韓国エンタメはなぜ世界で成功したのか (文春新書 1347)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166613472

作品紹介・あらすじ

近年、韓国発のエンターテインメントの世界的な活躍のニュースは毎日のように目に入ってきます。7人組ボーイズグループBTSの国連でのスピーチやパフォーマンス、Netflixドラマ『イカゲーム』や『愛の不時着』の世界的ヒット。髪型やファッションをK-POPアーティストに寄せることも今では珍しくありません。その韓国エンタメ産業の躍進は、実は韓国社会の変化と大きく結びついています。
◎1980年代の民主化運動による「表現の自由」の拡大 ◎1997年アジア通貨危機、IMFショックによる韓国産業界の変化(輸出強化とIT化)。そして2010年以降顕著になった世界のデジタル社会化。こうした社会の変化が韓国のエンタメ産業にどのような影響を及ぼしたのか、本書前半ではBTSをプロデュースしたパン・シヒョク氏や、韓国エンタメ産業界の巨人・CJグループのイ・ミギョン氏など立役者たちのプロフィールを交えつつ、具体的に描かれます。一方、本書の後半では、世界的なビジネスとなった韓国エンタメ界に残る負の面に目を向けます。韓流スターの性接待や、オーディション番組における不正操作。相次ぐ女性スターの自死。こうした問題もまた、韓国社会の変化のなかで、取り上げられ方が変化してきました。とりわけフェミニズムの広がりによる女性の権利意識の高まりは大きなポイントになっています。その他兵役や韓流スターたちと政治との関りなど、韓国のエンタメ界と韓国社会との密接なつながりへの理解が本書によって深まります。
また最終章では日本のエンタメコンテンツが韓国でどのように受容されているかがレポートされます。厳しい現状から、いま日本に求められているものは何かが見えてきます。

筆者は2000年に『好きになってはいけない国』を上梓し、禁じられながらも日本のコンテンツを愛する韓国の若者たちをルポしたジャーナリスト。長く韓国に住み、その社会とエンタメ産業の変化を目の当たりにしてきました。

感想・レビュー・書評

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  • 純愛では満足できない? 韓国では「不倫ドラマ」過激さを増している(奇妙?単純? 韓流の方程式)|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/299662

    『ユンヒへ』ほか注目作続々!東アジア発レズビアンを描いたクィア映画 | cinemacafe.net
    https://www.cinemacafe.net/article/2022/01/07/76668.html

    文春新書『韓国エンタメはなぜ世界で成功したのか』菅野朋子 | 新書 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166613472

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      武田徹の新書時評 近くて遠い国、韓国|文藝春秋digital
      https://bungeishunju.com/n/n8c5d3cb8e7c...
      武田徹の新書時評 近くて遠い国、韓国|文藝春秋digital
      https://bungeishunju.com/n/n8c5d3cb8e7c3
      2022/04/07
  • コロナ禍になって韓国ドラマ、映画をよく見るようになり、面白さに夢中になった。
    この本では、なぜ今韓国エンタメが面白く、世界で受け入れられるようになったか、分かりやすく解説してくれている。
    そして、日本のエンタメが韓国でどう受け止められているかも興味深かった。
    最後に、日本のエンタメも日本の内需に満足せず、世界に発信して、受け入れてもらうにはどうしたら良いか、戦略を練って頑張って欲しいと思った。

  • 完全に追い抜かれたね!

  • いろいろな分野で「ファンを作る」というのは大事なことだけれど、韓国はエンタメを通じて、世界中に韓国という国のファンを作ることに成功したなと思う。エンタメから興味を持って韓国語や韓国の歴史、文化を学ぼうとする人はきっと多い(私も)。かつて日本がそういう対象であったように。
     成功要因だけでなく、影の部分もきちんと書かれていて、凝縮された韓国エンタメの歴史を辿ることができて、面白かった。翻って、日本のエンタメについても考えてみたり。
     日本の音楽事務所にも、YouTubeやSNSでの動向を分析する専門部署って、あるんだろうか?こういう分析について、もう少し知りたいなあ。

  • BTSのプロモ戦略が非常に興味深かった。ここ数年ジェンダー問題が急速に可視化され、その象徴となってしまった韓国のアイドル・芸能人たち。毎年のように芸能人(特に女性)の自殺を耳にする一方で、日本よりもはるか先にジェンダー問題においては先を行っている感がある。著者もあとがきで書いているが、急激に変化する価値観(おそらく家父長的→リベラルな方向に向かっている)は、今後さらにどのような変化になるのか。着目したい点がいくつもある。

  • 韓国の歴史から、エンタメに焦点が当たっていく変遷がわかりやすく書いてある本。インドのカーストを飛び越えるのがITだったように、韓国では明示的なカーストはないにせよ、エンタメだったんだろうなぁと思った。

  • 韓流を世界に広めようとした人たちの情熱と愛国心に感心してしまった。クールジャパンのようなゴリ押しではなく、「韓国の文化を世界に広めたい」という情熱の下、政府ではなく有志が韓国エンタメにじゃんじゃん投資してるのがいい。
    韓国エンタメ業界にまつわる事件の章は、のんきにK-POPを聞いている自分がなんだか推しを搾取しているようで、申し訳なくなってしまった…。

    BoAちゃんが日本デビューした頃、韓国にとって日本はたしかに追いつけ追いこせの憧れの国だったと思う。インタビューでも「行きたいところは?」て聞かれると、リップサービスもちょっとはあったにせよみんな日本と答えていた。
    あれから20年。久々に韓流界隈に戻ってきたら、すっかり様子が変わってた。日本が、嫌韓だー反日許すまじーとやってるあいだに、すっかり見向きもされなくなってた過程が、これを読んでいたらよく分かる。
    一方の韓国では、文化解放前には溢れていた反日の本が今はすっかり消えているという。日本で嫌韓本が増えているのはむしろ、もはや韓国に追いつかれているという危機感の表れなのかもねぇ。

  • 東2法経図・6F指定:772.2A/Ka57k/Ishii

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/792564

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