あるシネマディクトの旅 (文春文庫 い 4-92)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142933

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  • 2013/07/13完讀

    池波的三趟法國旅程。第一趟從巴黎到地中海岸南法、馬賽。第二趟甚至到西班牙格瑞那達再折回。第三趟則是羅亞爾河城堡巡禮,以及布列塔尼、諾曼第。

  • 「江戸の味が食べたくなって」の後半に掲載されていた
    <第三部 パリで見つけた江戸の味>に出てきた
    フランスの居酒屋〔B・O・F〕の老店主 セトル・ジャンと池波正太郎氏が
    表紙の写真を飾っていたので、思わず手に取りました。

    フランス紀行三作をまとめた本です。
    池波氏の描いたフランスで出会った風景も収録されていて、
    なんとも言えない雰囲気のエッセイです。

    日本での作家としての忙しい中、なんとかやりくりして時間を作り
    フランスへの旅を楽しむ池波氏。
    同行者は日本人のカメラマンや編集者など。
    あとは、フランス在住の日本人が現地で案内してくれるという
    なんとも羨ましい限り。

    しかし、ツアー旅行ではないので大変なこともありますが
    それはそれ、楽しんでしまうことの寛容さに脱帽です。

    フランスの歴史や映画に詳しいので、行く先々の場所の
    文中に織り交ぜることによって
    読む側も想像しながら読み進めることができます。

    こんな、ゆとりある旅行は、ほんとう贅沢な気がしますが
    池波氏のエッセイを読んでいると嫉妬すら感じず、
    むしろ、いっしょに旅をしてる気になるので不思議です。

    作中でも池波氏が、世界情勢が変われば、こういうのんびりした旅も出来なくなるだろうと書かれてましたが、今の世界はこの頃より変化が激しくなってるだろうと私も思いました。

    池波氏は〔異国で病気にかかることをおそれ、腹七分目の食生活をするので〕と体調も気遣っていることがすごい。
    それでも、何か美味しいものを食べることに専念してるわけれども、
    行く先での居酒屋やレストランで、時折「うまい!」と思う出会いがある。
    しかも「うまくなかった」「うまかった」とはっきり記載てるのが気持ちいい。

    最後のセトル・ジャンとの章を見ると、人間と人間が繋がることの素敵だなと感じる。

    この本に出てきた売店の人、牛追いの男性。
    シャトーホテルのオーナーやマダム。
    給仕たち。
    みんな、もう、この世にいなかったりするのだろうな。
    ああ、池波正太郎氏ももう、あちら側に旅立ったのでした。
    今頃は、セトル・ジャンとペルノーとモーゴンの地酒を酌み交わしているのかもしれない。

  • こんな旅をしてみたい。

  • フランス紀行のまとめ版。

    買うかどうか迷いましたが、まとめて読めるから、まぁいいかと。

  • フランスで食べてるものばかりが気になった。

  • 「そこ自分でやらないと、旅が面白くないでしょ!」とつっこみたくなってしまう場面が何回もあるけど、そこは世代が違うということで仕方がない。
    フランスの田舎って、いいんだなぁ。

  • 流石に内容が被っていたのもありましたが。
    憧憬に霞む彼の地へと。良いねぇ。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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