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- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167445027
感想・レビュー・書評
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河竹黙阿弥の曾孫であり歌舞伎の研究者である著者による、黙阿弥の評伝です。
本書の執筆の動機は、黙阿弥の最後の手記である『著作大概』が発見されたことで、そのなかで黙阿弥はみずからの号の意味を明らかにしています。「黙阿弥」の号は、江戸時代における風俗の取り締まりと明治時代の狂言綺語の禁止という圧力に対する無言の抵抗を意味するものだという解釈がありました。しかし『著作大概』には、「又出勤することもあらば元のもくあみとならんとの心なり」ということばがあり、受難のあとの再起を期した号だということが明らかにされています。
演劇改良運動の主唱者だった依田学海の意外な黙阿弥評や、七代目市川團十郎との関係、坪内逍遥の黙阿弥擁護の評論など、同時代の人びととのかかわりについても知ることができて、おもしろく読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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