誘拐者 (文春文庫 お 26-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (577ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167451042

感想・レビュー・書評

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  • 4 

    手刀と回し蹴りと狂った妄執。

    世の中には冒頭の二節を読んだだけでオチが透けて見えるような薄っぺらな叙述トリックを用いた作品もあるが、本作ぐらい工夫されていれば、多少先が読めても文句はない。いやむしろそれ以外の部分の突き抜けた面白さがあるからこそ評価に値する。いろんな意味でやり過ぎかとも思うが、これぐらい突き抜けてるとコメディにも見えてくるから不思議。

    “自動巻売機”って何?と5秒も真剣に考えてしまい自己嫌悪。

  •  相変わらず後味が悪い。
     もすこし最後に登場する「あすか」を見てみたかった。彼女が一番ドラマチックな存在。

  • ○○者シリーズ第一作
    シリーズで括っているが内容の繋がりは無いようです。
    堀江幸男は不妊治療の末ようやく長女を授かるが産婦人科から誘拐されてしまった。
    名前はあすか。
    警察も公開捜査に踏み切るが、なかなか捜査は進展し無かった。
    そんな中で堀江幸男の妻である堀江チヨが失踪する。
    事件から二ヶ月が立った頃、堀江家の玄関に赤ちゃんが返され、そして手紙が同封してあった。赤ちゃんは堀江あすかであると断定されたが、報道がなされても妻のチヨは帰って来なかった。。。


    まさに狂気を文章化したような小説だった。
    凄惨な事件だからか、読んでいてどこか宮部みゆきさんの「模倣犯」を思い浮かべました。
    宮部みゆきさんは「模倣犯」を執筆後体調を崩されたそうですが、折原さんも体調を崩しかねないぐらい力が入った作品なのでは無いかと思います。
    狂気と復讐がこの小説のテーマのようですが、サイコミステリーとしてかなり引き込まれる内容ですね。私が苦手なのか読んでて挫けそうなりつつも最後まで足早に読めたのは展開の早さが良くて、飽きさせない工夫と途中で投げ出さない工夫がされているからなのかなと感じました。
    あ〜それにしても重い。。次の作品は冤罪者だったかな。。。違ったっけ。。?愛読者だったかな?
    まぁ〜いいや、読みたいですが少し時間を開けようと思います。

  • ちょっとややこしかったけど満足でした!

  • 物語に入りにくい。
    視点や場面がころころ変わるので混乱しやすかったけど、
    叙述トリック的にしょうがないのかな
    それでも終盤の解決に向けての流れはよかったとおもう

    若干のグロ表現あり

  • 宇都宮で生まれたばかりの赤ちゃんが誘拐され、その母親が失踪。自分の妻(堀江チヨ)と無期懲役囚(佐久間玉枝)との関係は。。。。

  • 子供さらわれちゃうよシリーズ第二段として、「慟哭」の直後に読みました。
    話が最後に全部つながっちゃうよシリーズと同様、読む順番間違えたな、と思いました。50/50チャンスなのに・・・

    新生児がさらわれて、関係が崩れ落ちた家族。たびたび起こる「あすか」誘拐事件。過去をひた隠しにする男と、死体を壁に投げつける幼児執着女・・・
    話の流れは、あっと驚くどんでん返しで面白かったです。
    ただ、全体的に話を引っ張りすぎる傾向があって、間延び、後延び感があります。
    そしてどんでん返しの前でも結構引っ張るので、罠に気づいてしまいます、残念ながら。
    そういう意味でも、話の種やオチが似ている「慟哭」を後に読むべきでした。
    (理由は言わずともがな)

  •  乳幼児誘拐から連続殺人へと。過去から現在まで目が離せない展開。猟奇殺人が次々に。まさに折原ワールド。長編ながら一気に読んでしまいました。
     なんと犯人は!えっ!読者には読めない結末に!まさにドンデン返し!

  • 折原作品で今まで読んだ中では一番面白い!次から次へとひっくりかえる展開が快感です。

  • 執念ってすごいな。
    でも、実際に自分の産んだ子供を誘拐されてしまったら、執念で探す気持ちは分からなくもない。

    後半は、「女」がどっちがどっちか分からなくなった。
    けど、最後まで読んだら、納得。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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