心強い内容の本だった。
    世界とのズレを少しでも知ることで、未来に対する見方や、自分のこれからの生きる姿勢に影響を与えることは間違いない。

    日本という国を俯瞰して見るとても良い機会になるので、教育に興味がある方もない方も、読んでみて損はない1冊だと思う!

  • 日本とマレーシアや海外の教育の違いに驚いた。日本人だけのコミュニティ内で教育や議論をしても日本の枠から出ることはできない。確かに!
    日本のきっちりしたところやホスピタリティなど良いとは思うけど、そこを追求すれば海外から日本に来て働きたいと思う人はいないかも。
    日本の良さは残しつつ海外の良さも取り入れて、まあいっかの精神でゆるく楽な社会になってくれると良いな!

  • 日本をメタ認知できる良書。

  • ゴム時間風船関係

  • 東南アジアと日本を対比的に書いている。
    日本の良さもあるが、もう少し正解の幅を持たせて気持ちを楽にして生きようよ!という筆者の思いが伝わってくる。
    日本での生きづらさのようなものの正体が他国との比較によって見えてくるのが面白い。

    以下メモ

    mind your own business

    論破しない
    正解はひとつじゃない
    意見を押し付けない
    お互いに深い理解に辿り着くのが大事
    自分と違う意見を認める オープンマインド!
    白黒 グレー
    知ることの難しさ 物事の単純化
    ジャッジメンタルになるな 自分を許せるようになる
    他人をジャッジした時、あなたが定義しているのは他人ではなく、自分自身である
    気に入らない他人を放っておくのも多様性を認め合う社会を生きる上での知恵
    不機嫌な人は感情のコントロールができない人
    ダメ出し文化 答えはひとつという教育を受けて大人になるから

    ちゃんと!きちんと!笑顔で!型が多すぎる
    人間の良い面しか見せないのは怖い
    無理して笑わなくてもいい

    一流大学を出た人は無意味な何かに耐えることができる人

    謝罪の文化。反省してるフリは相手を満足させるだけ。本人が問題を起こしてしまった理由と向き合う機会を奪っている。刑務所に入っている人の共通点は反省文をたくさん書いていること…。

    エクスクルーシブな社会
    特権や他者との違いへの意識、差別
    自尊心が外部依存になる
    他者との比較で価値が決まるから協力的になれず、不親切になる

    これから育みたい4C「コミュニケーション」「コラボレーション」「クリティカルシンキング」「クリエイティビティ」
    クリティカルシンキング
    理由を述べること

    相手の背景に想像力が広がると、常識・礼儀を押し付ける暴力性に気づく
    (教育を受けているか、賃金は?、文化が違うのかも…)

    そもそも客とサービス提供側は対等
    リスペクトのない顧客は切られる

    100点の仕事などない
    とりあえず形にして世の中に出すという考えもある

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