- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163918174
感想・レビュー・書評
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小林聡美さんの最新エッセイ集。2021年頃のコロナ禍から現在までの間に書かれたもの。小林さんと言えば、映画『かもめ食堂』主人公のサチエさん。役ではあるが、何となくご本人の落ち着いた雰囲気が被る。50代半ばからアラ還と呼べる年齢までの期間の日常生活が綴られているが、ピアノを始めた話や、色々な友人や猫や植物の話、仕事、趣味や旅の話など、彩り豊かな生活の様々な話が楽しめた。心に余裕のない時は普段の生活の中に数多ある感謝すべきことも忘れがちになる。それでもやはり日常に感謝しながら楽しく過ごすことが幸せなのだろうな、と小林さんの日常のあれこれの話を読んで実感した。
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図書館に早くから予約しておいたので、早目に借りられた。ありがたい。
私が読む小林聡美さんのエッセイ7冊目。
今までに読んだエッセイで弟さんがいらっしゃることはなんとなく覚えていたが、本書ではお姉さんもいらしたのか!と初めて知った。
とにかく本書はすごく良かった。 -
好きな有名人、というのがほとんどいない私なのですが、そんな私がついエッセイを手に取ってしまうのが歌人の穂村弘さんと女優の小林聡美さんです。
以前読んだ小林さんの『聡乃学習』が面白く、もっと最近書かれたものを読みたいと思った矢先に出版されたのがこの『茶柱の立つところ』。久々に単行本を購入してしまいました。
私が小林聡美さんの演技を初めて拝見したのは、映画『かもめ食堂』でのこと。同じだという方も、きっと多いのではないでしょうか?
フィンランドで女一人食堂を営む「サチエさん」を演じていた小林さん。その自然体の姿が非常に印象的で、映画も何度となく見返しています。
エッセイを読んで驚くのは、まるで「サチエさん」がそのまま画面から出てきたようなお人柄であること。
五十代半ばを迎えられて、いろいろと制約も増えてくる中で(しかもコロナ禍真っ只中)、新しいことへのチャレンジは忘れないけれども、あくまで無理せずに変化を受け入れて流れていく。そんな生活が淡々と、それでいて可笑しみをもって綴られています。
これから先自分も年を重ねていくうえで、理想や目標としたい人、あるいは「この人のこの部分は真似したい」というところが、少しずつ見えてきました。
そんな理想の先輩方の中で、小林さんの生き方もそのうちの一つ。
折に触れ、また読み直したいエッセイでした。 -
まずは文章が好き。
何気ない日常生活がなんだか楽しそうに感じるので、自分の日常生活に置き換えてみると自分の生活に彩りが加えられそうな気がする。 -
いつの間にか周りに流され、生き急いでいる自分をどーどーと落ち着かせ、振り返えらせてくれるお話が沢山ありました。「たっぷり生きる」いい言葉だなぁ。
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小林聡美さんは来年60歳になります。
私の中では「個性派女優」です。
「エスカレーターで空いている方に立つ」
そこは彼女らしいと思った!
私には絶対できない、正しいと思っても。
でもそれ以外は、だいたい普通の方だなと思いました。
もっとおかしなことがたくさん書かれているかと思いました。
(スミマセン)
すごく共感したのは、
50代からピアノを始めたというところで
〈物事には成長曲線というのがあるそうだ。
努力と成長は比例関係ではなく、
積み重ねてきた努力が、
急激に上達する地点があるというのだ。
その地点に到達するまでは、
上達の度合いもぼんやりモヤモヤしているけれど、
じりじりと引いた弓から矢がすぱーんと放たれるように、
ある時突然に上達を実感できるらしい。
その矢はもちろんギリギリまで引いた方が
力強く遠くへ飛ぶ。
だが多くの人は、もうすぐ矢が放たれるという直前で
心が折れてしまうとか。
放たれる直前が一番の踏ん張り時なのだ。
かけた時間と努力の度合いによって、
弓を引く力加減はまちまちだろうし、
放った瞬間もそれぞれに違うだろう。
でもいつか必ずその矢が放たれる時が来るのだろうと〉
本当に、手前でやめてしまう人がなんと多いこと。
私はあきらめません。
そして最後のエッセイに
〈忘れていることがたくさんある。
忘れたいこともたくさんある。
ただ、ひと知れず傷つけてしまったたくさんの人たちに、
ごめんなさい、といいたい〉
小林聡美さんでも思うんだ
そんなこと。
(再びスミマセン) -
小林聡美さんのエッセイ。
読むのを楽しみにしていました。
日々の事だけど、わかるわーと思うこともあり
なるほどーと思うこともあり
ちょっと勇気をもらったり…と楽しく読めました。
ピアノを習っていることも凄いなーと。
憧れのストピ、私も憧れです。 -
毎回楽しみにしているエッセイ。静かだけど、自分らしく暮らしている様子に憧れる。。