日本プラモデル六〇年史 (文春新書 1197)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611973

作品紹介・あらすじ

日本でプラモデルが誕生してから、今年(2018年)でちょうど60年。プラモデルも還暦を迎えたことになります。 ということは、ほとんどすべての日本男子は、プラモデルの影響下で育ったことになるのです。 50代なら、喫水線のところまでしかない「ウォーターライン」シリーズを夢中で作ったでしょうし、少し下の世代なら、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)にはまった人も多いでしょう。さらに下なら、ガレキ(ガレージキット)という言葉もご存知かもしれません。 この素晴しきプラモデルの誕生から現在までを、産業史、文化史の側面から編年体で丁寧に解説したのが本書です。 登場するプラモデルはすべて代表的な写真を掲載。「あ~! これ作ったことがある!」という叫びがあちこちであがること請け合い。 プラモデル界のレジェンド、タミヤの田宮俊作会長の特別ロング・インタビューも付いています。 ちなみに、「ウォーターライン」シリーズはどこのメーカーの商品か知っていますか? 周囲に聞くと、「タミヤでしょ?」「いや、アオシマでしょ?」と答えがまちまち。じつは、このシリーズは静岡に本社を置く、プラモデルメーカー4社が合同で発売したシリーズ。もともと、連合艦隊をプラモデルで再現して、並べて楽しむという目的で作られたのですが、数百隻ある連合艦隊を1社で金型から作るのは企業体力からして無理。そこで4社がそれぞれ人気艦艇を分け合って、同じ縮尺で作って発売したのです。この協業の精神が、今日まで続く息の長いシリーズを生みました。 プラモデルのすべてが詰まったおもちゃ箱をお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • 日本プラモデル通史。Amazonコメントによると、誤りも多いらしい。
    「田宮模型の仕事」等に比べると内容が薄い。

  • プラモデルは登録商標だった。タミヤの画期。ホビージャパンの創刊。ガンプラ。海洋堂のガレージキット。ミニ四駆。美少女系フィギュア、食玩。静岡は模型の世界首都。

  • 2018年は、プラモデルの還暦の年とのこと。(ちなみに同じ年、チキンラーメンも還暦…だからNHKの朝ドラは安藤百福一家が選ばれた?)インスタントラーメンの60年が、一億人の国民生活史であるのに対して、プラモデルの60年は少年たちの熱狂史なのでありました。たぶん、決して、朝ドラになっても視聴率は取れないと思いますが、それでも社会の動きとシンクロした激動の産業興亡史なのでもありました。インスタントラーメン史においては、日清食品が正当な王朝としてこれからも君臨していくと思いますが、プラモデル史においては、もちろん田宮が圧倒的存在感を放ってはいつつも群雄割拠なメーカーが入り乱れ、戦いながら、また協調しあいながら、少年の夢という市場を開拓していくのです。なにしろプラモデルという言葉が初めて発売したマルサンの登録商標で、しかもマルサン、早々と倒産してしまって、その買収先によって一般名詞として解放されたとか、歴史のディテール満載です。市場創造ということでいうと、コロコロコミックとミニ四駆のメディアミックスは、よく語られていましたが、そもそもプラモデル発売の翌年、創刊された「少年マガジン」「少年サンデー」などの少年誌との共生関係にあったのです。後発誌「少年キング」と「ゼロ戦はやと」とか、記憶のかさぶた、剥がれました。戦艦、戦車、ゴジラ、サンダーバード、スロットレーシング、スーパーカー、ヤマト、ガンプラ、ミニ四駆、海洋堂などのガレージキット、ミリタリー萌え、ひとときも留まることのないイノベーションの連続で「静岡は模型の世界首都」へ。しかし、この先、少子化の中で、少年たちの夢は、どこに向かうのか?少年たちの見る夢も。モノからコトへ移るのだとしたら、プラモデルの見せる夢も所有から体験、ということになるのでしょうか?

  • 日本のプラモデル歴史がコンパクトにまとまっています。懐かしい…次はコンポ、ラジカセ、屋台、日本の風景、族車などに焦点を絞った本も見てみたいですね。

  • 国産プラモデル誕生から60年経った現在(2018年)までを解説した書籍(2018/12発行、950E)。

    面白い本だ思いました。 只、本書もそうですが、この手の他の本でよく書かれているような気がする(?)ミニ四駆、これもプラモデルなのでしょうか?
    これを含めるのであれば、ラジコンやドローンもプラモデルに分類される気がします。 タミヤから発売されているので、プラモデルに分類されているのでしょうか...

  • 【あ! これ作ったことあるぞ!】ウォーターライン、ガンプラ、ミニ四駆、ガレージキット…豊富な写真で振り返る、皆がハマった憧れのプラモデルの誕生から現在まで。

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著者プロフィール

1916年京都市に生まれる。1939年東京大学経済学部卒業、55年経済学博士。福島高商、福島大学教授を経て、1955年から立教大学教授、大東文化大学教授。立教大学・福島大学名誉教授。著書に『小林昇経済学史著作集』(11巻、未来社、76-89年)など多数。1992年以後、日本学士院会員。

「2002年 『山までの街』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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