- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166609901
作品紹介・あらすじ
人類1万年の友の秘密を私たちはまだ知らない。 ねこ(の原種)と人類が出会って、およそ1万年。 媚びない、群れない、焦らない……。 自由きままに生きているように見えますが、私たちはねこのことをまだあまりよく知らないのではないでしょうか。 どんな一生を送るのか。 どんな喜怒哀楽に身を任せているのか。 どんな恋をするのか。 なぜ魅力的なのか。 そんな数々の疑問にネコ博士の山根明弘さんが答えてくれます。 山根さんは7年間にわたるフィールドワークによって、ねこの生態を探究した動物学者です。 生態学や遺伝学の見地から「ねこの生き方」が科学的に解き明かされていきます。
感想・レビュー・書評
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むかし猫と一緒に生活していましたが、本書を読んで「ある、ある」とうなずく部分と、「へーそうなんだ」と新しく得られた知識もありました。いつも我々の生活の近くにいた猫ですが、学問的調査としてのノラ猫生態調査の中から、現代社会が変化してきた結果の猫と人間の課題まで、扱う視点は広がっていきます。
よいことなのか悪い事なのか分からないが、子供のころ町中で普通に見かけていたノラ猫も、今いる地域ではほとんど見かけない。丁度今頃の寒い時期、発情期の雄たちの戦いはそれはすごい声だったのだけれど。家にいた猫(彼)も、冬の寒い時期になると「オーアー」と鳴きながら外で戦い、ぼろぼろになって家に戻り力尽き、じっと傷を癒していました。
人間と猫の関係は古く1万年以上も前に遡り、穀物を荒らすネズミを捕食する猫と人間の利害の一致から、家畜としての猫が作りだされた。あくまでも自由で個体で暮らす猫は、人に必要以上に媚びず独立している。しなやかで優美な体つき、俊敏な動きに魅力されてしまう。
それにしても「猫の集会」の意味は今でも分かっていないとは知らなかった。何回か遭遇したことはあるが、じっとただ集まっているだけで何をするでもない猫集会。やはり猫はミステリアスな魅力を残します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ノラネコロジーとは<野良猫+エコロジー>のことだそうで、玄界灘の島に渡って200匹の野良猫を7年間も観察を続けたネコ博士が開発した学問の新ジャンルである。センスの良さはこの命名を見れば一目瞭然、ブリジット・バルドー全盛期の頃のフランス映画のような話や同性愛に走る猫の実例等々、じつにおもしろい。
それにしても野良猫の子猫で1歳まで生きていられるのは五匹に一匹、平均寿命は飼い猫の3分の1の5年前後というのは驚くばかりである。野良猫はサバイバルの達人なのだから、プライドも見識も高くて当り前とあらためて知った。 -
普段触れ合うことのない野良猫の生態を知れてすごく面白かったです。
猫を昔から飼ってて、この行動にはそんな意味があったのかーとか読んでてもっと猫のこと知りたくなりました
現代社会の猫の在り方もすごく考えさせられて、どうにかならないかな、自分に何かできることはあるのかなとも思いました。
とにかく猫の魅力を言語化してくれてるこの本すごく好きです -
ただかわいいだけじゃない、猫の魅力あふれる一冊。一番ページが割かれている、「恋と青春」はドラマチックで読み応えたっぷり。
この本を読むと、なぜ現代では猫は不妊手術を受けなければならないのか、安易な餌やりがよくないことなのかが、猫の生態と人の暮らしの変化からよくわかる。猫に関わる人は一読をお勧めする。
見た目も性質も、1万年変わらない「ねこ」が、「ひと」とともにずっと幸せに暮らせますように。 -
「ねこ」の魅力の秘密が、筆者の7年間の相の島でのフィールドワークを踏まえて記述されている。
なぜ人はねこに惹かれるのかという疑問を、ねこの歴史や生態から紐解いているので、ねこをもっと好きになることができる一冊。 -
978-4-16-660990-1 236p 2014.9.20 1刷
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ねこは美しく、しなやかで、俊敏で、気まぐれで、気高く、神秘的。その魅力はいったいどこから来るのでしょうか? そして、どんな一生を送っているのでしょうか? 知られざるねこの生態を動物学者が解き明かします。
猫の島多く棲む島「相島」に住み込んでねこの生態を7年間にわたって研究した著者の執念には感服する。ノラネコの発情期にメスをめぐるオス同士の激しい争いで、大抵は身体の大きい方が勝つけれど、自分の縄張りの外へ遠征するとアウェイせいか小さいオスにも負ける、というのは興味深かった。
(B) -
2018/03/30 17:28:39
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猫ってふしぎ
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相島のネコを長年研究した山根氏の著作。
島民と共存する野良猫たちの生態を詳しく綴っています。
ネコ可愛いな視点ではなく、
動物としてのネコの生き様がよくわかります。
動物の生態学の記述が多く、かなり読み応えがありました。