自動車会社が消える日 (文春新書 1147)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611478

作品紹介・あらすじ

いま自動車産業では100年に一度のパラダイムシフトが進んでいる!生き残る会社はどこだ?クルマの「スマホ化」が進み、EV(電気自動車)、自動運転車の開発にはIT企業や新興企業が相次いで参入。技術力をつけた巨大部品メーカーも台頭している。トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、VWは、この大変革にどう立ち向かうのか。〈第1章 スマホ化するクルマ〉「鉄の塊」ではなく「ソフトウェアの塊」となったクルマ。海外ではプラットフォームの座をめぐる争いが始まっている。〈第2章 バーチャル・エンジニアリングという脅威〉ユーザーには見えない開発・製造プロセスもデジタル化で変わり、日本の強みである「匠の技」が弱点に?〈第3章 合従連衡 2000万台の攻防〉開発コストの増大にともない中途半端な規模のメーカーは厳しい。スケールメリットと新技術を目当てに世界ではM&Aが加速する。〈第4章 トヨタ自動車 巨人の憂鬱〉環境の変化に合わせて先端事業の強化、系列再編、異業種との提携など矢継ぎ早に手を打つが……。「トヨタの敵はトヨタ」なのか。〈第5章 VW 史上最大の改革〉ディーゼル不正問題を機に改革へ乗り出した日本車の最強ライバル。社内では「我々が車を作る必要性があるのか」という議論が。〈第6章 日産 ゴーンが抱く世界一という野望〉ひと足はやくEV戦略を展開し、三菱自の買収を皮切りにM&Aにも意欲的。その活力を探ると「ダイバーシティ」に行きあたった。〈第7章 ホンダ ソフトバンクに刺激されるDNA〉迫りくる「規模の危機」を前に、自前主義を捨ててオープンイノベーション戦略を打ち出した。創業者が持っていた起業家スピリッツは蘇るか。〈第8章 マツダ 危機こそが革新を生む〉いち早く最先端の手法を導入して経営危機から復活。そのプロセスには日本の製造業が学ぶべきテーマが詰まっている。

感想・レビュー・書評

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  • 自動車のコンピューター化が進んでいる。これによって、開発・製造・販売の各フェーズが以前とは全く異なるものとなる。例えば世界ではコンピューター上のシミュレーションによる開発が当たり前になっており、実物の車を使ってシミュレーションする時代は過去の話となっている。ただ、日本はそうした変化への対応が遅れている。日本の自動車メーカーは製造の技術が非常に優れているため、開発で少々コケても取り返せる。それゆえに効率的な開発手法を取り入れることに消極的なのではないかというのが筆者の見立て。
    また、自動車のコンピューター化には莫大な投資が必要であり、それを回収するには収益を増やさなければならない。したがって、各国で自動車メーカーの合従連衡が進んでいることを筆者は説明する。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689780

  • ふむ

  • 「自動車がスマホのようにコンピュータ化する」というのが言われて久しいが、それによって日本の経済界ひいては我々の生活がどのように変わってしまうのか、それを広く知るために著者が取材を重ねて出来上がった本。
    いつから読みたいと思ってたか既に忘れてしまったが、図書館に無く、ついに購入してしまった。

    いわゆる"中の人"的に関わっていた私から見ても、取材先の幅広さに感服する。トヨタ日産に留まらず、外資系の情報はもちろん、それによる世界市場を知ることができた。
    日本経済としては耳の痛い話。今後の大きな変革を注視していきたい。

  • 2017年概要
    完成車メーカー現状
    ルール作り

  • 現在の自動車業界の状況を考察した本。自動車がスマホ化していると言う。果たして日本の自動車会社は生き残れるのかがテーマで、現在の状況をよく分析し考察している。
    車の電子化の広がりで脱落するメーカーもあると思うけれど、いくら電子化が進んでも、車の基本機能「走る曲がる止まる」のノウハウは最低限必要なものであり、本体の製造を担う会社が消えることは無いと思う。会社は時代の要請に応えて、事業を多角化したり提携したり変化させていくので、自動車だけの話で全てを語るのはどうかと思った。

  • 車をもって居ない(持てない)オレは勝ち組・超勝ち組

  • 自動車業界についての論評の多い著者による日本の自動車産業に関する考察本
    日本の自動車産業のうち「トヨタ」「ホンダ」「日産」「マツダ」とドイツの「VW」に着目し、今現在自動車産業に起こっているクルマの「スマホ化」と「ロボット化」にどのように対応していくのかという点を語っている

    簡単にまとめると
    ・自動車産業は自動運転や電気自動車等で今多くの他業種が参入してきている
    ・これまでのものづくりだけではだめかも?
    ・日本のトヨタ・日産・ホンダ・マツダはどのように対応しているのか
    ・経営者に着目して今後どのように改革していくのか
    ということについて書かれている

    結局は、それぞれ他業種と連携し、各社の持ち味を活かしつつ、消えることはなさそうで、ちょっとタイトルは大げさな気もする
    まあ、モノづくりよりも仕組みづくりが必要になるという点では、なかなか興味深い内容でした

  • 少なからず、自動車産業にも大きな波は来るよね。

  • 刺激的なタイトルだが、筆者の日本車メーカーへの期待が込められている。
    ただ、個人的には日本車メーカーの未来は悲観的。
    それほど、CASEは従来の車の概念を変えると思う。
    ついていけるかどうか。

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著者プロフィール

経済ジャーナリスト。
1964年生まれ。1988年九州大卒。NECを経て1992年朝日新聞社に入社。経済部で自動車や電機産業などを担当。2004年に独立。現在は主に企業経営や農業経営を取材し、講談社や文藝春秋、東洋経済新報社などの各種媒体で執筆するほか、講演活動も行っている。
主な著書に『自動車会社が消える日』『日産vs.ゴーン』(以上、文春新書)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『トヨタ愚直なる人づくり』(ダイヤモンド社)などがある。

「2021年 『サイバースパイが日本を破壊する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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