コロナ後の未来 (文春新書 1342)

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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166613427

作品紹介・あらすじ

2020年7月に刊行した『コロナ後の世界』の続編。
新型コロナ・パンデミックは2年を経ても収束しそうもない。この感染症によって、私たち人類の未来はどのように変わっていくのか? 世界が誇る知性7人に聞いた。

感想・レビュー・書評

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  • ユヴァルもカタリン・カリコもリンダ・グラットンもそれぞれの著書で読んだ内容と同一、さらには別著『未来を読む』でもオムニバス形式で同内容のインタビュー記事があったから、それらを読んでいる私にとっては、本著は重複内容だった。

    勿論、中身がつまらないという事ではないが、そこに関しても、200ページ強の本に7人の知識人だから、1人30ページほど。インタビューも主著に対しての切り口なので、んー、浅い。リモート面談による取材?あるいは、台本があるような全世界で販売できるような完パケ?いずれも、ちょっと残念。

  • 文字通り、コロナ後の未来について様々な評論家が書いた一冊。

    オムニバス形式なので内容にばらつきがあるものの、どれも勉強になった。

  •  前著が出てたよう(『コロナ後の世界』)。それが、2020年7月だったとは、ずいぶん気の早い話。おそらく、かなり予想や予測を含んだ内容だったことだろう。
     2024年の今も、コロナ禍といわないまでも、収束はしてないし、本書の上梓された2022年3月のタイミングでも、未来は、なかなか見通しずらいものだったろう。

     その中でも、ユヴァル・ノア・ハラリは第1章で

    「個人のプライバシーも健康も、両方とも守られるべきです」

     と訴え、第6章で『the four GAFA』の著者スコット・ギャロウェイは、

    「アマゾンがこれから本格的に参入するのは、ヘルスケア事業です」

     と述べ、奇妙な符合に、ちょっとゾッとする。歴史哲学者が「守られるべき」と述べるのは、それが危機に晒される懸念から。一方、ビッグデータやITを駆使する大企業はその領域へ食指を伸ばしてくるということだ。

     COVID-19によるパンデミックは、民主主義体制と権威主義体制の違いを際立たせ、働き方や都市の在り方の見直しを促進し、ビッグデータとAIとの関りを再考させ、なにより個人の意識の改革を促した。が、それは、COVID-19がなくても、いずれは通らなければならない道だったのかもしれない。
     それを早めたこと、全世界的に認識させたという点で、もしかしたら、コロナ・パンデミックは僥倖だったのかもしれない。

    「このパンデミックに良い面があったとすれば、自分はどのような人生を生きたいのか、きちんと自分自身に問うようになったことでしょう」

     と述べたのは第5章のリチャード・フロリダ教授。世界で最も有名な都市経済学者だ。

     その問いに対し、行動を起こさない者、コロナ以前の暮らしに違和感を抱かぬまま戻っていた者は、淘汰されることになるという警告の書と受け取った。

  • 【新型コロナは文明社会をどう変えたのか?】ノーベル賞学者2人を含む世界の頭脳が新型コロナの出口戦略と、人類文明への影響を分析。コロナ後の未来を見通すために必携の一冊。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/95231179

  • <目次>
    はじめに
    第1章デジタル独裁主義の悪夢を阻むにはユヴァル・ノア・ハラリ
    第2章mRNAワクチンが切り開く可能性カタリン・カリコ
    第3章生命とはなにか?ワイルスとは何か?ポール・ナイス
    第4章コロナ後の働き方はハイブリットワークリンダ・グラットン
    第5章未来の都市は債3の場所を求めるリチャード・フロリダ
    第6章GAFAの勝者アマゾンは医療を目指すスコット・ギャロウェイ
    第7章コロナ後のGゼロの世界イアン・ブレマー
    おありに

    2020/7発行の”コロナ後の世界”の続編のインタビュー本。
    2022/3発行。

    リンダ・グラットン
    P125 ~その人の人生が幸せであるか否かを左右する
    最も大きな要素とは、(お金ではなく)温かい人間関係
    だったのです。

    リチャード・フロリダ
    P134 ~都市は人と人がつながるための場所として機能
    している~
    P140 ~日本の工場は肉体労働だけでなく、一人ひとり
    の知識や能力をフルに活用すること、~単に働く場所
    ではなく、労働者を一人の人間として扱う新しい工場
    だった。
    P147 ~第3の場所とは、人と人がつながる場所
    (以前はバーは教会、いまは再定義されつつある)

    イアン・ブレマー
    P185 ~中国はオミクロン株に勝てない
    (その通りだった)
    P197 米中冷戦になれば、~日本は米中の板挟みになり
    日本経済は中国への依存度が高いので、身動きが
    とれなくなる~日本はアメリカにつくしかない。
    歴史的、民族的~日本と中国はお互いに信用できない。
    P209 力の空白が生じた地域で紛争が多発する。
    P214 日本こそが米中協調を促していく役割を担う
    べきではないでしょうか。

  • 2020年刊行した「コロナ後の世界」の続編。2022年刊行。コロナ後について、7人の専門家にインタビューした内容。中でもカタリン・カリコさんのmRNAワクチンを開発した話がおもしろかった。大発明だというものでも奇跡と偶然の上になりたっているのがよくわかった。

  • 歴史学者、ワクチン開発者、ノーベル賞受賞者、ビジネススクール教授、都市経済学者、大学院教授、国際政治学者(本物の)らへの、コロナに関するインタビューを集めた本だ。難しそうに思えたが、読んでみれば納得の中身。面白く、スラスラ読めた。理解できた気がするが、身についたかと言われれば、、、さてどうかな。

  • ユヴァル・ノア・ハラリは富の源泉がデータへと移り、これを支配する企業と国家がかつてない権力を持つことに警鐘を鳴らす。カタリン・カリコのmENA開発エピソードとタンパク質を自由に生成できることが人類にもたらす恩恵の可能性、ポール・ナースの生物の定義と生物学が実世界の多様性と格闘している学問であるという話、リンダ・グラットンの人生100年時代における個人と企業のあり方、リチャード・フロリダの労働の場ではなくコミュニケーションの場としての都市の再定義、スコット・ギャロウェイが看破するGAFAのうちの更なる勝者としてのAmazon(コストセクターを収益源に変えるビジネス力)とApple(垂直統合モデルと圧倒的なブランド力)の存在と結婚マッチング市場でも少数の高スペック男性の勝者総取り現象、イアン・ブレマーの説く絶対的パワーを持ってコントロールする勢力がいなくなったGゼロの世界(SNSによるアメリカ社会の分断深刻化がアメリカの内政へのリソース配分圧力となり対外関与を減少させる一方、中国は国際情勢をコントロールする存在になり得ていない)、いずれも興味深く面白く、一冊で多様な種類の知見と話題に触れることができた。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ユヴァル・ノア・ハラリの作品

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