- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167348137
感想・レビュー・書評
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途中でやめ
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淡々と物語が進んでいき、盛り上がりに少し欠ける話だった。家族の絆を描こうとしているのだと推察するが、その辺りもいまいち上手く描かれていなかったように思う。
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面白かった
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登場人物
城田家
★祖父福造
父晋太郎・母敦子
長男幸一・長女真由美・次女紀代美・次男恭太
★晋太郎の妹めぐみ
めぐみの長男春雄・次男夏雄・三男秋雄・長女美紀
★ハンガリーからの3年間の留学生ポラーニ・ボラージュ
★犬のフック
総勢13人と一匹が一つ屋根の下暮らす物語。
敦子と恭太の目線で物語が語られる。
ただでさえ家族の多い城田家。
おまけに父の興した事業は経営破綻し経済的にはゆとりがないのに、ハンガリーで留学を約束をしたポラーニ・ボラージュの生活費・学費を一切引き受けて面倒を見る。
城田家皆んながそれぞれ物語の中で生きていて、大家族って温かいなぁと思わせる作品。
ボラージュが自立を主張し始めるシーンではイラついたが、敦子さんの
『〈自立〉という言葉を使わず、留学生のための寮で自分の貴重な体験としていろんな国々の学生と生活してみたいと要望していたらこんな感情の行き違いなど起こりはしなかった。言葉の問題だけで感情を害したりした自分たちは、ボラージュの存在に慣れてしまって彼への思いやりに欠けていたのかもしれない』
の文言にハッとし納得した。
何かあるとすぐに共産主義を持ち出すボラージュに辟易したが、ボラージュの父や歴史を考えると私の様にふわふわと日々生きている人間とは根本的な問題意識の高さが全く違うのだ。
もし留学生がハンガリーからのボラージュではなく、イギリス人だったら?中国人だったら?インド人だったら?違う国籍の留学生だったらまたホストファミリーの経験も全く違うものになるのだろう。
尋常ではない魂の向け方で勉強に勤しんだボラージュが城田家にもたらした影響は計り知れない。
敦子さんが振り返る。
『ボラージュとの、さまざまな心の行き違いは、まず言葉の問題であり、それと同じ比重で習慣や価値観や民族性の問題でもあった。』
これが全てを物語る。
色んな事が一度に巻き起こった城田家だったから、ボラージュのお別れ会での皆んなのスピーチに胸が詰まった。
ボラージュの心にいつまでも残る、ゴールの手前でも『さぁ、これからだ』の精神は人生の掛け声でもあるなと思った。
この世の全ての生き物は〈突如、彗星の如く〉現れては消えて行く。
光芒を引いて、出逢いと別れを繰り返しながら生きている。
そんな彗星たちの物語。
以下共産主義、社会主義について
https://hugkum.sho.jp/167293
HugKumより抜粋
[共産主義とは]
資本や財産をみんなで共有する平等な社会体制のこと。土地や財産などはすべて国のものとなり、みんなで共有します。生産されたものもみんなのものとなり、均等に分配するという考えです。
マルクス主義思想では、資本主義は資本を持っている人が富を独占して、人々の間に貧富の差が生まれると考えました。資本家ばかりがお金を増やし、それ以外の労働者は一向に豊かにならず、資本主義社会の限界を見通したのです。
また、新しいものの開発は、過去の知識や多くの人の知恵が積み重なって生まれたもので、資本家だけが独占できるものではないと考えるのが共産主義とされています。
[資本主義]
働いたらその分だけ報酬が得られて、個人や企業が財産を所有することができる体制を言います。人気があるものはよく売れ、さらに市場の競争によって価格が安くなることもあります。業績のよい企業に就職して頑張って働けば、多くの給料をもらえるかもしれません。しかし業績が悪くなれば、失業したり生活が苦しくなったりするリスクもあります。
資本主義は、18世紀にイギリスで起こった産業革命をきっかけに生まれた体制です。機械がたくさん開発され大量生産ができるようになり、工場の経営者は労働者をたくさん雇い、多くのお金を儲けることができました。これが資本主義の始まりになったといわれています。日本でも明治維新以降に、資本主義が発達していきました。
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上下巻
母が好きな作家さん
犬と留学生を含めた13人家族の話
何があった訳でもないというか常に何かあるというか
でも読み終わってから寂しくなる本 -
ハンガリーからきた留学生ポラージュ。
14人の大家族と1匹の犬ともに過ごした3年のお話。
『勉強しすぎて死んだ人はいない』
学生に戻って机に向かいたくなる。
終盤の『さあ、ここから』という気持ち、大事。 -
平凡な家庭が、一人の留学生の登場で変化していく。
どこにでもありそうな出来事。
でも、家族にとっては特別。
心に残る物語だった。 -
いやー。
宮本輝は、なんかこう、人生の節目に読むとグサグサ刺さりまくるなぁ… -
私は、読書には非日常を求めます。
SFとかサスペンスとか突拍子もない展開が好きです。
ドキドキ、わくわく♪
ところが、この彗星物語は、とある大家族のほのぼのとした日常を描いています。
おじいちゃん、お父さん、お母さん、長男、長女、次女、次男
お父さんの出戻り妹と3男1女の子供、犬、留学生
ちびまる子ちゃんのともぞう張りのおじいちゃん
さざえさんの「たま」よりキャラクターの強いアメリカン・ビーグル「フック」
渡る世間。。。ばりにいろいろ事件が起きます。
なぜ読んだのか?
それは、今住んでいる地元を描いた本で、前から読んでみたかったからです。
土地に関する描写は、「あっ、あの道か」「あのバス停までの道って、そうそう」って浮かんできて楽しいです。
で、非日常を満足しているかどうかなんですが、
私今、忙しくオフィスと家の往復を繰り返す毎日を送っています。
そんな中で読むと、大家族のほのぼのな日常は「非日常」なんですよ!これが
大家族ってのが、すでに非日常かもしれません。
迷惑をかけあって、衝突して、怒って、笑って
たまにはいいですね!こうゆうお話(^o^)b
「さあ、これからだ」と考える心、
「突如、彗星の如く」が表わすものとは? 学ぶべき点も多い作品でした。
そして、どうなんだろ?次のことが皆さんに聞いてみたいくなりました。
1)みなさんは地元について書かれた本って読んだことありますか?
2)読んで、「うんうん」って感じでしたか?
「ウソばっか」とか「盛ってる~」でしたか? -
ただでさえ同居人(+犬)の多い城田家にハンガリー人のボラージュがやってきて…留学の3年間の出来事は、よくありそうな家族のエピソード。派手さは何にもない。でも心に染み渡るようなほろっとした感覚。
個人的には福造のセリフにくすっと笑わせられるものが多かった。おもろいじいちゃん。
どんなにゴールが近くても「よし、これからだ」と気を引き締める。これは大事にしていきたいと思った。それと、悪い気持ちを胸に石を掲げ叩きなくすという考え方。教訓めいたものもすんなり入ってきた。
家族写真、撮りたくなったなあ。
35年も前の話なんだけど、今読んでも面白かったよ。