阿修羅のごとく (文春文庫 む 1-17)

著者 :
  • 文藝春秋
3.69
  • (98)
  • (124)
  • (198)
  • (14)
  • (2)
本棚登録 : 1302
感想 : 129
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277178

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ちょっと古い感じもしますが、面白かったです
    個性の違った四人姉妹と
    夫の不貞を知りながら、何事も無かったかのように暮らす母ふじ
    中を覗くといろんな問題が潜んでいる家庭
    危ういようで、ガッチリ繋がっている家族

    言いたいことを言い合って、喧嘩して、思いあって、姉妹ってめんどくさいけど、良いなぁって思いました

  • 一見うまくいってそうな家庭でも、中に入ってしまえば色々ある。
    少し時代背景が古いけど現在でも十分楽しめる

  • 不可思議で宿命的な人生の機微を淡々と、しかし愛おしさをもって描いている。言葉にならないものを無理に言葉にしようとしないところに作者の体温を感じます。

  • 竹沢家と里見家、特にふじと巻子の対比がこの物語の中核を成しているような気がするようなしないような。"世の中"を知りつつも自己を押し殺して耐え忍んできた母ふじ。情事に溺れる長女綱子。色恋の何たるかを知らない三女滝子。人生勝組になって上を見返すことに心血を注ぐ四女咲子。そして母を偲びつつもその母と同じ境遇に置かれた次女巻子が、女家族や娘洋子の言動を通して女としての在り方、生き方を考える。
    とにかく男女間の思考回路の違いというものが鮮烈で、男という生き物についても非常に上手くとらえていると思う。そのため読み進めながら何度か思わずへぇーとひとりで漏らしてしまった。
    (14.05.30.)

  • 女の姉妹の家族の繋がりはこんな感じというのが、浮かぶ会話や物語のテンポの良さ。

    昭和な部分は多々あるのに、古さはあまり感じない読みやすさ。

    ドロドロをこんなに書いてしまうのに、後味は悪くない感じはさすがだと思った。

  • 読後の第一印象は、大人のための超辛口な「若草物語」。主人公の4姉妹は心にどうしようもない阿修羅を抱えて、ままならない人生を生きている。彼女たちは互いの境遇に悩み、はげしく罵り合いながらも、姉妹の誰か一人が危機に陥るや全身全霊で守ろうとする。終盤の滝子と咲子のエピソードがすごく好きだ。そうそう、女きょうだいって喧嘩ばっかりだけど、こういう時はこういう行動をとってしまうものなんだよなあ。不覚にもほろりとさせられた。
    泣いて、わめいて、それでもしたたかに生きていく女たちは強い。
    ポンポンと飛び出すテンポのよい会話、懐かしくあたたかみのある昭和の情景も読んでいて楽しい。

  • 面白かったけど、姉妹のかけあい、台詞のやり取りが細かすぎてちょっとじれったく感じた。

  • 中学校の時に買った
    おもしろかった記憶があるのでまた読みたい

  • どうも読みづらいと思ったら、向田さんが書いた脚本を他の人が小説化したものだからセリフだらけだし、心理描写がない。
    でもその読みづらさを克服できるぐらい、話の内容はめちゃくちゃおもしろい。
    先日、NHKの番組で澤地久枝さんが、「向田さんは日常をいきいきと描く人」と評していたが、日常だけでは退屈する。日常のその先、日常の中の大混乱、という感じ。

    仲がいいんだか悪いんだか、まぁよく集まってはぺちゃくちゃとよくしゃべる四姉妹。未亡人の長女綱子は妻子ある男性と不倫中。次女巻子は夫の不倫疑惑に悩み、三女滝子は男に対して異常にかたくなで、いまだ独身。末っ子咲子はボクサーと同棲中。そして物語は、滝子が老いた父親に別の家庭があることをつきとめ、姉妹を呼び寄せ相談をするところから始まる。

    昭和のドラマだから、なんとなく橋田壽賀子的な内容を想像していたが、なんのなんのホームドラマにしちゃあお色気たっぷり。
    男と女のズルズルな関係をきっちり描いてます。

    文庫本の解説が南田洋子で、四姉妹の両親役を長門裕之と演じたと書かれてあった。向田さんも含め、三人とももうこの世にはいない。ひと時代が終わってしまった寂しさにかられる。

  • 4人姉妹、それぞれ欠陥ありの男女関係にいながらも、集まると騒々しく意地を張りあったり喧嘩したり、結局なんだか楽しそうに思えてしまう。そこらへんに女の逞しさを感じた。

全129件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

向田邦子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×