- Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167483128
作品紹介・あらすじ
1941年11月26日、米国は日本に「ハル・ノート」を通告、日米の外交交渉は熾烈を究め、遂に運命の日、12月8日に辿りつく。その時々刻刻の変化を東京、ワシントン、ホノルル、マレー半島に追いながら日本人にとって日米開戦とは何であったのかを冷静に解き明かす。名著『ノモンハンの夏』に続く著者の開戦シリーズ。
感想・レビュー・書評
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戦争に突き進む過程を丁寧に描いていて、何が行われていたか分かりやすい。
日米両国とも、個人の思惑を超えて、なるようにしてなってしまったと思えてならない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017/9/20 No.16
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真珠湾攻撃に至るまでの外交の展開がスリリング。日米間だけでなく、蒋介石の中華民国の絡みなども知らなかったことが多く面白かった。
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機中で読み始めたこちらを読了。今さら真珠湾攻撃について読む意味あるかな…?と思いつつ読んだのですが、さすが半藤一利さん、大変な力作です。
運命の日の24時間を中心に、日本の軍部・閣僚はもとより、アメリカ側、また当時の知識人や民衆の様子にもかなりの紙幅を費やして可能な限り多角的に描写しています。 -
日本が戦争に突入していったのは、指導部だけの責任にあらず。といった所だと思いました。
当時の作家や記者などの日記も引用してあり、その時の社会がどういった風潮であったのかがイメージできました。
山本五十六がなるべく戦争を回避しようという姿勢も印象的でした。ロンドン海軍軍縮について反対していたことも、戦争しないようにとの思惑があってのことだったんでしょう。
当時の各国の様々な思惑によって、侵略戦争、自衛戦争と見方はありますけども、今後も多くの本を読み最初に書いた通り事実をきちんと見直していきたいと思います。自分の知識不足も補おうと思います。 -
2001年に雑誌に掲載との事なんですが、内容は映画「トラトラトラ!」に酷似しています。山本五十六の苦悩、駆逐艦ウォードの艦長、P-40に乗る二人、暗号解読に関わるブラットン大佐、オパナレーダー基地の二人、等映画でお馴染みのシーンが淡々と綴られます。この本に感心するより1970年の「トラトラトラ!」に感心してしまいました。当時の日本の文化人達がどの様に開戦を受け止めたか、時代の空気はどんなものだったか、が新しい視点なんでしょうか。力作でした。
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太平洋戦争というと、すぐに肯定・否定の意見になるが、それを言う前に最低限読んでおくべき本の一つ。実際には世界恐慌・軍縮条約・中国進出に至る一連の流れも知っておくべきだが。
この本の面白いところは、山本・井上・米内トリオの活躍ではない。それは多くの作者が書いている。
「結果を知ってからの後だし評論」ではなく、西田幾多郎から永井荷風まで、当時も今も日本の最上級のインテリ層に属する人々が、同時代的に開戦前夜の空気をどう捉え、どのような文章を残しているかが書かれている点だ。そこにこの作者・半藤氏の誠意と、日本人への限りない愛情があり、他人の言葉を借りることで、訴えたいことが逆に明らかになってくる。 -
太平洋戦争前の日米の動きが、時系列でわかりました。高校の日本史を思い出しました。
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数か所で、時間を軸に同時進行でいくイメージがいい。
全体としては、逆らえない、前進するしかない、という世界の流れを感じる。
熱狂する日本国民の側面だけを、恣意的に切り取って本にすることは簡単だろうけど、証明の仕様がないけど、これに書いてある雰囲気がほんものだったのかなあ、という気がする。
イエローモンキーが日露戦争でロシアに勝つ。その30年後にようやく英米に一撃を加える。
そりゃ痛快でしょう。
みんなたまらんでしょう。
新聞も筆が進むことでしょう。
そんななか山本五十六の冷静さが際立っていた。
んで12月9日にドイツ軍がモスクワ退却始めた、というのもなんとも皮肉。