ブルータワー (文春文庫 い 47-16)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174194

作品紹介・あらすじ

悪性の脳腫瘍で死を宣告された男の意識が、突然200年後にタイムスリップする。そこは黄魔という死亡率87%のウイルスが猛威を振るう、外に出ることは死を意味する世界。人類は「塔」の中で完全な階級社会を形成して暮らしていた。その絶望的な世界に希望を見出すため、男は闘いを決意する!長編SFファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 15年ぶりに引っ張り出して読む。やっぱりおもしろい。石田衣良とか村山由佳、もう読まなくなった青春ものにハマってた高校時代と今では趣味嗜好も全く違うけど、今読んでもワクワクするし、今だからこそ、じんわりと響いてくるものがいくつもあった。

    脳腫瘍を患った主人公の、意識だけが200年の時を超えるタイムスリップもの。黄魔と呼ばれる変異型のインフルエンザが蔓延する未来の世界、荒廃した地にそびえる「青の塔」で、高さと自由をめぐる戦いに巻き込まれてゆく。9.11後、塔が倒れる強烈な姿にインスピレーションを受けて書かれたという物語は、差別や暴力がうずまく混沌とした世界で、仲間を信じるとか、諦めない思いとか、大切な誰かへの愛とか、言葉にすると安っぽくなってしまうけど、人間が人間らしく生きるために必要なものたちを、希望をもってえがかれているように感じる。周司さんが年下女子にモテすぎなのが若干ん?とはなるけど、それさえ受け入れられればとてもアツイ小説だと僕はおもう。僕はずっとこれが何らかの形で映像化されないかなと思ってるんだけど。

    2222年までに、スペイン風邪以上に(しかもインフルエンザとはちがう)厄介なウイルスが世界を席巻するなんて思いも寄らなかったなあ。

  • 脳腫瘍を持ち余命数ヶ月の周司が、200年後のセノシューとして生きる。周囲の人物も現代の中に生きる周司をとりまく人物。人と人の繋がりが200年後にも生きているところが魅力。
    あり得ない200年後の世界は、もしかしたらあり得るのでは!?と思う部分も多々あります。
    石田衣良のファンタジー作品は、映画よりもはるかに壮大といえます。
    格差社会がひろがることの恐怖を覚えました。

  • 久しぶりに石田衣良さんの本読んだ。他の人も書いてたけど、石田衣良さんにしては珍しいSF…?未来的な話。面白くてどんどん読んじゃったけど、最後のところが微妙だった。結局奥さんの心の動きがわからないままだったし、最後はあっけなさ過ぎた。未来からも通信できるってのも…

  • 2013.05.02読了。
    今年18冊目。

    初の石田衣良作品。
    何で今まで読んでなかったんだってくらい面白かった。
    こういうちょっとSF?ファンタジー?な感じの久しぶりに読んだけどやっぱり好き。
    人間の想像力の無限さにわくわくする笑

    現在住んでいるホワイトタワーと200年後の未来の青の塔を行き来する主人公。
    未来ではインフルエンザをいじって生物兵器化した黄魔により地上に人がほぼ住めない状態に...
    決して明るい未来ではないし、問題だらけで読んでて辛くなることばかりなんだけど、AIのココとか、現在と未来にリンクする人たち、とその人間関係、黄魔から世界を救うには...いろいろ面白かった。

    最後の暗記の部分の本の話が好き。
    あんなふうにむかーし読んだ本を覚えているかはわからないけど、私にとっても本の存在は大事だし、なるべく大切に覚えていたいものだなと。

    この本を勧めてもらったことに感謝です。

  • コロナに似たウイルス系のSF。
    設定も面白く、一気に読み進められた。

  • 今現在流行してる
    コロナが「黄魔」に
    思え、思いながら
    読み終えました…

    青の塔の設定は
    中々面白かった。

  • 塔の設定が面白かった。
    主人公の心情に重きを置いていたからか、社会の奥行きや作り込みをあまり体感できなくてちょっと残念。

  • 悪性の脳腫瘍で死が迫っている男が、突然200年後に飛ばされる。そこにはウイルスが蔓延してて、タワーの中でないと生きられない。絶望的な格差社会の中で立ち上がり、戦いに挑む。SFファンタジー感が満載でした。コロナ禍の今、どの時代でもウイルス

  • タイムスリップ、200年後の世界、2キロのタワー、テクノロジーの進化…、明らかにSFなんだけど、コロナ禍の今、感染病の描写にはSFだと割り切れない怖さや身近さがあって、今読めたからこそ楽しめた部分もすごくあった。
    なかなかに設定や言葉が難しく、細かく、読むのには少し時間がかかった。

  • 寿命わずかなおじさんが200年のタイムスリップを繰り返して、世界の平和のために蔓延したウイルスと闘う。
    ヒーローにしては本当に大事ときはいつも周りの人に助けてもらって、もう少しシュー自身も頑張って欲しかったかな。
    世界を救ったにしてはあっさりしたラストで、若い女の子しか勝たん!て感じで笑えてしまった。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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