新装版 猫も杓子も (文春文庫) (文春文庫 た 3-44)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167153441

感想・レビュー・書評

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  • 才能を活かして仕事をばりばりこなし、実は30歳ながらハタチそこそこに見える童顔キューピー顔の阿佐子。

    年下のボーイフレンドやおじさんをとっかえひっかえ、何にも縛られず楽しく暮らしているのだが…。

    おせいさんの小説は会話が楽しい。あほ!言いながらいちゃこらしたりする関西人のニュアンスが生々しくて面白い。肉食男子に肉食女子、そこかしらでくっついたり離れたり。

    仲の良い雇用主の男にも平気でしれっと誘いをかける山ちゃんみたいなタイプが一番怖いなぁ。

  • すごく良かった。
    やっぱり本の中の関西弁にもとても親しみがわく。
    “おべんちゃら”とか、すごく可愛いことば。

    男の人に関しての考え方とかにも、とても共感できる。
    国包さんや、悟に対しての考え方とか。
    スッと入ってきたなー身体に。

    面白かった。

    “わたしは人間の声に興味がある。顔のイメージとむすびついてると、なぜか、へんに安心する。”

  • なんだろうか。自由奔放で、まさに思うがまま、自分の欲望に正直に生きる浪速の女。ところどころで時代を感じさせるのであるが、現代でも充分に通用する恋愛模様が素晴らしい。
    大阪弁でのやりとりがまた面白い。

  • 田辺さんの関西弁と、細かい心の描写、すこし斜めから世間を見てる感じは大好きですが、この本の主人公に共感できず。
    また出てくる男女全員が全く魅力的じゃないため入り込めずに読了。

  • 絵を描くことを中心にテレビに出たりラジオに出たり、小説も書けば演技もする。旺盛に仕事に勤しむ30歳の阿佐子。
    恋愛の方も然りで若い恋人の他にも狙っている男や偶然の出会いでちょっと盛り上がってしまう妻子持ちもいる。
    真面目に実直に生きることをモットーにしている人間からしたら顔をしかめずにいられないような阿佐子の日常は、大阪の気質や大阪弁とうまい具合に溶け合ってなんとも粋に描かれている。
    そんな面白おかしい日々も少しずつ雲行きが怪しくなってくる。いつまでも気楽に楽しくはいられないのか…。諦念のようなものがうっすらと見え隠れする終盤に、なんだか阿佐子に裏切られたような気がするのが不思議だ。

  • 犬みたいに懐っこい男、大人の色気たっぷりの男、どこか抜けてる草食系の男。
    それぞれ大好きで憎たらしくて愛おしい。ゆらゆら揺れる心、自由な三十路女の行く末は…。

    私が生まれる前に書かれた作品ですが、恋愛事情は現代と変わらないじゃないか、と驚いてしまいました。
    こてこての関西弁が、より圧倒的なパワーを感じさせますね。

  • 設定に最後までなじめなかった・・・
    阿佐子の気持ちは分かるんだけど、欲張りな感じがどうも うーーーん・・。

    生きていくなかで、失うものがあるとは思わないけど、何かを得るとしたら何を自分は手放すことになるんだろう?と立ち止まって考えたいと思う人間なので。

  • のりこシリーズと話の構造は似ているのですが、ラストはほろ苦め。女が自由に生きようとすると、いろんな男を傷つけたり、傷ついたり。それでも人生は続く。アラサー小説。私は好きです。

  • いままで読んできた田辺聖子作品の中では、ちょっと違う感じがします。
    ヒロインは、大阪で人生を謳歌する女性。複数の人と関係をもちつつ、それぞれ分けて恋愛を楽しんでいます。最後のところで、「田辺作品にもこんなもっていき方があるんだ」と驚きました。それは読んでからのお楽しみですが、ただ強く楽しく生きるだけじゃない。ドラマがあるからこそ、人生は重く深みを増すのだなと思いました。

  • みーんな、おばかちゃん。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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