鮨屋の人間力 (文春新書 601)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606016

感想・レビュー・書評

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  • 先日行った、四ツ谷 すし匠の店主の本。また近々行きたい。

  • 場数、人間関係、緊張感といった人間味があるのが鮨屋だ。
    ファミレスその他飲食業ではすっかり消えつつある光景だろう。
    職人と客で合う合わないもあって当然。
    ただ、互いに相手を慮って気遣えれば、客と職人に良い関係が生まれる。
    結局当たり前のことを言っているだけなのだが、
    当たり前のことが出来ない人も大勢いるということなのだろう。

    職人にとって張り合いのあるのは、鮨を食べに来るお客さんなのだそうだ。
    接待や、飲みに来るお客様ではない。
    親方の文章は、簡潔で面白く、まるで店で接客されているようだ。

    今まで、職人さんと上手に会話出来るか不安でちょっと怖気づいていたが、
    この本を読んで、少し敷居が下がった気がする。
    あとはお金の問題ですな。
    四谷「すし匠」:ランチ(ばらちらし)1,500円、夜15,000円~。
    手始めにランチからご馳走に行こうっと。

    やんちゃで高校中退して、
    「前略おふくろ様」の、白衣に角刈りの職人に憧れて、
    遊び半分に料理の世界に入った15歳の少年が、
    全国渡り歩いた20軒。

    30にして自分の店を持ち、更に鮨道を邁進。
    四谷・名店「すし匠 はな屋与兵衛」主人 中澤親方が、
    自分の来し方を、走り続けた30年間を振り返る。

    そこには、ひたすらにただ、ひたすらに鮨道を追求した半生と、
    熱くがむしゃらな親方の姿があった。

    鮨屋は「さらし」の商売と中澤親方はいう。
    鮨職人はお客さんの目の前で握り、接客もしながら、弟子も教育する。
    板に立てばいつも一生懸命な親方の姿が浮かんでくる。

    だから「鮨屋は人間力」だと言う。
    親方は本書の最後でも、
    自分を支えてくれる弟子、お客様、魚河岸、そして家族と
    これからもいいキャッチボールをしながら、
    人間力を高めていきたいと締め括る。

  • 「さらし」の商売。自分の仕事もそうだと思うと、気持ち引き締まりますね。

  • 完全ないろもの。自身の半生について述べているが、私の履歴書の方が数倍まし

  • お寿司屋さんの何がすきって見えるところで調理?仕上げをしてくれて出してくれる。
    そしてそれを食べて直接「おいし~~」とにやけられるところ。

    お店によって受け止められ方が違ったりするけど。

    そうやって本当に自分の好きなお店を見つけて行きたい。
    決して愛想がいい店がいいってわけじゃなくって、
    出す寿司はもちろんや粋な配慮、常連さんが出すお店全体の空気、そして料金。
    それらのクオリティはほとんど比例してそのお店のバランスになって、いろんな人の一人一人の居心地のよさにつながっているんじゃないかな。
    しかも、ほとんどのお店では 作り手がすべて背負う!
    そういうお店って(ジャンル)おすし屋さんくらいではないのだろうか・・。

  • おそらく本人が書いたものではないだろう読みやすい
    タッチで3時間足らずで読破。20の鮨屋を転々としたが、
    いずれも役に立つ人と交わってきたと考える超前向きな姿勢。
    鮨屋は値段があってないようなミステリアスな方がいいとは、鮨屋の考え。

  • タイトルに惹かれて読んでみたのですが、正直なところ期待外れ、でした。
    もっと職人としての考え方やカウンター越しの人間関係について深く触れられているのかと期待していたのですが、実際の内容は著者(鮨職人)の半生をおおざっぱに振り返ってみました・・・という感じで、鮨や鮨屋特有の内容に深く踏み込んでいる訳でもなく、通り一遍のありきたりの内容に終始しています。
    この内容であれば、特に「鮨屋の・・・」という冠は必要なく、懸命に・真摯に仕事に向き合っている多くの普通の人たちであれば誰でも経験する半生、といった印象でした。
    なぜ本として出版されたのでしょうか・・・!?

  • 著者は東京・四谷「すし匠」の主人。私がときどき行く近所の店と同じ名前だ。近所の匠は、大将の相棒の職人さんが最近やめて、新人がカウンターに立っていたが、まだまだ先行きが心配。こちらの気持ちの問題もあるのか、なんだか勢いががなく、味が変わったようにも感じた。こうして、たまたま鮨屋に人間の問題は大事だということを、身をもって感じていたところだった。

    プロローグの題は「鮨屋とは「さらし」の商売である」。「自分自身の身をさらけ出して人に接する「さらし」。」たしかに出前もあるしどこでも買えるのに、わざわざ鮨屋に行くのは、もちろんおいしいからだが、あの雰囲気もある。職人さんが顔を覚えてくれて、会話がはずんだり、特別なものを出してくれたりするとうれしい。客が店の贔屓客になると職人からひいきしてもらえる。

    だが、いいことばかりではない。客がなにか気に入らないことがあって、怒られることもあるという。著者は「怒られるのも財産」で、怒られたトラブルの後、「「いらっしゃいと威勢良く迎えるだけが粋ではない、常にお客様とふれ合い、感謝を忘れてはならないということを学んだ」そうだ。また店の雰囲気をこわしたり、わがままを言ったりする客もいる。店は客を選べないが、「うちはこういうスタイルの店だよということをお客さんに提示して、そのお客様に気に入ってもらったり、逆に気に入ってもらわないようにするしかない」。じかに交わす会話の力、コミュニケーション力が落ちているといわれる今、一番鍛えられるところの一つは鮨屋のカウンター内かもしれない。

    最後の章「鮨を守る」に「対面して、キャッチボールをしながら食べるのが鮨なんだ、誰だかわからない人のために作るのではなく、顔色を見て、その人のために作るオーダーメイドこそ鮨なんだ」とあるが、鮨を食べ物というだけでなく文化たらしめるものがこれなのかもしれない。外国でも鮨は人気だ。実際に、米国オハイオ州のスーパーでは黒髪の人が透明ブースの中で握って、「さらし」風にはしていた。だが、スーパーで握るというのがそもそも違うと思った。そういう意味では回転ずしも、この著者の守りたい鮨とは違うわけだ。

    情報化社会の前の時代には「鮨屋は地元の人が地元で食べるもの」だったが、食の情報やランキングなどがあふれる今でも板前は「自分が一番」と思い、客は「ここが一番と思ってやってきてくれればそれでいい」という。近所の匠にまた行って、「店から「気」がなくなって」いかないようにしてもらおう。

  • 鮨屋に限らず、仕事をする上で、共通する要素の重要性をご自身の修行を通して書かれた本で、さらっと読めて、ふむふむと納得できる内容です。

    悪い本ではありませんが。。
    図書館で借りて読みましたが、もし自分でお金を払ってこれで700円かと思うと、うーん。文藝春秋の編集者の行きつけの店なのかしら?
    うがった見方をしてしまいました。思わず。

  • おすし屋さんというと、不明朗会計・あまりうまくないが高い金を請求されるなど、あまりいい印象はない。この本は、鮨屋店主の著者からみた鮨屋の本音をかたった本。私自身は冒頭記載したとおりの印象だったので、半ば批判的に呼んだ。全体の印象としては、やはりどの職業も本分があり、鮨というものをどのようにうまく提供するかをすごくまじめに考えられている。こういった店であれば、おいしく鮨が食べられるのではないかと思う。ただ、いい加減な会計が少しあってもいいじゃないかという考え方と、きちんとした鮨屋の形には、共感できない。もともと鮨はカウンターで立ち食いがはじまり。ちょっと小腹を満たすたべものだったのをわすれないでほしい。

  • 四谷「すし匠」の親方の自伝・思うこと

  • 鮨職人からみた同業者や客を通じて感じた人間の性格について書かれている。
    いい客と悪い客の違い、鮨屋としての仕事に対しての考え方など、自分の経験をもとにして書かれているのだが、結局その次への発展がない。

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