日本を思ふ (文春文庫 ふ 9-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167258047

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  • 日本の文化や思想、憲法について著者の考えや見方を披歴した一冊。
    進歩主義、革新主義というのは、社会を進歩させようというよりも、「社会を進歩させまいとする方策を阻止しようとする思想的態度」であり、前向きな名前でありながら、批評的、否定的、消極的で後ろ向きの性格を持つとする。
    現在だと所謂左派がこれに当たるのだろうけど、彼らが妙に攻撃的な理由がこれでわかった気がする。
    また、憲法について、それが極めて不自然な文であることから、それが英文和訳の証明であるとし、その証拠を列挙する。
    また、日本を独自の思想がない後進国の中の先進国と位置付ける。民主主義にしても立憲君主制といった政治体制にしても、皆海外でそれなりに上手くいったものを取り入れただけで、成功は予見されていた。
    けれど時代が下るにつれて、民主主義だけでは駄目になってきた。そこで本当に物を考えることが必要だと提起。
    そのために、きっと静止が必要なのだと考える。「精神がときに静止するのではない──ぼくたちが静止するときに登場するものが精神なのである」から。
    核については、発明されてしまったものは破棄し得ない、この悪魔を飼い慣らすしかないといった話も興味深かった。

  • 2012/3/4購入

  • 2009/10/10図書館で借りる
    2009/10/16あまり読まずに返却

    日本近代化にまつわる諸問題
    日本および日本人:
    日本人の思想的態度:
    近代の宿命:

    日本現代の諸問題
    平和論に対する疑問:
    進歩主義の自己欺瞞:
    平和の理念:
    自由と平和:
    当用憲法論:
    偽善と感傷の国:
    文化とは何か:
    紀元節について:

    解説:佐伯彰一

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著者プロフィール

評論家,劇作家,演出家。東京大学英文科卒業。 1936年から同人誌『作家精神』に,横光利一,芥川龍之介に関する評論を発表。第2次世界大戦後すぐに文芸評論家として活動を始め,やがて批評対象を文化・社会分野全般へと広げた。劇作は 48年の『最後の切札』に次いで 50年『キティ颱風』を発表,文学座で初演され,以後文芸部に籍をおいた。 52年『竜を撫でた男』で読売文学賞受賞。 63年芥川比呂志らと文学座を脱退,現代演劇協会,劇団雲を結成して指導者となる。 70年『総統いまだ死せず』で日本文学大賞受賞。シェークスピアの翻訳・演出でも知られ,個人全訳『シェイクスピア全集』 (15巻,1959~67,補4巻,71~86) がある。著書はほかに『人間・この劇的なるもの』 (55~56) など。 81年日本芸術院会員。

「2020年 『私の人間論 福田恆存覚書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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