- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166612710
作品紹介・あらすじ
新型コロナウイルスが国境を越えて感染を拡大させる中、現代最高峰の知性6人に緊急インタビューを行い、世界と日本の行く末について問うた。このパンデミックは人類の歴史にどんな影響を及ぼすのか?これから我々はどんな未来に立ち向かうのか?世界史的・文明論的な観点から、冷静かつ大胆に2020年代を予測する。[主な内容]・ジャレド・ダイアモンド「21世紀は中国の時代にはならない」(カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学教授。著書『銃・病原菌・鉄』)・マックス・テグマーク「AIで人類はもっとレジリエントになれる」(マサチューセッツ工科大学教授。著書『LIFE3.0 人工知能時代に人間であるということ』)・リンダ・グラットン「ロックダウンが日本人の新しい働き方を生んだ」(ロンドン・ビジネススクール教授。著書『ライフシフト 100年時代の人生戦略』)・スティーブン・ピンカー「人間の認知バイアスが感染症対策を遅らせてしまった」(ハーバード大学心理学教授。著書『21世紀の啓蒙 理性、科学、ヒューマニズム、進歩』)・スコット・ギャロウェイ「パンデミックでGAFAはますます強大になっていく」(ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。著書『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』)・ポール・クルーグマン「経済は人工的な昏睡状態。景気回復はスウッシュ型になる」(ノーベル経済学賞受賞者。著書『格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略』)
感想・レビュー・書評
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タイトルから、コロナによって世界がどう変わるか書いてあるのかと思いましたが、コロナだけでなく、各インタビュアーの専門分野の世界がどうなっていくのか、簡単に要点が述べられていました。
一番心に残ったのはジャレド・ダイアモンド氏が「危機を乗り越えるために最も効果的なことは、まともな政治のために投票に行くことである」と述べられていたことです。
今ほど政治家の手腕の重要性が問われる時代もそう多くないと思います。
以下、要点をまとめました。
第1章 独裁国家はパンデミックに強いのか
ジャレド・ダイアモンド(82)
『銃・病原菌・鉄』著者
●方策の第一は私たちが家にいること。
(集団免疫を獲得するべきだという考え方もある)
●21世紀が中国の世紀になることはない。
●危機を乗り越えるためにできる最も効果的なことは、まともな政治の投票に行くことである。
第2章 AIで人類はレジエントになれる
マックス・テグマーク(53)
マサチューセッツ工科大学教授
●パンデミックと戦うことは情報戦。
AGIは、完成すれば人類の歴史上もっとも影響が強いテクノロジー。
●AGIの一回のエラーが「人類の終焉」を引き起こすこともあり得るし、AGIを手に入れた独裁者が地球のすべてをコントロールするために使うことも考えられる。
第3章 ロックダウンで生まれた新しい働き方
リンダ・グラットン(65)
ロンドンビジネススワーク教授
『ワーク・シフト』『ライフ・シフト』著者
●「働き方改革」を成し遂げる絶好の機会を得た。
●「healthy aging」(健康を保ちつつ歳を重ねることの重要性)
●「年寄り」と言っていいのは80歳以上。
●日本は世界各国と比べて「健康寿命」が非常に長い。
●テクノロジーが発達した未来では、我々の仕事により、”人間らしい力”が求められている(共感力、創造力、理解力、交渉力、英語力)
第4章 認知バイアスが感染症対策を遅らせた
スティーブン・ピンカー(65)
ハーバード大学心理学教授・進化心理学
『暴力の人類史』『21世紀の啓蒙』著者
●原発やAIよりも懸念すべきは核兵器。
我々は格差よりも「アンフェアネス(機会の不公平性)」に重点を置くべき。
第5章 新型コロナで強力になったGAFA
スコット・ギャロウェイ(55)
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授
『the four GAFA』著者
●GAFAの中で最も生き残る可能性のあるのはアマゾン。
●今回(コロナ禍での)最大の驚きは二流大学の混乱。
●GAFAは何十億人もの生活の価値を高めていますが、彼らの目的はがんの撲滅や貧困の根絶ではなくつまるところ金儲け。
第6章 景気回復はスウッシュ型になる
ポール・クルーグマン(67)
経済学者
●これから感染症対策が問題となっていくのは、地方の貧しい地域。経済を回すことを優先させることよりも、まずは感染症対策の最前線にいる医療機関と経済的シャットダウンで打撃を受けている人たちをサポートすべき。
●日本経済にとって最大の懸念材料だったのは、2019年10月の消費税引き上げ。
●パンデミックで最も大きなダメージを受けたのはアメリカ。トランプ大統領の再選によりアメリカは格差拡大。民主主義の危惧。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても読みやすく示唆に富んだ本。
特に心に残った部分は、スコット・ギャロウェイ氏が新型コロナウイルス感染症の経済への影響について、「変化の担い手」ではなく「促進剤」と述べていたこと。つまり、コロナが経済を変化させたのではなく、コロナがなくても必然的に起きていたであろう変化のスピードを速めただけ、ということである。
変化はゆっくりの方がいい。変化のスピードが速くなるのはやはり怖い。コロナに感じる底知れぬ恐怖の原因は、そういうところにもあるのかな、と思った。 -
コロナ禍という切り口で、6人の知識人が持論を展開する。
「ライフ・シフト」のリンダ・グラットン 「銃・病原菌・鉄」のジャレド・ダイアモンド 「the four GAFA」のスコット・ギャロウェイ そして経済学者のポール・クルーグマン...など。
なんともすごい面子だ。
内容については、それぞれが得意とする領域について書かれる。これからの世界情勢、AIと人工知能、働き方、GAFAの行く末、経済動向など…。たいへん知的好奇心をくすぐるラインナップ。
すべてのパートは20〜30ページほど。さらっと読めてしまう。しかし確実にエッセンスが詰まっているのは、さすがその道のエキスパートと言ったところ。
もし気になったパートがあれば、彼らの著作を読んで深堀りするのも良いかもしれない。そういう意味では、パンフレット的な1冊でもあった。
無粋な言い方だけど、非常にコスパが良い一冊。幅広い読者におすすめ。
(引用や抜粋は、書評ブログの方に書いてありますので良かったらそちらもどうぞ)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%9F%A5%E6%80%A76%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E5%8D%A0%E3%81%86_%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E5%BE%8C%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C_%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AC -
ジャレド・ダイアモンドなら読まなきゃと思って購入したけど、他の人の話もかなり面白くて良かった。
コロナのニュースは日夜流れているものの、一時期よりは世界的にどうなっているかを目にする機会が減ったように思う。
中国が独裁国家であることの、ディスアドバンテージをダイアモンドは強く主張するのだが、コロナ禍にあって大胆な封じ込めが出来たのは、独裁国家であるからだという一方、隠蔽によって感染を拡げてしまったのも同じ理屈に基づくと。
文化大革命のように教育をゼロにしてしまえるような一手を打てること、想像すると恐ろしい。
AIについては、この本の中でも色々な視点で触れられているポイントだが、第2章では「生物兵器」と肩を並べたAIの脅威が語られているのが印象的だった。
メディア面では、第4章の「利用可能性バイアス」の話が面白い。
「認知心理学では、人は危険が起きる確率を、客観的な統計やデータよりも、身近なイメージや、よく聞くストーリーに基づいて判断することが知られて」いるということらしい。
また、第5章では「怒り」によって「つながり」をもたらすビジネスモデルが挙げられていて、フェイスブックやグーグルのアルゴリズムでは、いわゆる炎上した記事は、オイシイ記事であり、無用に目立ってしまうということだった。
二つとも、よく考えれば当たり前の話なのだけど、私たちのネットモラルを心配する声は多くあれど、炎上というシステムそのものを非難する声は、意外にも目にする機会が少ないように思う。
確かに、私たちの自覚によってモラルというのは変えられる。
けれど、単純に人間性に訴えるだけではない、別の角度からの切り込みが必要なのかもしれない。 -
だれか 助けてください !
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2020/08/07
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2020/08/07
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コロナはいつ収束するのか。いや終息してほしいですね。「紙背に微光あり」は極上の読書体験を約束してくれます。コロナはいつ収束するのか。いや終息してほしいですね。「紙背に微光あり」は極上の読書体験を約束してくれます。2020/08/07
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世界の知性も今回の事態はよくわかっていないということが改めて確認された。クルーグマンがアベノミクスをボロクソに言ってるのが凄かった→ https://twitter.com/lumciningnbdurw/status/1293683731400503296?s=21
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来年の今頃、再読。
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現代最高峰の知性を持つ6人への、世界と日本の行末をインタビュー。
6人共通の意見は、コロナのパンデミックをポジティブな側面で捉えるのなら皆共通の回答。
我々に深く考えるきっかけを与えてくれた、と。
さて、コロナは我々に何をもたらし、何を奪ったのか。
中でも興味深かったのは、MITで理論物理学を研究するマックス・タグマーク教授の章。
AI時代の可能性と未来視。
本当、満員電車っていらなかったよな。
Amazon強いな。
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2020年のインタビュー。
世界の有識者がコロナ後の世界を語る。
日本の問題点もかなり鋭く指摘している。
アメリカの保険制度が実現しなかったのは、終戦当時の人種差別のせいである事を初めて知った。
その後、ウクライナ侵攻も起こっているので、現時点での彼らの見解も読んでみたいものだ。