日独合体の銀翼 液冷戦闘機「飛燕」 (文春文庫 わ 8-7)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167249144

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  • 第二次大戦時に日本陸軍が運用した水冷エンジンを持つ戦闘機、三式戦闘機”飛燕”の苦闘の生涯をその設計から敗戦に至るまで追った作品。多くの生き残りパイロット、設計・生産陣、整備兵などのインタビューと残された実戦記録、そして著者独自の解釈を交えて運に恵まれなかった傑作機の全貌を浮き彫りにしている。当時の日本の工業力の手に余るドイツ製の精巧かつ高性能なエンジンを搭載することとしたことがまず悲劇の第一因で、生産面では品質が安定せず、前線では故障多発・稼働率低下が顕在化し大幅な戦力ダウンを招いてしまった。それでも勝負を投げずに戦い抜いた先人たちの労苦にはただ感銘するのみである。
    外地では苦戦したものの、補給・アフターケアが容易な本土上空ではB-29に対抗できる機材として活躍した事実も忘れてはいけない。先日調布で処理された不発弾も本機の体当たりで撃墜されたB-29搭載のものである。

  • ドイツ製の液冷エンジンを積み、日本機離れした流麗な容姿からファンも多い「飛燕」。
    開発の始まりから、日本初空襲のB−25を試験飛行の時に撃墜した、エピソード、ニューギニア戦線での苦闘本土上空でのB−29への体当たり、そして5式戦への交代と激動の全軌跡をつづる。

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著者プロフィール

昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる。主著に「回想の横空夜戦隊」(編者)「首都防衛三〇二空」「彗星夜襲隊」「空の技術」「異なる爆音」「戦雲の果てで」「航空戦士のこころ」「銀翼、南へ北へ」「太平洋戦争 日本の海軍機」「非情の操縦席」「敵機に照準」「倒す空、傷つく空」「兵器たる翼」「必死攻撃の残像」「海鷲戦闘機」「陸鷲戦闘機」「急降下!」「審査部戦闘隊」(潮書房光人新社)、「決戦の蒼空へ」「液冷戦闘機『飛燕』」(文藝春秋)、「日本海軍夜間邀撃戦」(大日本絵画)、「零戦戦史 進撃篇」(グリーンアロー出版)、「写真史三〇二空」(文林堂)、「写真集本土防空戦」(徳間書店)など。訳書に「ドイツ夜間防空戦」(潮書房光人新社)、「第二次大戦のドイツ夜間戦闘機エース」(大日本絵画)、「超・空の要塞B-29」(朝日ソノラマ)など。

「2020年 『局地戦闘機「雷電」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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